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被災物 モノ語りは増殖する
¥3,850
著者:姜信子 発行元:かたばみ書房 256ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 気仙沼のリアス・アーク美術館には、東日本大震災の「被災物」が展示されている。 2019年、この展示に出会った姜信子は、「被災物」に応答すべく、大阪で「被災物」をモノ語るワークショップを始めた。 傷ついたモノを前に、人は思わず記憶の底の声を語りだす。 モノに宿された記憶は、語りなおしを通して、命をつなぐ。 路傍の地蔵や道祖神の謂れのように。 亡き娘のぬいぐるみ、携帯電話の声、山の供養塔、寄り物と漁師の思想、 第五福竜丸事件、東京電力福島第一原発事故による汚染処理水の海洋投棄…… 本書は、「復興」の物語からはみだす、小さな〈モノ語り〉の記録であり、 他者の記憶の継承という問いに対する、真摯な応答の記録である。 当事者/非当事者の境界を越えて、命の記憶を語りつぐために。 カラー32頁。志賀理江子の撮り下ろし新作未発表写真16頁を付す。 【目次】 Ⅰ 終わりと始まり 「被災物に応答せよ」「第三者による記憶の継承」という問い 姜信子 モノ語り集Ⅰ 祠/郵便受け/漁船/シュガーポット 記憶の器としての被災物 山内宏泰 Ⅱ 「モノ」語りは増殖する 「被災物」は記憶を解き放つ 記憶のケアとしての「モノ語り」 姜信子 モノ語り集Ⅱ ぬいぐるみ/トランペット/電柱/足踏みミシン/ドラム缶/携帯電話 呼び鈴/トタン板/床板/児童文学全集/椅子/洗濯機/香炉/受話器 座談会1 これは、きっと、新しい神話の増殖が始まっているんだ 「被災物ワークショップ」参加者 Ⅲ 氾物語−躊躇なく触る リアス・アーク美術館に眠るもの 案内する人 山内宏泰 写真 志賀理江子 土の時間、水の時間 東琢磨 Ⅳ 恵比寿の到来 ナニカが海からやってくる 姜信子 えべっさま、ようきてくれましたな 武地秀実 目覚めよ、ヒルコ 岡本マサヒロ 座談会2 気仙沼リアス・アーク美術館「被災物」の企み 山内明美×山内宏泰×ワークショップ参加者×姜信子 Ⅴ 新しい祭りへ 南三陸集会+気仙沼への旅 姜信子 エビスが語りて命をつなぐ 川島秀一
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密航のち洗濯 ときどき作家
¥1,980
SOLD OUT
著者:宋恵媛 /望月優大 写真:田川基成 発行元:柏書房 336ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 1946年夏。朝鮮から日本へ、 男は「密航」で海を渡った。 日本人から朝鮮人へ、 女は裕福な家を捨てて男と結婚した。 貧しい二人はやがて洗濯屋をはじめる。 ----------------------------------------- 朝鮮と日本の間の海を合法的に渡ることがほぼ不可能だった時代。それでも生きていくために船に乗った人々の移動は「密航」と呼ばれた。 1946年夏。一人の男が日本へ「密航」した。彼が生きた植民地期の朝鮮と日本、戦後の東京でつくった家族一人ひとりの人生をたどる。手がかりにしたのは、「その後」を知る子どもたちへのインタビューと、わずかに残された文書群。 「きさまなんかにおれの気持がわかるもんか」 「あなただってわたしの気持はわかりません。わたしは祖国をすてて、あなたをえらんだ女です。朝鮮人の妻として誇りをもって生きたいのです」 植民地、警察、戦争、占領、移動、国籍、戸籍、収容、病、貧困、労働、福祉、ジェンダー、あるいは、誰かが「書くこと」と「書けること」について。 この複雑な、だが決して例外的ではなかった五人の家族が、この国で生きてきた。 蔚山(ウルサン)、釜山、山口、東京―― ゆかりの土地を歩きながら、100年を超える歴史を丹念に描き出していく。ウェブマガジン『ニッポン複雑紀行』初の書籍化企画。 【目次】 プロローグ 密航 1946 関釜のあいだの海/蔚山からの密航船/K村の警防団/下関での感染拡大/仙崎港の朝鮮人たち/1946年のコレラ禍 第1章 植民地の子ども 1 朝鮮 1911‐24 鯨のまち長生浦/方魚津の日本人町/蔚山の市街地/江陽里の老人たち/対馬の先へ/植民地都市釜山 2 日本 1924‐44 関東大震災後の横浜で/東京で短歌に出会う/15年後の帰郷/ふたたび江陽里にて/東京に戻る/結婚と徴用 3 朝鮮 1944‐46 朝鮮に逃げる/妻との旅(1)東京から釜山へ/妻との旅(2)釜山から兼二浦へ/1945年8月15日/妻との旅(3)38度線南下/帝国崩壊後の釜山/妻との旅(4)日山津から日本へ 送還 1946 失敗した密航/ひと月遅れのコレラ猖獗/仙崎、佐世保、博多のコレラ船/針尾収容所から大村収容所へ 第2章 洗濯屋の家族 1 尹紫遠 ユン ジャウォン 密航のち、18年の人生/自分ひとりの部屋/多摩川を泳いで渡る/故郷の戦争、弟の虐殺/横浜の検閲生活/売血もできない/米兵と黒人兵/洗濯屋のぬかるみ/ときどき作家/テープレコーダー 2 大津登志子 おおつ としこ 満洲から38度線へ/朝鮮人との結婚/日本人と朝鮮人のあいだで/夫の日記と広島の教会 3 泰玄 テヒョン たいげん Money, money, money/中目黒の外国人たち/朝鮮学校の頃/夜間学校と祖国訪問団/国籍と永住の葛藤/三菱重工爆破と朴正煕暗殺 4 逸己 いつこ イルギ 歴史を準備する人/女性でロボット屋で/混乱する国籍/差別と暴力と/少数者の痕跡 エピローグ 補遺 密航の時代 註 参考文献
