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そっと 静かに(新しい韓国の文学シリーズ)
¥2,420
SOLD OUT
著者:ハン・ガン 訳者:古川綾子 発行元:クオン 192ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「歌は翼を広げて、私たちの生の上へと滑り出す。歌がなくて、その翼で生の上へと滑空する瞬間すらもなかったら、私たちの苦しみはどれほど重さを増すだろうか」――本文より ハン・ガンが「書きたいのに、書けなかった」と回想する時期に生まれた本書には、音楽との出会い、さまざまな思い出にまつわる歌、著者自身がつくった歌について綴られている。著者の繊細な感性に触れるエッセイ集の初邦訳。 巻末にはオリジナルアルバムの音源情報も収録!
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誰もが別れる一日
¥1,870
著者:ソ・ユミ 訳者:金 みんじょん/宮里綾羽 発行元:明石書店 224ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 韓国文学界で大きな存在感を放つ作家ソ・ユミによる小説6編をまとめた待望の短編集。6 作品の主人公たちは貧困、失業、借金、離婚、夫の失踪、身近な死、母親との別れなどを経験し、以前とは違う状態に移る瞬間を経験する。変化は不可逆的で、人生は過去の自分との別れの蓄積だ。 誰にでも訪れる不安と危機の断面を解剖し、時代と社会の病を敏感に捉え平凡な人間群像を暖かく包み込む、篤実なリアリズム小説。
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ロ・ギワンに会った
¥2,200
著者:チョ・ヘジン 訳者:浅田 絵美 発行元:新泉社 224ページ 193mm × 135mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「彼は希望を育む術と地の果てまで絶望する術を同時に鍛えなければならなかった」 脱北者の青年ロ・ギワンの足跡を辿るなかで、失意と後悔から再生していく人びとの物語。 英語版・ロシア語版も刊行された話題作 映画原作のロングセラー、日本上陸 申東曄文学賞受賞作 「命がけで国境を越え、最愛の人を失い、生きるためだけに見知らぬ国へと流れ着いたここまでの道のり。 それが何の意味もなかったことを受けいれなければならない、氷のように冷たい時間。 彼は、懐かしさだけで故郷を思い出す甘い時間は、自分には今後いっさい訪れないだろうと悟った。」 単身ブリュッセルに流れ着いた20歳の脱北者ロ・ギワン。 希望を見いだせず、自分を否定する日々を送っていた放送作家の「わたし」は、雑誌で出会ったギワンの言葉がきっかけで、彼の足跡を辿る旅に出る。 オンライン配信映画、2024年公開! 「なにものにも置き換えることのできない感情は、一度も会ったことのない他者の人生を通じてよみがえることもある。 ブリュッセルに来て、ギワンの供述書と日記を読み、彼が滞在した場所や歩いた街を辿っている間、ギワンはすでにわたしの人生に入り込んでいた。 だからこそ、今度は彼にもわたしのことを、彼自身が介入しているわたしの人生を知ってもらおう。 ギワンがわたしの人生へと歩んできた距離と同じ分、わたしもまた彼に向かって歩んでいくべきなのだ。」
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別の人
¥2,420
著者:カン・ファギル 訳者:小山内園子 発行元:エトセトラブックス 336ページ 188mm × 133mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 受け入れがたい暴力にさらされたあとも、人生は続く。 そのとき記憶は人をどう変えるのか――。 ハンギョレ文学賞受賞、韓国フェミニズム作家の先頭を走るカン・ファギル初邦訳! 30代前半のジナは、恋人から受けたデートⅮⅤをネットで告発するが、かえって彼女のほうがひどい誹謗中傷にさらされてしまう。さらに傷ついたジナは、かつて暮らした街を訪ねることに……。デビューから一貫して女性を襲う理不尽と絶望を書き続けてきた作家が、韓国でも社会問題化している性暴力被害を題材に、暴力が生まれる構造を正面から描く。
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あなたを選んでくれるもの(新潮クレスト・ブックス)
¥3,080
著者:ミランダ・ジュライ 訳者:岸本佐知子 発行元:新潮社 256ページ 190mm × 130mm 仮フランス装 *********************** 出版社紹介文より *********************** 映画の脚本執筆に行き詰まった著者は、フリーペーパーに売買広告を出す人々を訪ね、話を聞いてみた。革ジャン。オタマジャクシ。手製のアート作品。見知らぬ人の家族写真。それぞれの「もの」が、ひとりひとりの生活が、訴えかけてきたこととは。 カラー写真満載、『いちばんここに似合う人』の著者による胸を打つインタビュー集。 *********************** 店主コメント *********************** 映画監督や作家として活動するミランダ・ジュライによるインタビュー集。 インタビュー対象は、『ペニーセイバー』というフリーペーパーに広告を掲載している人たち。彼女にとって全く接点のない一般人です。 映画脚本の執筆が行き詰まる度にネットの世界へ逃避しがちだったジュライ。フリーペーパーで私物の売買広告を出す人たちに興味を引かれた彼女は、ネットの呪縛に抗うかのように広告の番号に電話をかけます。 そうしなければ一生出会わなかったあろう人々との会話を通して、彼女はさまざまな思いを巡らせながら映画制作と自身の人生につきまとう焦燥感と向き合うのです。 インタビュー集でありながら、映画撮影へ結実してゆく終盤の展開はとても感動的でドラマチック。
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別れを告げない
¥2,750
SOLD OUT
著者:ハン・ガン 訳者:斎藤真理子 発行元:白水社 320ページ 195mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 際ブッカー賞受賞作家、待望の最新長篇 韓国で発売後1か月で10万部突破のベストセラー! 韓国人として初のメディシス賞受賞作 作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。 済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も…… いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。
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耳をすませば
¥1,870
SOLD OUT
著者:チョ・ナムジュ 訳者:小山内園子 発行元:筑摩書房 320ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 『82年生まれ、キム・ジヨン』著者のデビュー作にして傑作! 抜群の聴力を持つ少年がテレビのサバイバル番組に出場し……。著者インタビューも必読!
