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酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話
¥2,420
著者:松本俊彦/横道誠 発行元:太田出版 304ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「ダメ。ゼッタイ」に代わる、有効な手立てはありうるのか? 依存は回復の始まり。 やめればいいってものじゃない!? 連載時から当事者、当事者家族、支援者・専門家を騒然とさせた 不良患者×不良医師による画期的な往復書簡がついに書籍化――。 現代人にとって最も身近な「病」である依存症――非合法のドラッグやアルコール、ギャンブルに限らず、市販薬・処方箋薬、カフェイン、ゲーム、スマホ、セックス、買い物、はたまた仕事や勉強など、その対象は多岐にわたる。 そんななか最も身近な依存物質であるアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する文学研究者・横道誠と、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦の、一筋縄ではいかない往復書簡が始まった。最小単位、たったふたりから始まる自助グループ。 依存症の裏側にある、さらにその深淵へ! 特別鼎談「ギャンブル依存症問題を考える(ゲスト:田中紀子)」も収録。
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未整理な人類
¥2,310
著者:インベカヲリ☆ 発行元:生きのびるブックス 240ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 世界は「意味不明」でできているーー 路上の怪文書から、不幸の手紙まで。 なぜ人は、理屈でわりきれないことに熱中するのか。 鋭い観察眼とブラックな笑いで現代社会を斬る、異色ノンフィクション。 ------------------------------------------ 倫理観も道徳心も常識も、時代がつくる宗教で、しかもコロコロ変わる。ちょっと俯瞰して見れば、おいおい人間、何してんだよ! と思う不思議な行動がたくさんある。 人間は一番のブラックボックスで、未整理なことだらけだ。となると、「止めたくても止められないもの」「なぜか分からないけど、そうなってしまったもの」「体が勝手に動いたもの」にこそ、人間の本質が現れるのではないか。 本書は、そんな人類の未整理な行動を突っついて、綺麗にまとめることもなく、放り投げてみようという試みである。(本文より) ------------------------------------------ 【目次】 まえがき 第1章 “不幸の手紙”コレクション 第2章 地蔵は服を着る 第3章 「欲しいもの」を持っているのは誰か 第4章 鉄柱詩に見る、芸術と犯罪と症状 第5章 破壊に吸い寄せられる 第6章 「チットGPTみたいなことを言うな!」 第7章 バーチャルに侵略される 第8章 脳内物質を求めて右往左往 第9章 孤独と犯罪に相関関係はあるのか? 第10章 寝顔の発見 第11章 「水槽学」的考 第12章 必ず逆を教える病気 第13章 それぞれの「生きのびる」問題 第14章 価値観の謎 第15章 人が姿を消すとき 第16章 猫で一攫千金 第17章 したたかなキョン 第18章 本物を凌駕する偽物 第19章 何者かになるための準備 あとがき
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悪口論 脅しと嘲笑に対抗する技術
¥2,640
著者:小峰ひずみ 発行元:百万年書房 248ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 私たちは社会を賢くしなければならないのであって、あなたが賢くなる必要はない。 『平成転向論 SEALDs 鷲田清一 谷川雁』著者が、哲学対話をきっかけに考えた「悪口」という戦術。 【目次】 第一章 感情論 Ⅰ 男根主義 Ⅱ 感情 Ⅲ 連帯 Ⅳ 力 Ⅴ 問題 第二章 悪口論 Ⅰ 職場で Ⅱ 政治運動で Ⅲ 悪口 Ⅳ 狂信者 Ⅴ レーニン 第三章 (生き)恥論 Ⅰ 恥 Ⅱ 罵倒 Ⅲ 仲間 Ⅳ 死 Ⅴ 裏切り 第四章 言行論 Ⅰ シェアハウス Ⅱ シニシズム Ⅲ 技術 Ⅳ 臨床哲学 第五章 何をいかに受け継ぐべきか Ⅰ 対話 Ⅱ 嘲笑 Ⅲ 社会 Ⅳ 物語 Ⅴ 誰でも、いつでも、どこでも Ⅵ ブーメラン 悪口論--脅しと嘲笑に対抗する技術 注釈