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日本人が移民だったころ
¥1,980
著者:寺尾紗穂 発行元:河出書房新社 200ページ 195mm × 135mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 日本はかつて国策として移民を推奨する「移民送り出し国」だった。沖縄からパラグアイまで開拓地をめぐり、戦争に翻弄された労働者たちの声を拾い集める、聞き書きルポルタージュの決定版。 【目次】 まえがき 父のいない戦後 札幌・平尾富士子さん 台風と格闘した開拓 種子島・中川博司さん 遊水地に拓いた未来 我孫子・玉根康徳さん PTSDを呼び起こされる戦後 那覇・上原和彦さん 死亡も補償も認められない 一六歳の兄の戦死 那覇・阿良光雄さん 靖国に祀られた母 札幌・野村武さん パラグアイからアルゼンチンへ 埼玉・鈴木光さん 除草剤入らなかったらつぶれてた パラグアイ・フラム 溝際孝市さん 二つの大和村を生きた夫 パラグアイ・エンカルナシオン 中村博子さん 移民の子が大使になった パラグアイ・フラム イサオ・タオカさん あとがき
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九月、東京の路上で 1923年関東大震災 ジェノサイドの残響
¥1,980
SOLD OUT
著者:加藤直樹 発行元:ころから 216ページ 198mm × 148mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 関東大震災の直後に響き渡る叫び声 ふたたびの五輪を前に繰り返されるヘイトスピーチ 1923年9月、ジェノサイドの街・東京を描き 現代に残響する忌まわしい声に抗う―― 路上から生まれた歴史ノンフィクション!
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日本習合論
¥1,980
SOLD OUT
著者:内田樹 発行元:ミシマ社 296ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 外来のものと土着のものが共生するとき、 もっとも日本人の創造性が発揮される。 どうして神仏習合という雑種文化は消えたのか? 共同体、民主主義、農業、宗教、働き方… その問題点と可能性を「習合」的に看破した、傑作書き下ろし。 壮大な知の扉を、さあ開こう。 【目次】 まえがき 第1章 動的な調和と粘ついた共感 第2章 習合というシステム 第3章 神仏分離と神仏習合 第4章 農業と習合 第5章 会社の生命力を取り戻す 第6章 仕事の概念を拡大する 第7章 日本的民主主義の可能性 第8章 習合と純化 あとがき
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戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」(集英社文庫)
¥990
SOLD OUT
著者:斉藤光政 発行元:集英社 464ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** すべてがインチキだ! 「東日流外三郡誌」の真贋論争の中心にいた青年記者がその真相を暴く── 立花隆氏、呉座勇一氏など各界著名人たちに注目された迫真のルポルタージュ! 青森県五所川原市にある一軒の農家の屋根裏から、膨大な数の古文書が発見された。当初は新たな古代文明の存在に熱狂する地元。ところが1992年の訴訟をきっかけに、その真偽を問う一大論争が巻き起こった。この「東日流外三郡誌」を巡る戦後最大の偽書事件を、東奥日報の一人の青年記者が綿密な取材を重ね、偽書である証拠を突き付けていく──。事件後見えてきた新たな考察を加えた迫真のルポ。
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新装版 苦海浄土(講談社)
¥836
著者:石牟礼道子 発行元:講談社 416ページ 文庫判 148mm × 128mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 人の尊厳とは何か いまこそ心打つ<声>を聞いてください 文字が大きく読みやすくなった新装版 工場廃水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽(せいれつ)な記録を綴った。本作は、世に出て30数年を経たいまなお、極限状況にあっても輝きを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき<いのちの文学>の新装版。