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チャリング・クロス街84番地 増補版(中公文庫)
¥902
著者:ヘレーン・ハンフ 訳者:江藤淳 発行元:中央公論新社 248ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** ロンドンの古書店に勤める男性と、ニューヨーク在住の女性脚本家。大戦後間もない一九四九年から、本の購入を介して二十年にわたり交わされた手紙には、書物へのつきぬ愛着と、率直な友情が綴られていた。発表されるや世界中の読書家を魅了した、心あたたまる書簡集。後日譚を描いたエッセイ「その後」を収録した増補版。 〈解説〉辻山良雄
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手はポケットのなか コーダとして生きること
¥2,420
SOLD OUT
著者:ヴェロニク・プーラン 訳者:志村響 発行元:白水社 184ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** こえない親のもとに生まれた、きこえる子どもChildren Of Deaf Adults、略してCODA(コーダ)。時として、手話と音声言語のバイリンガルとなること、幼くして親の通訳者の役割を担わされることが運命づけられもする。きこえる世界ときこえない世界、音声言語と手話を行き来する著者が、家族への葛藤と愛を強烈なユーモアとともに描く自伝的エッセイ。 周囲の無理解や他の家族との違いにうろたえ傷つき、母と娘、そして父と娘のあいだに生じる遠慮や無遠慮、家族への誇りと恥と怒りの感情を行き来する著者は、素直に家族への愛を表現できない。きこえない親を守りたい、親に守られたい。わかり合えない苛立ち、わかり合えないけど感じる愛。そうした感情の行き来の波を繰り返しながら成長し、気づいたのは「普通の家族なんてない」。きこえない幸せ、そしてきこえない親を持つ幸せ。コーダのみならず、さまざまな家族の形があることを考えるきっかけを提示する。 映画『コーダ あいのうた』のオリジナル『エール!』の原案作品。 解説・安東明珠花(ドラマ「しずかちゃんとパパ」コーダ考証)
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アウシュヴィッツを泳いだ男
¥2,200
著者:ルノー・ルブロン 訳者:吉野さやか 発行元:アストラハウス 288ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** フランスで最高のスポーツ文学作品に贈られる「スポーツ・スクリプトム賞」受賞(2022年) アントワーヌ・ブロンダン賞受賞(2023年) アウシュヴィッツ強制収容所を生き抜いたアルジェリア系フランス人の水泳選手、アルフレッド・ナカッシュの伝記物語。 主人公のアルフレッドは、トップアスリートとして素晴らしい成績を残し、さらにはアウシュヴィッツに収容される壮絶な経験をしたあとにも世界新記録を出すという偉業を成し遂げているが、フランスにおいても現在の人々の記憶にしっかりと残っているわけではなかった。本作はそんなアルフレッドに光を当てた作品となっている。 極限状態にあっても、他者を思いやり分かち合おうとするアルフレッドの姿は、打ちのめされた人たちの気持ちを救い勇気を与え、自身も、そうすることによって癒され慰められていく。 「泳ぐこと」を生きる希望として収容所を生き抜いたアルフレッド・ナカッシュ。 この物語が描いているのは、ナチズムの闇に埋もれた知られざる英雄の真の姿である。
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菜食主義者
¥2,420
著者:ハン・ガン 訳者:きむふな 発行元:クオン 304ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「新しい韓国文学シリーズ」第1作としてお届けするのは、韓国で最も権威ある文学賞といわれている李箱(イ・サン)文学賞を受賞した女性作家、ハン・ガンの『菜食主義者』。韓国国内では、「これまでハン・ガンが一貫して描いてきた欲望、死、存在論などの問題が、この作品に凝縮され、見事に開花した」と高い評価を得た、ハン・ガンの代表作です。 ごく平凡な女だったはずの妻・ヨンヘが、ある日突然、肉食を拒否し、日に日にやせ細っていく姿を見つめる夫(「菜食主義者」)、妻の妹・ヨンヘを芸術的・性的対象として狂おしいほど求め、あるイメージの虜となってゆく姉の夫(「蒙古斑」)、変わり果てた妹、家を去った夫、幼い息子……脆くも崩れ始めた日常の中で、もがきながら進もうとする姉・インへ(「木の花火」)― 3人の目を通して語られる連作小説集。 *********************** 店主コメント *********************** ある日突然、肉を食べることを拒絶するようになった主婦ヨンヘ。その不可解な言動に、彼女をとりまく家族関係が変化して行く様子を「夫」「義弟」「姉」それぞれの視点で描いた3篇の連作小説。 社会的なつながりや営みよりも、もっと本能的な生の営み。そこに秘められた葛藤や獣性をヨンヘと周囲の人間との対比によって浮かび上がらせようとしています。 2011年の刊行以来、版を重ねるロングセラーの作品です。
