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氷室冴子とその時代 増補版

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著者:嵯峨景子
発行元:河出書房新社
400ページ
188mm × 128mm ソフトカバー

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 出版社紹介文より
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80~90年代、少女小説を中心に活躍し、再評価の機運も高まる作家・氷室冴子。少女小説研究の第一人者が丹念な調査と取材から、その全貌に迫る。作家や編集者に追加取材を行い増補刊行!

少女小説の革新、「女性作家」としての活躍と葛藤、新たなジャンルへの挑戦――
80~90年代、エンタメ小説の最前線で戦い続けた。
いま、最も再評価すべき作家の全貌に迫る。

『クララ白書』『雑居時代』『なぎさボーイ』『なんて素敵にジャパネスク』などの少女小説、ジブリアニメにもなった青春小説『海がきこえる』、エッセイ『いっぱしの女』『冴子の母娘草』などで絶大な支持を得、今も人気女性作家たちがその影響を公言する作家・氷室冴子(1957-2008)。少女小説研究の第一人者が丹念な資料調査と取材から、その功績と志に迫る。若木未生氏、桑原水菜氏や各社担当編集者のインタビューを増補。未完の傑作『銀の海 金の大地』第二部についての証言も収録!

【目次】
はじめに

第1章 氷室冴子以前――文学と少女マンガの揺籃期
 幼年期の少女マンガ体験
 文学少女としての目覚め
 藤女子大学進学と女子校文化との出会い
 碓井小恵子時代の創作
 「モギ店ハンジョー記」と「少女マンガの可能性」

第2章 作家デビューから『クララ白書』まで
 『小説ジュニア』とジュニア小説の歴史
 新人賞への応募と佳作受賞
 デビュー作「さようならアルルカン」
 『小説ジュニア』にみる氷室冴子最初期作品
 『さようならアルルカン』と『白い少女たち』
 実家からの独立
 『クララ白書』──少女たちの解放区
 『クララ白書』と少女マンガ
 雑誌『宝島』の書評

第3章 マンガ原作の仕事と初連載『雑居時代』
 演劇を少女マンガのモチーフに
 『ライジング!』の連載
 宝塚への移住とファン活動
 バウホールを描くこと
 藤田和子との共同作業
 『小説ジュニア』の初連載『雑居時代』
 『雑居時代』人気と倉橋数子というキャラクター

第4章 一九八三年・八四年にみる多様な作品群
 『恋する女たち』──ガールズトークのリアリティ
 『ざ・ちぇんじ!』──少女小説としての「改変」
 『シンデレラ迷宮』──少女の目覚めと心の王国 
 『蕨ヶ丘物語』──ローカルコメディの世界
 『少女小説家は死なない!』──パロディにしのばせた少女小説の多様性
 『古事記』への関心と『ヤマトタケル』

第5章 『なんて素敵にジャパネスク』と少女小説ブーム
 結婚をめぐる対立から生まれた『なんて素敵にジャパネスク』
 『なんて素敵にジャパネスク』シリーズの構成
 初夜から東宮廃位問題へ
 氷室冴子人気と『ジャパネスク』受容
 少女小説ブームと氷室冴子
 同時代における氷室冴子評価
 少女小説マーケットの拡大

第6章 男の子の行方――氷室冴子の少年主人公小説
 『なぎさボーイ』シリーズと複数視点の描写
 クリエイターにみる氷室冴子作品の影響
 『北里マドンナ』──「少女」から離れて
 氷室冴子の仕事道具
 『冬のディーン 夏のナタリー』──プレ『海がきこえる』としての模索

第7章 少女小説から離れて――エッセイと一般小説の仕事
 氷室冴子、東京へ
 エッセイと一般小説の連載状況
 氷室冴子の一般小説
 氷室冴子と直木賞
 『ターン──三番目に好き』──大人の恋愛小説への挑戦
 『いもうと物語』──幼年期の祝福
 初エッセイ集『冴子の東京物語』 
 『プレイバックへようこそ』──過去への視線と世代の相対化
 出版業界のなかの「女」──氷室冴子とフェミニズム
 『いっぱしの女』──「女」にまつわるエッセイ集
 『冴子の母娘草』──母と娘の闘い
 家庭小説の復刊──「角川文庫マイディアストーリー」とブックエッセイ
 『ホンの幸せ』──書物へのまなざし

第8章 イメージから生まれた物語――『海がきこえる』
 高知との出会い
 『海がきこえる』のストーリー
 情景の見える文体へ
 『海がきこえる』と挿絵の世界
 『海がきこえる』のヴァリアント
 『アニメージュ』連載版『海がきこえる』
 『涼宮ハルヒ』シリーズのなかの『海がきこえる』
 アニメーション版『海がきこえる』
 続編『海がきこえるⅡ──アイがあるから』

第9章 古代への情熱――『銀の海 金の大地』
 九〇年代とファンタジーの潮流
 『銀の海 金の大地』連載まで
 『銀の海 金の大地』の世界
 挿絵と古代の文化
 『銀の海 金の大地』にみる古代の風俗描写
 少女小説の限界へ──『銀金』にみるヴァイオレンス描写
 まぼろしの「佐保彦の章」

第10章 氷室冴子は終わらない――九〇年代後半以降から
 旧作のアップデート
 『クララ白書』のリメイク
 新装版『なんて素敵にジャパネスク』
 大人の恋愛小説執筆をめぐる模索
 休筆期のこと──氷室冴子の二〇〇〇年代
 コバルトという場所
 作家としての再始動──「月の輝く夜に」の加筆をめぐって
 闘病期
 氷室冴子の死とメディア報道
 氷室冴子受容の「断絶」
 継承へ向けて
 氷室冴子作品復刊の動向
 作家・氷室冴子像とその先の可能性──古典への志
 物書きとしての苦悩
 氷室冴子を未来へ繫ぐ

おわりに 心に金の砂をもつ――氷室冴子と私

附録 氷室冴子 「少女マンガの可能性」

氷室冴子略年譜
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