-
現代民俗学入門 身近な風習の秘密を解き明かす
¥1,980
著者:島村恭則 発行元:創元社 152ページ 210mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** なぜトイレにはスリッパがあるの? 火葬場で箸わたしをするのはどうして? そのヒントは、民俗学にありました。民俗学の知識を使って、ネット上の美談からLGBTQIA+まで、現在の世の中の各所に潜むいろいろな疑問や話題を取り上げ、豊富な図解とともにわかりやすく解説します。民俗学は現代社会でも使える、生きた学問だった! 民俗学への招待 執筆者一覧 【1章 日常のなぜ】 地鎮祭は何のためにするのか? 玄関の段差とトイレのスリッパ なぜ敷居を踏んではいけないのか? 掃除をしないとどうなるか? 風水、気にすべきか? 我が家の伝統 どこまでがシンセキなのか? 先祖の話 犬小屋の歴史・ネコの社会 なぜ一緒に食べるのか? どうして「いただきます」というのか おかわりするときにご飯粒を残すのはなぜか 職場方言 一本締めと三本締め ハンコとサイン 商売人だけが知っている 社員旅行と忘年会 お土産にやどる聖なる力 買い物は「替えごと」 市場とママチャリ 月賦販売と生命保険 福引きと福袋 化粧と仮面 イレズミはタブーなのか? アクセサリーの来歴 コラム01 柳田國男と折口信夫 【2章 四季のなぜ】 そもそも春はいつからか? 大晦日に「おせち」を食べてもいいのか? お年玉、ルーツは神からもらう「魂」だった 初夢は、どうして「二日」に見るのか? お雑煮はいつまで食べるものなのか? 土用に「うなぎ」を食べるのはなぜか どうして祇園祭の「ちまき」は食べられないのか お中元、お歳暮は何のために贈るのか? アート化するお盆の精霊馬 お月見どろぼうはハロウィンか? 神様たちはどうして出雲へ行くのか 運動会の綱引きはどこから来たのか なぜ「勤労感謝」は十一月なのか? どうして冬至に柚子湯に入るのか? クリスマス・イブは「前夜祭」なのか コラム02 フィールドワークはどのようにするのか 【3章 人生のなぜ】 産湯と若水 胞衣の行方 名付けの方法 人はいつ「年をとる」のか? 「とおりゃんせ」はなぜ「七つのお祝い」なのか? 成人式はなぜ荒れるのか? 通過儀礼としてのシューカツ ラップと歌垣 結納はなんのためにするのか? 結婚式はポトラッチなのか? LGBTQIA+の民俗学 なぜ還暦には赤いものを着けるのか? 隠居とは何か? 「古老」はほんとうに「物知り」なのか 介護民俗学の登場 お葬式 火葬場で「箸渡し」をするのはなぜか? 遺骨のゆくえ コラム03 日本の民俗学――ブックガイド 【4章 都市伝説のなぜ】 なぜ都市伝説は語られるのか? タクシーに出る幽霊 口裂け女のいた時代 ネット怪談とネット美談 「実話」とネットロア 地名と伝説の深い関係 神社の由緒の読み取り方 昔話は何種類くらいあるのか? ミームは現代の「民間伝承」 民俗学を知るための基礎用語
-
『忘れられた日本人』をひらく 宮本常一と「世間」のデモクラシー
¥1,760
著者:畑中章宏 発行元:黒鳥社 208ページ 173mm × 105mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 不世出の民俗学者・宮本常一の主著のひとつであり、今なお愛され読み継がれる『忘れられた日本人』。そこに描かれた日本人の姿を、ノスタルジアや復古主義に陥ることなく、グローバリズムとナショナリズムとが錯綜する21世紀の世界のなかにいかに価値づけ、その可能性をひらくことができるのか。民俗学者・畑中章宏と編集者・若林恵が、「忘れられた日本人」の新たな姿をさがす、寄り道だらけの対話篇。
-
忘れられた日本の村 増補版
¥2,695
SOLD OUT
著者:筒井功 発行元:河出書房新社 300ページ 195mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 2016年に刊行された同名書に、8章「近代、岩手県にあったアイヌ人集落の話」9章「伊豆半島のはずれ─米山信仰の村の数奇な歴史」を増補する新装版。興味深い、驚きの話の宝庫。 【目次】 はじめに 第一章 出雲国の水晶山と「たたら村」 第二章 マタギは、なぜアイヌ語を使っていたか 第三章 断崖の漁村「御火浦」略史 第四章 雪深い北陸「綾子舞い」の里 第五章 大分県「青の洞門」の虚と実 第六章 阿波山岳武士の村と天皇家を結ぶ糸 第七章 地名と村の歴史—千葉県・丁子から 第八章 近代、岩手県にあったアイヌ人集落の話 第九章 伊豆下田のはずれ―米山信仰の村の数奇な歴史 おわりに 増補版おわりに
-
生きづらさの民俗学 日常の中の差別・排除を捉える
¥3,080