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すべての、白いものたちの(河出文庫)
¥935
SOLD OUT
著者:ハン・ガン 訳者:斎藤真理子 発行元:河出書房新社 200ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。 生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。 文庫化にあたり、訳者の斎藤真理子による「『すべての、白いものたちの』への補足」、平野啓一郎による解説「恢復と自己貸与」を収録。
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優雅な生活が最高の復讐である
¥2,200
SOLD OUT
著者:カルヴィン・トムキンズ 訳者:青山南 発行元:田畑書店 248ページ 156mm × 113mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 1920年代のフランスに信じ難いほど素敵な生活を営むアメリカ人夫婦がいた。 ジェラルド・マーフィとサラ、二人はパリからアンティーブへ生活の舞台を移し、近郊に住むアーティストや作家、たとえばピカソ、レジェ、コール・ポーター、ヘミングウェイ、フィッツジェラルドとゼルダ夫妻など時代を画する才能をもてなし、その創作活動に多大な影響を与えた。そしてマーフィ自身も画家だった。活動期間はたった8年間であったが、わずかな、しかし素晴らしい作品がMoMAに遺されている。 本書はこのマーフィ夫妻の生活を見事に掬い上げ、ノンフィクションの分野に金字塔を立てたカルヴィン・トムキンズのテキストに、70点近くの家族アルバムとジェラルドの絵画を加えた。 雑誌「ニューヨーカー」初出から60年を経て放つ歴史的名著の決定版!
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雨に打たれて
¥2,200
著者:アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ 訳者:酒寄進一 発行元:書肆侃侃房 224ページ 193mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 930年代、ナチスに迎合する富豪の両親に反発し、同性の恋人と共に中近東を旅したスイス人作家がいた。 同じように世界に居場所を失い、中近東に流れ着いた人々がいた。 旅先で出会った人々を繊細な筆致で描いた、さすらう魂の吹き溜まりのような短編集。 「シュヴァルツェンバッハは冷徹な観察者の眼差しと簡潔な文体で、 オリエントの国々を彷徨う異邦人の荒涼とした自由、追放者の勲章としての孤独、 そして過酷な運命を優美に描いてみせる。」 ────山崎まどか 【著者プロフィール】 アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ 1908年スイスのチューリッヒ生まれ。作家、ジャーナリスト、写真家。大学では歴史学を専攻し、23歳で博士号を取得。レズビアンだったが、27歳のとき、同性愛者のフランス人外交官の男性と結婚。ナチから逃れるようにして中近東を旅し、帰国後創作活動に入るが、薬物依存症に陥る。1939年、ふたたび中近東への自動車旅行を試みるが、その途上、第二次世界大戦が勃発し、帰国。1942年不慮の自転車事故で34年の生涯を閉じる。
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パタゴニア(河出文庫)
¥1,320
著者:ブルース・チャトウィン 訳者:芹沢真理子 発行元:河出書房新社 392ページ 文庫判 148mm × 128mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 黄金の都市、マゼランが見た巨人、アメリカ人の強盗団、世界各地からの移住者たち……。 幼い頃に魅せられた一片の毛皮の記憶をもとに綴られる見果てぬ夢の物語。紀行文学の新たな古典。 *********************** 店主コメント *********************** パタゴニアの地と人々の記憶に埋もれた歴史や、出会った人たちの境遇を著者自身の旅と交錯させながら語られる紀行文。時に論考的な一面も見せますが、情緒的な余韻を残す重厚感のある内容。星野道夫が好きな方におすすめです。
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ガルシア=マルケス中短篇傑作選(河出文庫)
¥1,320