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ヘルシンキ 生活の練習はつづく
¥1,980
SOLD OUT
著者:朴沙羅 発行元:筑摩書房 336ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** これが、ガチの多様性――。 「1日8時間労働だったら、3時間ちょっと、ぼんやりしてください」ふたりの子どもと北欧へ渡った社会学者による、現地レポート。 【目次】 はじめに 1 大人と働く 2 戦争と平和(前編) 3 戦争と平和(後編) 4 特殊なのは誰か 5 見えないルール 6 エリライシアが普通 7 みんなのための善いこと おわりに 注
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夜明けを待つ
¥1,980
SOLD OUT
著者:佐々木涼子 発行元:集英社インターナショナル 発売元:集英社 272ページ 195mm × 138mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 生と死を見つめ続けてきたノンフィクション作家の原点がここに! 私たちは10年という長い年月を、とことん「死」に向き合って生きてきた。 しかし、その果てにつかみとったのは、「死」の実相ではない。 見えたのは、ただ「生きていくこと」の意味だ。 親は死してまで、子に大切なことを教えてくれる。 (第1章「『死』が教えてくれること」より) 家族、病、看取り、移民、宗教……。 小さき声に寄り添うことで、大きなものが見えてくる。 『エンジェルフライト』『紙つなげ!』『エンド・オブ・ライフ』『ボーダー』……。 読む者の心を揺さぶる数々のノンフィクションの原点は、 佐々涼子の人生そのものにあった。 ここ10年に書き溜めてきたエッセイとルポルタージュから厳選! 著者初の作品集。
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パトリックと本を読む 絶望から立ち上がるための読書会
¥2,860
著者:ミシェル・クオ 訳者:神田由布子 発行元:白水社 393ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 人生と社会のどん底から抜け出すための読書会 罪を犯したかつての教え子を救うために何ができるか。読書の喜びを通して、貧困からくる悪循環にあえぐ青年の心に寄り添った法律家の記録。 ハーバード大学を卒業した著者は、ロースクールへ進む前に、アメリカ南部の最貧地域の町で2年間、ボランティアの教師となることを決める。だが、劣悪な環境で育った黒人の生徒たちに読書を通じて学ぶ楽しさを教え、誇りを持たせたいという著者の理想は、最初からつまずく。読書以前に、生徒たちの読み書き能力は年齢よりはるかに劣っていたのだ。自治体に予算がなく人々に職のない小さな町で、生徒は将来を思い描けず、学校は生徒を罰することしか考えていない。それでも著者の奮闘の甲斐あって生徒たちは本に親しみはじめるが、当局の方針によって学校が廃校になってしまう。 ロースクールへ進んだ著者はある日、もっとも才能のあった教え子、パトリックが人を殺したという知らせを受ける。数年ぶりの彼は読み書きもおぼつかず、自分が犯した過ちに比べて重すぎる罪に問われていることが理解できていなかった。かつての聡明さを失った姿に衝撃を受けた著者は、拘置所を訪ねてともに本を読むことで、貧困からくる悪循環にあえぐ青年の心に寄り添おうとする。同時にそれは、ひとりの教師・法学生の自己発見と他者理解をめぐる、感動的な記録ともなった。 【目次】 序章 第一部 第1章 ア・レーズン・イン・ザ・サン 第2章 自由に書いてみる 第3章 次は火だ 第二部 第4章 イワン・イリイチの死 第三部 第5章 罪と罰 第6章 ライオンと魔女と衣装だんす 第7章 天の衣を求める 第8章 フレデリック・ダグラス自叙伝 第9章 有罪の答弁 第10章 晩春のポーラに 第四部 第11章 イースターの朝 参考文献 謝辞 訳者あとがき
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口の立つやつが勝つってことでいいのか