編著者:及川祥平/川松あかり/辻本侑生 発行元:明石書店 384ぺージ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 柳田國男の問い「何故に農民は貧なりや」から始まった自己内省の学は、今日あらたに問いをたてなおし、とにもかくにも〈しんどい〉現代社会への探求の扉をふたたび開く。 「何故我々は生きづらいのか?」 本書は、民俗学に初めて触れる読者を想定した「入門書」である。わたしたちの社会のいたるところにみられる差別や排除、「生きづらさ」というテーマを民俗学はどう考えることができるか、そしてそこに立ちあらわれる民俗学とは何か。 【目次】 まえがき 本書の読み方[及川祥平・川松あかり・辻本侑生] ◆第Ⅰ部 生きづらさと民俗学 第1章 生きづらさと差別[川松あかり] 第2章 民俗学と生きづらさ[及川祥平] 第3章 生きづらさとインターセクショナリティ[辻本侑生] ◆第Ⅱ部 生きづらさを民俗学する 第1章 選べない出自と阻まれる職業選択[岡田伊代] 第2章 「多文化共生社会」の中の生きづらさ[川松あかり] コラム1 学歴と格差・地域差[辻本侑生] 第3章 ジェンダーとセクシュアリティ[辻本侑生] 第4章 エイジズム[及川祥平] コラム2 自己実現をせまる社会における推し活[藤崎綾香] 第5章 病気と差別[今野大輔] 第6章 差別に対する患者たちの抵抗と紐帯[桜木真理子] コラム3 都市の見えづらい分断[岡田伊代] コラム4 ラジオ番組に集う視覚障害者たち[奈良場春輝] 第7章 暮らしと障害[入山頌] 第8章 ケガレ[今野大輔] 第9章 災害と生きづらさ[及川祥平] ◆第Ⅲ部 生きづらさにせまる 第1章 話者と見つける研究視点[岡田伊代] 第2章 わからなさと交差点[桜木真理子] コラム5 セクシュアリティ研究の難しさと意義[三上真央] 第3章 旧産炭地へのフィールドワーク[川松あかり] 第4章 被災地のフィールドワーク[辻本侑生・及川祥平] コラム6 地域コミュニティを取り巻く生きづらさ[藤崎綾香] 第5章 生きづらさへ資料からアプローチする[辻本侑生] 第6章 民俗資料から生きづらさにせまる[今野大輔] あとがき 索引 執筆者紹介
-
クィアの民俗学 LGBTの日常をみつめる
¥2,200
SOLD OUT
編著者:辻本侑生/島村恭則 発行元:実生社 162ぺージ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「奇妙な」「風変わりな」といった意味をもつクィア(Queer)。性的マイノリティたちが、自分たちを指し示す言葉として用いてきた。 民俗学の視点で、LGBTと呼ばれる人びとの日常的な営みを捉える七つの論考集。 【目次】 ◇第一部 民俗学史からクィアを考える 第一章 日本民俗学クィア研究史(辻本侑生) 一 知られざるクィア研究の系譜 二 北野博美―日本民俗学におけるクィア研究の先駆者 三 鹿児島「男色」研究史 四 「男巫女」研究史 五 クィアの現代民俗学に向けて 第二章 南方熊楠と岩田準一の「男色談義」(辻 晶子) 一 南方熊楠と岩田準一の性民俗研究 二 「男色談議」の研究史 三 男色研究の発表媒体 四 民俗学と男色研究 五 「男色談議」のその後 コラム1 『異態習俗考』――クィア民俗学の古典(島村恭則) ◇第二部 「いま・ここ」からクィアを見通す 第三章 大阪「LGBTの駆け込み寺」の実践(三上真央) 一 性善寺と調査者(私)の関係 二 性善寺に集う人々 三 セクシュアリティを見つめる場 第四章 ゲイバレーボールチームの現代民俗学(辻本侑生) 一 性的マイノリティとスポーツサークル 二 スポーツサークルと民俗学 三 雑誌『薔薇族』にみるスポーツサークル 四 スポーツサークルから捉えるゲイコミュニティ 第五章 長崎のマダムナンシー(大田由紀) 一 マダム南支 二 華僑二世として長崎で生きる 三 落地生根 ◇第三部 クィア民俗学の展開 第六章 性的マイノリティは差別を「笑い話」に変えるのか?(辻本侑生) 一 差別と笑い話 二 ハッシュタグと社会変革 三 事例分析 四 インターネット空間の多声性 第七章 異類/婚姻/境界/類縁(廣田龍平) 一 MCUのロキ、北欧神話のロキ 二 異類婚姻譚の概念をクィアにする 三 民間説話のクィア・リーディングによってできること コラム2 ディープ・フォークロアとクィア・アート(島村恭則)
-
野生のしっそう
¥2,640
著者:猪瀬浩平 発行元:ミシマ社 304ページ ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 知的障害があり自閉症者でもあるが、さまざまな鋭さをもった兄。障害がないとされているが、さまざまないびつさをもった弟(著者)。世間には、この兄と弟を切断する「ものの見方」があたりまえに存在する。 しかし、その分断をすり抜けてしまうある出来事が起こった。 2021年3月、緊急事態宣言の下、兄は突然しっそうする―― どこへ向かったのか? なぜしっそうしたのか? その道筋を辿りながら見えてきたのは、兄の「たたかわない」術だった。 外なる他者、遠くの他者を扱ってきた文化人類学に、あらたな道を拓く実践の書! 「障害とともにある人類学」から始まり、「内なる他者」を対象とした人類学へと展開する、あたらしい学問のあり方。 【目次】 はじめに しっそうのまえに 第一章 沈黙と声 たたかわないこと、しっそうすること/三月下旬 午前二時半に走り出す/カタリナの構え/黙禱と叫び 1/黙禱と叫び 2 第二章 蜜柑のはしり ズレと折り合い/いくつかの死と/いくつもの死と/対面とリモート/夏みかんのしっそう/贈与のレッスン 第三章 世界を攪乱する、世界を構築する ボランティアのはじまり/満月とブルーインパルス、あるいはわたしたちのマツリについて/路線図の攪乱 1/路線図の攪乱 2/トレイン、トレイン 第四章 急ぎすぎた抱擁 父とヤギさん/眠る父/転倒の先/失踪/疾走/旋回としっそう/燕(つばくら)の神話 最終章 春と修羅 むすびとして うさぎのように広い草原を