著者:ガブリエル・ガルシア=マルケス 訳者:野谷文昭 発行元:河出書房新社 328ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 「大佐に手紙は来ない」「純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語」など、世界文学最高峰が創りだした永遠の物語。著者の多面的な魅力を凝縮した新訳アンソロジー。 【目次】 大佐に手紙は来ない 火曜日のシエスタ ついにその日が この街に泥棒はいない バルたサルの軌跡の午後 巨大な翼をもつひどく年老いた男 この世で一番美しい水死者 純真なエレンディラと 邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語 聖女 光は水に似る 解題 語りの魔術に掛かる 編訳者解説 文庫版編訳者あとがき
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すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集
¥2,640
著者:ルシア・ベルリン 訳者:岸本佐知子 発行元:講談社 376ページ 188mm × 128mm 仮フランス装 ~出版社紹介文より~ 魂の作家による19の短編。 ロングセラー『掃除婦のための手引き書』のルシア・ベルリン、待望の新邦訳作品集。 『掃除婦のための手引き書』の底本である短編集 A Manual for Cleaning Women より、同書に収録しきれなかった19編を収録、今回も傑作ぞろいの作品集です。 〈収録作品〉 虎に噛まれて/エル・ティム/視点/緊急救命室ノート、一九七七年/失われた時/すべての月、すべての年/メリーナ/ 友人/野良犬/哀しみ/ブルーボネット/コンチへの手紙/泣くなんて馬鹿/情事/笑ってみせてよ/カルメン/ ミヒート/502/B・Fとわたし
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掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集(講談社文庫)
¥990
著者:ルシア・ベルリン 訳者:岸本佐知子 発行元:講談社 384ページ 文庫判 148mm × 105mm ~出版社紹介文より~ 死後10年を経て再発見された、奇跡の作家。 大反響の初邦訳作品集、ついに文庫化! 2020年本屋大賞〔翻訳小説部門〕第2位 第10回Twitter文学賞〔海外編〕第1位 毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。 道路の舗装材を友だちの名前みたいだと感じてしまう、独りぼっちの少女(「マカダム」)。 波乱万丈の人生から紡いだ鮮やかな言葉で、本国アメリカで衝撃を与えた奇跡の作家。 大反響を呼んだ初の邦訳短編集。 -------------------------------------------------------- ~店主コメント~ 紆余曲折の半生を題材にした数々の短編は、悲壮感を漂わせるような重たい内容もある。けれど、さほど疲労感を感じずに読めるのは、著者と主人公の間に一定の距離感が保たれ自己陶酔的な感じがしないからだろう。一篇がほど良いボリュームということもあるかもしれない。 表題作は、掃除婦として働いている家の印象や内情をクールに語りつつ、かつての恋人を思い出し鬱々とした部分をちらつかせる。そんな描き方が読み手の感情に揺さぶりをかける。 一方で「ドクターH.A.モイニハン」という短編は、誰もが味わいたくない肉体的な痛みを想像させる。痛々しい鋭さを持ちながら、物語の顛末に爽快感がある面白い作品。
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レンブラントの帽子
¥1,760
SOLD OUT
著者:バーナード・マラマッド 訳者:小島信夫 浜本武雄 井上謙治 出版社:夏葉社 160ページ 195mm × 135mm ハードカバー ~出版社紹介文より~ 1975年に刊行された同名の短編集から3編をセレクトし、復刊。 人と人とのすれ違いを描いた表題作はアメリカ文学史に残る傑作。 小説を読むことは「レンブラントの帽子」を読むこと、読み続けることだ。 ぼくはそんなふうに思う。 巻末エッセイ 荒川洋治 【目次】 レンブラントの帽子 引き出しの中の人間 わが子に、殺される 注解 巻末エッセイ 「レンブラントの帽子」について 荒川洋治
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象の旅
¥2,200
SOLD OUT
著者:ジョゼ・サラマーゴ 訳者:木下眞穂 216ページ ハードカバー ~出版社紹介文より~ ノーベル賞作家サラマーゴが最晩年に遺した、史実に基づく愛と皮肉なユーモアに満ちた傑作。 1551年、ポルトガル国王はオーストリア大公の婚儀への祝いとして象を贈ることを決める。象遣いのスブッロは、重大な任務を受け象のソロモンの肩に乗ってリスボンを出発する。 嵐の地中海を渡り、冬のアルプスを越え、行く先々で出会う人々に驚きを与えながら、彼らはウィーンまでひたすら歩く。 時おり作家自身も顔をのぞかせて語られる、波乱万丈で壮大な旅。