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慟哭の谷(文春文庫)
¥737
著者:木村盛武 発行元:文藝春秋 224ぺージ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 1915年12月、北海道苫前村の開拓地に突如現れた巨大なヒグマは、一軒の民家に押し入り、阿部マユと預かり子の幹雄を惨殺。村人たちは恐怖に震えながらも、ヒグマ退治に乗り出すが、冬眠しそこねて〝穴持たず〟となり凶暴化したヒグマは、悪魔のような知恵を働かせて、村人たちを次々と牙にかけていくーー。 死者8名という世界的にみてもヒグマによる食害事件としては類をみない最悪の惨劇となった「三毛別(さんけべつ)事件」の全貌を、生存者たちへの貴重な証言をもとに描き出す戦慄のノンフィクション。文庫化にあたり、著者の『ヒグマそこが知りたい 理解と予防のための10章』より、著者自身のヒグマとの遭遇事件、さらに福岡大学ワンゲル部の日高山系におけるヒグマ襲撃事件、写真家・星野道夫氏の事件など別のヒグマによる食害事件を検証した二章を特別収録! *********************** 店主コメント *********************** 大正時代に北海道三毛別で発生したヒグマ襲撃事件です。 明治期に発生した同種の丘珠事件より被害が大きかったにもかかわらず、三毛別の惨劇は丘珠事件の陰に隠れ歴史に埋もれつつあったそうです。(その理由についての考察も本文に書かれています)事件の詳細を地道な取材により記録として残した著者の功績は大きいのではないでしょうか。そして、他の事件や著者のヒグマ遭遇体験にも戦慄を覚えます。 三毛別の事件はネット上でもネタとして散見されますが、本書からはクマの危険性を伝えようとする著者の真摯な気持ちがひしひしと伝わってきます。 情報として消費されるのではなく、教訓として後世まで読み継がれるべき本だと思います。
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蓑虫放浪
¥2,860
SOLD OUT
著者:望月昭秀 写真:田附勝 発行元:国書刊行会 288ページ 188mm × 149mm ソフトカバー ~出版社紹介文より~ 井浦新さん(俳優)推薦! 「シンパシーを感じる大先輩が100年以上前にいた!」 折り畳み式の家を背負って旅をした? 幕末に西郷隆盛を助けた? 勝海舟、山岡鉄舟とも知り合いだった? 亀ヶ岡で「あの」遮光器土偶を発掘した? 日本ではじめて「縄文展」を開いた? 明治時代のインフルエンサー? クラウドファンディングで竹の庵を建てた? 熱田神宮の境内に私設博物館をつくろうとした? 幕末から明治にかけて北は青森、南は鹿児島まで全国津々浦々を自由に旅した漂泊の画人。東に名所あると聞けば行って絵にし、西に遺跡あると聞けば行って掘り起こし。嘘か真か虚実ないまぜホラ吹き一代、天衣無縫の放浪人生。絵と書を好み縄文遺物の発掘まで手がけた風狂の人の足跡を明らかにする決定版評伝! 蓑虫的観光案内付 【目次】 序 年表 一、源吾 長母寺/蓑虫山人とはいったい誰なのか/蓑虫山人の絵日記/蓑虫山人になる前の物語/放浪者として、そして変人として 二、幕末 九州/源吾、蓑虫山人となる/絵日記・アット・USA/六十六庵設立の夢/もうひとつの絵日記/伊呂波川に歌碑を訪ねる/蓑虫のコラボレーション癖/蓑虫山人は西郷隆盛を救ったか 三、土偶 最初の東北/回遊する蓑虫山人/サブカルポップ仙人/蓑虫、岩木川を丸ごと描く/蓑虫、土偶に出会う/蓑虫山人と亀ヶ岡遺跡 四、変人 二度目の東北/山本家に残された手紙/蓑虫山人の「すべらない話」/蓑虫流民俗学/しょんべん事件/ある年の正月/インフルエンサーだった蓑虫/蓑虫が描かなかったこと 五、放浪 最後の東北/第三期東北漫遊/いまだ遠い六十六庵の夢/峠の向こうからオレ登場/麓家に残された絵/出立の日、旅の終わり、日本初の縄文展 六、美濃 故郷/里帰りの挨拶/無言の蓑虫/美濃に残された絵を見に行く/すべてを竹で作る/蓑虫の動く庵/長母寺 笈の記二〇二〇 あとがき 参考文献 蓑虫観光 九州編 耶馬渓/宮本武蔵の墓/東椎谷の滝/福貴野の滝/涅槃岩/唐八景/孝婦伊知の墓 東北・岐阜編 男鹿温泉郷/木曽川/達磨館/養老の滝/仙人峠/ 長良川鵜飼/鰺ヶ沢/十和田湖
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安吾巷談
¥1,760
SOLD OUT
著者:坂口安吾 出版社:三田産業 282ページ 195mm × 135mm ハードカバー ~出版社紹介文より~ 1950年に発刊された坂口安吾の傑作ルポルタージュを復刊。 政治や芸術から競輪、ストリップまで、多様なトピックに安吾が縦横無尽に斬り込んでいく。 およそ70年の時を越え、安吾の透徹した批評精神がここに甦る。 【目次】 麻薬・自殺・宗教 天光光女史の場合 野坂中尉と中西伍長 今日われ競輪す 湯の町エレジー 東京ジャングル探検 熱海復興 ストリップ罵倒 田園ハレム 世界新記録病 教祖展覧会 巷談師退場 ~店主コメント~ 終戦間もない日本の社会風俗を安吾らしい筆致で活写。 本書に描かれている卑俗な風景は、日本人らしさの一端なのかもしれないです。