-
水木しげるの遠野物語
¥1,485
SOLD OUT
著者:水木しげる 原作:柳田國男 発行元:小学館 264ページ 210mm × 148mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 妖怪コミックの聖典誕生。遠野物語を水木氏が漫画化! ザシキワラシ、河童、鬼……岩手県遠野市の厳しい自然の中で、人々の想像力が生み出した妖怪たちが、今動き始める! 柳田國男氏の名著『遠野物語』は、100年前のベストセラーにして日本民俗学の原点ともなった名著です。これを水木しげる氏がコミック化。格調高い文語体で書かれた原書の魅力を、水木氏ならではの想像力・描写力で完全にビジュアル化し、新たな魅力を作りあげています。ザワザワと心騒ぐ、日本の風土から生まれた怪異の世界。さらに『遠野物語』と『水木しげるの遠野物語』、百年を隔てたこのふたつの本を生み出す母胎・揺籃となった遠野地方の、現在まで残る豊穣な風土をレポートするコラム「2010年遠野の風景」も併録。
-
旅するモヤモヤ相談室
¥1,980
SOLD OUT
編者:木谷百花 発行元:世界思想社 208ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** タンザニアの行商人、ブータンの酒飲み、エジプトのムスリム、パスタを深く味わうイタリア人……世界を知れば、悩みは解ける! 医学生が、先生たちを訪ねて見つけた、目からウロコの生きる知恵。読むと心が軽くなる、閉塞感を打ち破る対話集。 【本書に登場する先生たち】 小川さやか(立命館大学大学院先端総合学術研究科) 坂本龍太(京都大学東南アジア地域研究研究所) 石井美保(京都大学人文科学研究所) 東長靖(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科) 宮本匠(大阪大学大学院人間科学研究科) 風間計博(京都大学大学院人間・環境学研究科) 前田昌弘(京都大学大学院人間・環境学研究科) 岩谷彩子(京都大学大学院人間・環境学研究科) 藤原辰史(京都大学人文科学研究所) 松嶋健(広島大学大学院人間社会科学研究科) 広井良典(京都大学人と社会の未来研究院) 山極壽一(総合地球環境学研究所) 【本書の特徴】 ◎世界各地で調査する研究者に対する100時間以上のインタビューを濃縮 ◎「こんな生き方ありなんだ!」という医学生の瑞々しい感動の記録 【目次】 まえがき 旅するモヤモヤ相談室へようこそ 第Ⅰ部 毎日を元気に過ごすための処方箋 カルテNo.1 「私、自分に自信がないんです……」文化人類学@タンザニア 小川さやか カルテNo.2 「幸せって何か、わからなくなっちゃって……」フィールド医学@ブータン 坂本龍太 カルテNo.3 「あの人、何を考えているのか本当にわからなくて……」文化人類学@インド、ガーナ 石井美保 カルテNo.4 「神経質で、細かいことを気にしちゃうんです……」イスラーム学@エジプト 東長靖 コラム 待合室の小ばなし1「人に話を聞くということ」 菊地暁 コラム 待合室の小ばなし2「現地の知恵を学ぶこと」 田原範子 第Ⅱ部 ピンチをチャンスに変えるための処方箋 カルテNo.5 「地元が過疎でピンチ!」災害復興学@新潟 宮本匠 カルテNo.6 「環境が過酷でピンチ!」文化人類学@キリバス 風間計博 カルテNo.7 「住まいがなくなってピンチ!」建築学@スリランカ 前田昌弘 コラム 待合室の小ばなし3「役に立つ呪術・妖術」小川さやか コラム 待合室の小ばなし4「ドライな人間関係」松田素二 第Ⅲ部 よりよい社会のための処方箋 カルテNo.8 「差別がない社会を作るには?」文化人類学@インド 岩谷彩子 カルテNo.9 「誰もが生きやすい社会を作るには?」歴史学@ドイツ 藤原辰史 カルテNo.10 「がんばりすぎない社会を作るには?」文化人類学@イタリア 松嶋健 カルテNo.11 「日本を元気にするには?」公共政策@日本 広井良典 カルテNo.12 「地球を元気にするには?」人類学@コンゴ民主共和国、ガボン 山極壽一 コラム 待合室の小ばなし5「私の読書術」 藤原辰史 コラム 待合室の小ばなし6「モチノキの教え」 菊池恭平 あとがき 相談後も、お大事に! *********************** 店主コメント *********************** 海外でフィールドワークを経験したさまざまな専門家へのインタビューが主な内容・・・と言うと「ふーん」で終わってしまいそうですが、本書のおもしろいところはインタビューで語られる専門知を参考にして、誰もが抱く身近な悩みを解決に導くという点。 専門家たちが解決策を提示するのではなく、編者の木谷さんが解決に役立ちそうな知識をインタビュー内容から抽出→解決策を処方するという構成です。 普段「人文書を読んでも自分の興味につなげられない」という方に読んでほしいです。各インタビューの終りには、処方箋としてオススメの関連本も紹介。 読者の幅がひろがる一冊!
-
インディジナス 先住民に学ぶ人類学
¥3,080
SOLD OUT
著者:金子遊 発行元:平凡社 272ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ゾミアの森の民を追った記録や、未開社会といわれる辺境を撮影した映像作品を掘り下げたユニークな映像人類学的探究の論集。 インディジナス(先住民)のサスティナブルで自由な生き方を追った記録映画をはじめ、インゴルド、タウシグ、クラストルらを論じながら、アートと人類学の間にひらかれる新しい景色。 【目次】 はじめに 第一章 インディジナスに学ぶ ゾミアの遊動民---映画『森のムラブリ』を学ぶ旅 第二章 人類学への批評 生命と非生命のダンス---インゴルドに関するエセー 戦場(いくさば)のホモ・ルーデンス 悪魔たちの交感(コレスポンダンス)---マイケル・タウシグ小論 憑依芸能の社会学 第三章 アートと人類学/民俗学 幻覚の探求 複合する草荘神---アカマタクロマタ考 北辺の映像民俗学---野田真吉と姫田忠義 水と命がめぐる山の世界 湖畔のメトロポリス---ソローによるメカス 初出一覧
-
菅江真澄 図絵の旅(角川ソフィア文庫)
¥1,650
SOLD OUT
著者:菅江真澄 編・解説:石井正己 発行元:KADOKAWA 352ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 祭り、信仰、大自然。200年前の日本を描いた貴重なカラー図絵112点 江戸時代、菅江真澄という漂泊の旅人がいた。北東北や南北海道をくまなく歩き、好奇心のおもむくままに筆をとる。男鹿半島、八郎潟、白神山地の絶景。恐山、おしらさま、なまはげ、避疫神の信仰。火山、瀑布、奇岩がおりなす大地の風景。雪国の生業、海の幸と山の幸から、アイヌの暮らしや縄文土器まで――。森羅万象を描いた貴重な図絵112点をフルカラーで収録。民俗学、文化遺産、ジオパークの先駆けになった旅人の眼差しに迫る。 【目次】 I 信濃・南部・蝦夷地の旅 II 下北・津軽の旅 III 秋田の旅(1) IV 秋田の旅(2) V 地誌の旅 VI 図絵の旅(1) VII 図絵の旅(2) ナチュラルヒストリーとして見る菅江真澄の図絵
-
本当にはじめての遠野物語
¥1,980
著者:富川岳 発行元:遠野出版 96ページ 210mm × 148mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「主人公はいない。長編小説でもない。 ファンタジーでも、迷信でもない。 もう一つの世界をめぐる、本当の話。」 構想7年。河童、ザシキワラシ、天狗。 日本民俗学の夜明けを告げた歴史的名著『遠野物語』を、 かつて10ページで挫折した著者がおくる、絶対にくじけず、 楽しく深く明快に学べる、はじまりの一冊。 さぁ、めくるめく物語の世界へ!
-
心霊スポット考 現代における怪異譚の実態
¥3,300
SOLD OUT
著者:及川祥平 発行元:アーツアンドクラフツ 312ページ 193mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「恐るべき出来事」が呼び起こす場所と記憶の文化 「心霊スポット」という言葉が、雑誌・テレビのメディアに使用され始めたのは1990年代前半。その後、「神奈川ジェイソン村」「新潟ホワイトハウス」「八王子首なし地蔵」など、「恐るべき出来事」が語られる空間=訪れる場所としての「心霊スポット」は、インターネットの普及とともに隆盛を極めていく。本書では、「心霊スポット」という「語り」が成り立つ前史を概観し、テレビやネットで展開される実態を調査する。また、「将門塚」や「八王子城跡」など現代でも語りつがれる「心霊スポット」を検証する。 【目次】 序章 場所と怪異の民俗学 第一部 心霊スポット考 第一章 心霊スポットとは何か 第二章 真相としての仮構 第三章 モノと感覚 第二部 心霊スポットの諸相 第一章 将門塚のこと―将門はどう祟るのか 第二章 八王子城跡のこと―怪異の変容 第三章 おむつ塚のこと―或いはたくさんのお菊 終章―誰がための心霊スポット
-
ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと(新潮文庫)
¥935
SOLD OUT
著者:奥野克巳 発行元:新潮社 388ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** ボルネオ島の森で、狩猟採集中心の暮らしを営む人々、プナン。彼らは借りたものを壊しても謝らず、礼も言わない。感謝や反省の概念がないのだ。所有感覚も希薄で、食料は皆で分け合い、子どもも実子養子の区別なく育てられる。長年フィールドワークを続ける著者は、資本主義にとらわれないプナンとの生活の中で、人間の生の可能性を思考していく――。常識をひっくり返す、刺激に満ちた一冊。
-
民俗学の思考法 〈いま・ここ〉の日常と文化を捉える
¥1,980
SOLD OUT
編者:岩本通弥/門田岳久/及川祥平/田村和彦/川松あかり 発行元:慶應義塾大学出版会 272ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ▼「生きる技法」を捉える いま・ここにある人びとの生を、その生活や日常、文化を、 ミクロな視点と同時代の世相や社会との絡みのなかで捉える民俗学。 だから、SNSも科学技術もグローバリゼーションだって扱う。 民俗学の基本的な考え方を初学者向けにわかりやすく解説する、決定版テキスト! 民俗学の重要な概念や人名、理論、事例などを丁寧に解説するキーワード集36を収録。 【目次】 はじめに 門田岳久 第Ⅰ部 〈いま・ここ〉を捉える思考法 第1章 生きるための民俗学へ ――日常とヴァナキュラー 島村恭則 第2章 過去に縛られながら未来に向かう ――世相と歴史 岩本通弥 第3章 文化を伝え、演じ、作り出す ――芸能とパフォーマンス 周 星 第4章 ソーシャルメディアは伝承母体になりうるか ――ハナシとメディア 法橋 量 第5章 暮らしのなかのブラックボックス ――科学技術とフォークロア フェルトカンプ, エルメル 第6章 モノを使う、モノに使われる ――生活と生態 田村和彦 第7章 何も信じられるものがない時代の宗教性 ――信仰と実践 門田岳久 第8章 なぜ文化を遺しておかなくてはならないのか ――文化遺産と制度 川松あかり 第9章 災害多発時代に命と暮らしを守る ――防災・減災と復興 山 泰幸 第10章 超高齢時代のまちづくり ――地域コミュニティと場づくり 山 泰幸 第11章 変わりゆく家族のかたち ――親族とつながり 岩本通弥 第12章 グローバリゼーションとモビリティ ――移動と越境 島村恭則 第13章 着て、食べて、住まい続ける ――生活と衣食住 及川祥平 第14章 新しい生き方と死に方 ――人生と儀礼 及川祥平 第Ⅱ部 現代民俗学を読み解くキーワード36 1 民 俗 室井康成 2 文化の伝達 重信幸彦 3 中央と周辺 島村恭則 4 日 常 岩本通弥 5 伝統とイデオロギー 重信幸彦 6 ヴァナキュラー 島村恭則 7 都 市 岩本通弥 8 世 相 室井康成 9 民俗学の人間モデル 門田岳久 10 自治と互助 金子祥之 11 ノスタルジーと郷土 法橋 量 12 近代化 田村和彦 13 ジェンダー 加賀谷真梨 14 文化人類学と民俗学 島村恭則 15 教 育 施 尭 16 フォークロリズム 法橋 量 17 ネット社会の民俗 飯倉義之 18 美 施 尭 19 ライフコース 及川祥平 20 語 り 川松あかり 21 記 憶 及川祥平 22 自 然 松田睦彦 23 宗教的なるもの 及川祥平 24 ケ ア 加賀谷真梨 25 地 域 朴 承賢 26 公共民俗学 金子祥之 27 世界の民俗学 田村和彦 28 フェス・イベントと祭り・行事 俵木 悟 29 文化政策 俵木 悟 30 フィールドワーク 門田岳久 31 エスノグラフィー 門田岳久 32 働 く 加賀谷真梨 33 差 別 辻本侑生 34 地域差/地域性 鈴木洋平 35 サブカルチャーと民俗学 飯倉義之 36 複数の民俗学 門田岳久 索 引
-
WORKSIGHT ワークサイト 19号
¥1,980
編者:WORKSIGHT編集部 発行元:コクヨ株式会社 販売元:学芸出版社 128ページ 224mm × 152mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** さまざまな角度から考える「声を聴くこと」 複雑化する世界をリサーチし、表象し、対話することの困難を見つめつつ、可能性を探る。人類学者達のノート論(足羽與志子/安渓遊地/大橋香奈/松村圭一郎)、哲学研究者・永井玲衣さんに教わる「人に話を聞く」5つのポイント、音楽家D・トゥープへのインタビューから、声を聞くこと・書き留めることを考えます。 【目次】 ●巻頭言 手帖の世界 山下正太郎(WORKSIGHT編集長) ●インタビュー+フォトストーリー スケートボードから世界が聴こえる 雑誌『川』の試み ●インタビュー スケートボードと都市の記述 イアン・ボーデン(『スケートボーディング、空間、都市:身体と建築』) ●インタビュー ノートなんてとれない 人類学者たちの「ノート」論 ●ルポ 津軽・書き残されたレシピ 「津軽あかつきの会」の営み ●ガイド 人の話を聴くためのプレイブック ●ブックガイド それぞれのフィールドノート ●インタビュー フィールドレコーディングの秘かな楽しみ デイヴィッド・トゥープ
-
ヌードの東アジア 風俗の近代史
¥2,530
SOLD OUT
編者:井上章一/斎藤 光 発行元:淡交社 432ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** われわれの生活はどこからやってきたのか 日本・朝鮮半島・中国。近代風俗からわかる文化の差と溝 東アジアにおける現在のライフスタイルは、近代以降、西洋の文物が地域ごとに独自に根付づく中で生み出されてきました。本書では、日本を中心に、中国や朝鮮半島の衣食住、生活風俗の近代化をヌード、ストッキング、婚礼衣装、日本映画など、意外な切り口から問い直します。現代の生活風俗に辿り着くまでの道すじ、その差異を比較することで「近代化」というワードではひとくくりにできない私たちの生活を再発見できる一冊です。 【目次】 はじめに 斎藤光 1部 身体 ヌードの東アジア 井上章一 ストッキングの戦後―「もの」をめぐる心性史の試み 西村大志 マネキン以前のこと―人体模型、呉服店、博覧会、共進会 川井ゆう 2部 装い カフェー・女給・エプロン―図像資料から読む 斎藤光 近代中国女性の婚礼衣裳における洋風化―ベールの受容を中心に 劉玲芳 モダン都市「京城」を洋傘(日傘)が歩く―朝鮮の写真絵ハガキで見る日傘を差す新女性 申昌浩 3部 空間 ダンスホールの「植民地」―日本の「西洋化」と日本をとおした「西洋化」 永井良和 変身しつつ持続するオンドル 濱田陽・李珦淑 オンドル体験と床暖房の日本 濱田陽・李珦淑 京都の長崎料理 〈しっぽく〉 三態 加藤政洋 第4 映像 「白」と「黒」の近代―写真花嫁とスピンオフしたモダニティ 嘉本伊都子 絵はがきにみる「風俗」としての洗濯 安井眞奈美 日本映画の海外進出と挫折―『羅生門』の成功の陰で 北浦寛之 映画とカフェー 木村立哉 5部 ミセラネア 井上章一的風俗史―風俗・民俗・土俗 長田俊樹 あとがき 井上章一 共同研究「近代東アジアの風俗史」について
-
津軽のイタコ
¥3,080
SOLD OUT
著者:笹森建英 発行元:錦正社 208ページ 210mm × 148mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 津軽のイタコの習俗・口寄せ・口説き・死後の世界・地獄観・音楽など、彼女たちの巫業や現状とは一体どういうものなのか?昭和54年から長きに亘り研究を行ってきた筆者が、調査体験に基づき実態を明らかにする。 【目次】 凡例 序 第一章 口寄せ はじめに 死に口(死んだ人の霊との交流) 生き口(生きている人の霊との交流) ハナコ(死んだ子供の霊との交流) 第二章 名称 はじめに 語源 菅江真澄のイタコに対する記述 第三章 歴史 はじめに 中世・近世のイタコ 明治期のイタコ・禁制 鑑札 職業に対する偏見 第四章 巫業 はじめに 霊能者としての特質 巫業内容 巫具 第五章 イタコの生活史 はじめに 生活史 仕事 第六章 加持祈祷 はじめに 人間経 男の人の体の熱が冷める経 法語 キツネ憑き 第七章 祝福・祈祷祓いの経文 はじめに 第八章 祭文 はじめに オシラ祭文 オシラ経 岩木山一代記 金比羅一代記 第九章 音・音楽 はじめに 音具 歌唱 第十章 宗教・信仰 はじめに 恐山現象 習俗としての巫業 ゴミソ、ヨリ祈祷 結 語 補 遺―口寄せの経文―(笠井キヨによる) 引用・参考文献(五十音順) あとがき
-
日本最後のシャーマンたち
¥2,420
SOLD OUT
著者:ミュリエル・ジョリヴェ 訳者:鳥取絹子 発行元:草思社 352ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 東北、北海道、沖縄、そして東京――。 半世紀にわたって日本に暮らすベルギー生まれの日本学者が、 さまざまな文化的背景を背負ったシャーマンたちを訪ね歩き、 その肉声を多数採録した貴重なドキュメント。 不可思議な世界との交流をやわらかな筆致でつづったユニークな一冊! 【目次】 序文 なぜシャーマンの本を書きたいと思ったのか?/お告げ/霧のロンドン ほか 第1部 イタコ 東北のイタコ/盲目の女性たちの悲しい運命/差別され、社会の底辺で生きる ほか 第2部 沖縄 霊魂「商売」 新納和文さん、ユタ(五一歳) 栄サダエさん(七九歳) 肥後ケイ子さん 沖縄──久高、伊平屋島、座間味 伊平屋島──神々と伝説がいまも息づく手つかずの島 二〇一七年九月二日、座間味島で出会ったカミンチュ、サチコさん、七二歳 第3部 東京ほか 鶴見明世さん マリア──魂の傷を治す コスモライト石橋 ミカさん: 「自分を霊能者とは思っていないけれど、 人には見えないものが見えます……」 第4部 北海道 アシリ・レラ──平取のアイヌのシャーマン 結論 最後のシャーマンを称えて
-
小さき者たちの
¥1,980
SOLD OUT
著者:松村圭一郎 発行元:ミシマ社 208ページ 178mm × 130mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 私は日本のことを、 自分たちのことを何も知らなかった。(「おわりに」より) 水俣、天草、須恵村… 故郷・熊本の暮らしの記録を初めて解く。 現代の歪みの根源を映し出す、 今を生きる人たち必読の生活誌。 世界を動かしてきたのは、 いつも、小さき者たちだった。 はたらく、まじわる、くに… 消されてしまっていた声を拾い、 紡いだ、渾身の二一編。 気鋭の人類学者の新たな代表作 本書では、私が生まれ育った九州・熊本でふつうの人びとが経験してきた歴史を掘り下げようとした。とくに私が地元でありながらも目を背けてきた水俣に関するテキストを中心に読みこみ、自分がどんな土地で生を受けたのか、学ぼうとした。そこには日本という近代国家が民の暮らしに何をもたらしてきたのか、はっきりと刻まれていた。(「はじめに」より) 【目次】 Ⅰ 水俣1 一、はたらく 二、おそれる 三、いのち 四、まじわる 五、うつろう 六、かかわる 七、うえとした Ⅱ 水俣2 八、やまい 九、こえる 一〇、うつしだす 一一、ひきうける 一二、たちすくむ Ⅲ 水俣3 一三、ねがい 一四、たりない 一五、かお 一六、あいまみえる Ⅳ 天草 一七、こえ 一八、くに Ⅴ 須恵村 一九、いのる 二〇、おとことおんな 二一、みえないもの
-
[増補新版]アーバン・トライバル・スタディーズ パーティ、クラブ文化の社会学
¥3,300
著者:上野俊哉 発行元:月曜社 448ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「都市の部族(アーバン・トライブ)」の概念とその可能性を、つねに現場(シーン)に身を置きながら根源的に思考/記述した類書なきエスノグラフィ――100頁超の長大な「増補新版への序章」と新たなる書物への誘い「ブック・ガイド」を附した増補新版 【目次】 増補新版への序章 蝕のコスモ・ポリティクス――そしてまた野外で踊る 旧版序文 本書の読み方について 第一章 アーバン・トライブとは何か? グローバリゼーションとトライバリゼーションの往還の地平 第二章 トランス・クリティックとしての民族誌 今日のシャーマニズム トランス・クリティックとエスノグラフィ 第三章 ディオニュソス・グラフィティ ディオニュソス・グラフィティ 逃走と飛び地 群集と空間 第四章 学び逸れる野郎ども リズム/ダンス/ミメーシス 学び/まねび逸れる野郎ども 第五章 一時的自律接触領域 ニューエイジ・トラヴェラー トライバル・ウォリアーズ、あるいは「新しい野蛮人」? 接触領域(コンタクト・ゾーン)としてのパーティ 旧版あとがき いくつかのシーンとTJという立場について 増補新版あとがき パーティが終わった朝から ブック・ガイド 都市の部族(アーバン・トライブ)について継続して考えるために 謝辞
-
文化人類学の思考法
¥1,980
編者:松村 圭一郎/中川 理/石井 美保 発行元:世界思想社 224ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「文化人類学は『これまでのあたりまえ』の外へと出ていくための『思考のギア(装備)』だ。本書はその最先端の道具が一式詰まった心強い『道具箱』だ。こんなに『使える』本は滅多にない」若林恵氏推薦。 【目次】 はじめに すべての考える人のために 序 論 世界を考える道具をつくろう (松村圭一郎・中川理・石井美保) 第I部 世界のとらえ方 1 自然と知識――環境をどうとらえるか?(中空萌) 2 技術と環境――人はどうやって世界をつくり、みず からをつくりだすのか(山崎吾郎) 3 呪術と科学――私たちは世界といかにかかわってい るのか(久保明教) 4 現実と異世界――「かもしれない」領域のフィール ドワーク(石井美保) 第II部 価値と秩序が生まれるとき 5 モノと芸術――人はなぜ美しさを感じるのか? (渡辺文) 6 贈り物と負債――経済・政治・宗教の交わるところ (松村圭一郎) 7 貨幣と信用――交換のしくみをつくりだす (深田淳太郎) 8 国家とグローバリゼーション――国家のない社会を 想像する(中川理) 9 戦争と平和――人はなぜ戦うのか(佐川徹) 第III部 あらたな共同性へ 10 子どもと大人――私たちの来し方、行く先を見つめ なおす(高田明) 11 親族と名前――関係している状態をつくるもの (髙橋絵里香) 12 ケアと共同性――個人主義を超えて (松嶋健) 13 市民社会と政治――牛もカラスもいる世界で (猪瀬浩平) 参考文献 もっと学びたい人のためのブックガイド 索 引 ○コラム 1 認識人類学の展開 分けることと名づけること (中空 萌) 2 ブルーノ・ラトゥール STSと人類学(山崎吾郎) 3 スタンレー・タンバイア 呪術・科学・宗教 (久保明教) 4 合理性論争(石井美保) 5 岡本太郎 境界線を吹き飛ばす爆発(渡辺 文) 6 マルセル・モース 贈与論のその先へ(松村圭一郎) 7 貨幣の多義性(深田淳太郎) 8 フーコー権力論と人類学(中川 理) 9 日常的暴力と日常的平和(佐川 徹) 10 生業と子育て(高田 明) 11 あらたな親族研究の潮流(髙橋絵里香) 12 民族誌、実践誌、人類学(松嶋 健) 13 デヴィッド・グレーバー アナキズムと人類学 (猪瀬浩平) *********************** 店主コメント *********************** 文化人類学は身近な調査対象を、地理的・時間的に遠く離れた対象と比較することで考察します。比較対象の間には、人類を取り巻く事象に関する多様性と普遍性を見出すヒントがあります。そのような遠回りで奥行きのある思考法は、面白くもありとても実用的。 ちなみに、この本の内容の一部はミシマ社さんから刊行されている『うしろめたさの人類学』『くらしのアナキズム』でさらに深掘りされています。
-
うしろめたさの人類学
¥1,870
著者:松村圭一郎 出版社:ミシマ社 192ページ 188mm × 127mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 市場、国家、社会... 断絶した世界が、「つながり」を取り戻す。 その可能性を、「構築人類学」という新たな学問手法で追求。 強固な制度のなかにスキマをつくる力は、「うしろめたさ」にある! 「批判」ではなく「再構築」をすることで、新たな時代の可能性が生まれる。 京都大学総長・山極壽一氏推薦! 世の中どこかおかしい。なんだか窮屈だ。そう感じる人は多いと思う。でも、どうしたらなにかが変わるのか、どこから手をつけたらいいのか、さっぱりわからない。国家とか、市場とか、巨大なシステムを前に、ただ立ちつくすしかないのか。(略)この本では、ぼくらの生きる世界がどうやって成り立っているのか、その見取り図を描きながら、その「もやもや」に向き合ってみようと思う。 ――「はじめに」より 【目次】 はじめに 第一章 経済――「商品」と「贈り物」を分けるもの 第二章 感情――「なに/だれ」が感じさせているのか? 第三章 関係――「社会」をつくりだす 「社会」と「世界」をつなぐもの 第四章 国家――国境で囲まれた場所と「わたし」の身体 第五章 市場――自由と独占のはざまで 第六章 援助――奇妙な贈与とそのねじれ 終 章 公平――すでに手にしているものを道具にして おわりに 「はみだし」の力 *********************** 店主コメント *********************** 「贈与」が秘める力によって生み出される「感情」。 そして、「感情」によって形成される他者との「関係」。 その「関係」の束が作り出す「社会」。 話題は「個人」と「国家」、「国家」と「市場」のつながりへと広がっていく。 私たち個人の枠にとらわれない越境的行為によって、どのような「つながり」を構築できるのか。エチオピアのフィールドワークを経験した著者が人類学的視点で考察します。
-
くらしのアナキズム
¥1,980
著者:松村圭一郎 発行元:ミシマ社 204ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 国家は何のためにあるのか?ほんとうに必要なのか? 「国家なき社会」は絶望ではない。 希望と可能性を孕んでいる。 よりよく生きるきっかけとなる、〈問い〉と〈技法〉を人類学の視点からさぐる。 本書でとりあげる「人類学者によるアナキズム論」とは… ・国家がなくても無秩序にならない方法をとる ・常識だと思い込んでいることを、本当にそうなのか? と問い直す ・身の回りの問題を自分たちで解決するには何が必要かを考える アナキズム=無政府主義という捉え方を覆す、画期的論考! この本で考える「アナキズム」は達成すべき目標ではない。むしろ、この無力で無能な国家のもとで、どのように自分たちの手で生活を立てなおし、下から「公共」をつくりなおしていくか。「くらし」と「アナキズム」を結びつけることは、その知恵を手にするための出発点だ。(「はじめに」より) 【目次】 はじめに 国家と出会う 第一章 人類学とアナキズム 第二章 生活者のアナキズム 第三章 「国家なき社会」の政治リーダー 第四章 市場(いちば)のアナキズム 第五章 アナキストの民主主義論 第六章 自立と共生のメソッド ――暮らしに政治と経済をとりもどす おわりに *********************** 店主コメント *********************** 文化人類学的な思考で、私たちの生活の中に存在する政治を浮き上がらせ、アナキズム的な民主主義について考察します。 政治の場は、国会議事堂やその周辺だけにあるわけではないことを教えてくれる。あたりまえに思っていた「政治」の概念を覆される一冊です。
-
発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ(角川文庫)
¥880
SOLD OUT
著者:小倉ヒラク 発行元:KADOKAWA 400ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** なぜ今、こんなに発酵が人気なの? 答えはこの本の中に。待望の文庫化! 味噌、醤油、ヨーグルト、日本酒、ワインなど、世界中にある発酵食品。著者はあるきっかけで“発酵”に魅せられ、日本だけでなく世界各地に伝承された美味なる食品を求めて旅をした。発酵とは、見えない自然を捉え、ミクロの生物と関係を結び、暮らしの中に喜びを埋め込む。この総体が発酵文化であり、そのローカル文化を通して人類の不思議を解くのが「発酵文化人類学」。発酵には、オーガニック、美容、ライフスタイル、イノベーションへの発展の側面があり、単なる食品にとどまらず、人間にとっての未来の可能性があり、歴史・文化を見直すきっかけになる。発酵は、今、人類の未来を左右する最も注目を集めている分野のひとつと言える理由がそこにある。 著者は発酵のしくみや人間と微生物との関わりを学ぶ中で、発見した。発酵には未来と過去があり、“微生物と人間の共存”は社会を見直すキーワードそのものだということを。 生物学、哲学、芸術、文化人類学などの専門用語を平易に解説した待望の文庫化。参考文献満載。解説・橘ケンチ(EXILE) *********************** 店主コメント *********************** 社会の事象を発酵における微生物の働きと対比させながら、アナロジー的思考で紐解いていく楽しさがあります。そのような本書の内容は読み手の独創力や発想力を高めてくれるのでは。堅苦しくないリズミカルな文体も読みやすいです。 各章ごとに参考文献の書影付きの解説もあり、読書の幅が広がるまさに❝まわりみち❞に最適な1冊!