¥1,980
SOLD OUT
著者:頭木弘樹 発行元:青土社 272ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 思いをうまく言葉にできないほうが、当然なのだ。本当なのだ。 どうしても理路整然とは話せない知人、酔うと後悔ばかり話し出す友人、洗面台で流されかけている小虫、授業中に夫の死を語りつづける先生……。弱いものたちのなかにこそ、陰影のある物語は生まれてくる。『絶望名人カフカの人生論』で知られる文学紹介者による、初のエッセイ集。 【目次】 はじめに 「言葉にしないとわからない」×「うまく言葉にできない」 言葉にできない思いがありますか? 口の立つやつが勝つってことでいいのか! 思わず口走った言葉は、本心なのか? 理路整然と話せるほうがいいのか? 好きすぎると、好きな理由は説明できない 「無敵の心理学」がこわい...... 自伝がいちばん難しい 短いこと、未完であること、断片であること 世の中こんなものとあきらめられますか? 能力のある人がちゃんと評価されれば、それでいいのか? 金、銀、銅、釘のお尻 「感謝がたりない」は、なぜこわいのか? 「かわいそう」は貴い どんな事情があるかわからない 愛をちょっぴり少なめに、ありふれた親切をちょっぴり多めに 思いがけないことは好きですか? 牛乳瓶でキスの練習 行き止まりツアー 思い出すだけで勇気の出る人 「カラスが来るよ!」と誰かが叫んだ 違和感を抱いている人に聞け! 別の道を選んだことがありますか? 後悔はしないほうがいいのか 8回、性格が変わった 人の話を本気で聞いたことがありますか? 意表をつく女性たち もう嫌だと投げ出す爽快 迷惑をかける勇気 あなただけの生きにくさがありますか? つらいときに思い出せるシーンがありますか? 倒れたままでいること 暗い道は暗いまま歩くほうがいい 失うことができないものを失ってしまったとき、どうしたらいいのか? 大好きな先生はいましたか? とろ火の不幸 「死んだほうがまし」な人生を、どう生きていくか? 目を病んだときの父のにおい 現実がすべてですか? 永遠に生きられるつもりで生きる 神の矛盾 幻影三題 土葬か火葬か星か 人の青春、虫の青春 死んだ人からの意見 電話ボックスとともに消えた人間の身体 もうひとりの自分 誰かの恩人ではないか おわりに エッセイという対話 初出一覧 *********************** 店主コメント *********************** 著者の様々な経験を引き合いに出しながら、社会に抱く違和感や生きづらさを浮かび上がらせてゆくエッセイ。 小学生の頃の思い出、知人の言動、文学からの引用などアプローチが面白いです。 何かしらのハンデがある人が圧倒的に不利になる状況は、日常のいたるところに存在している。そして、社会の中に響く不協和音は個々の心持ちひとつで解決するのかもしれない。 平明な筆致で描かれたエピソードは示唆に富んでいます。
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東北モノローグ
¥2,200
SOLD OUT
著者:いとうせいこう 発行元:河出書房新社 312ページ 198mm × 138mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 東日本大震災の癒されえぬ傷痕、そのうえを流れた時間はいったいなにを残したのか。東北のひとびとがいま語ること、その地でこだまする声に耳を澄ます、文学とノンフィクションの臨界点。
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わかりやすさの罪(朝日文庫)
¥946
著者:武田砂鉄 発行元:朝日新聞出版 344ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** “わかりやすさ”の妄信、あるいは猛進が、私たちの社会にどのような影響を及ぼしているのだろうか。「すぐにわかる! 」に頼り続けるメディア、ノウハウを一瞬で伝えたがるビジネス書、「4回泣ける映画」で4回泣く人たち……。「どっち」?との問いに「どっちでもねーよ! 」と答えたくなる機会があまりにも多い日々。私たちはいつだって、どっちでもないはず。納得と共感に溺れる社会で、与えられた選択肢を疑うための一冊。 【目次】 はじめに 1 「どっちですか」?の危うさ 2 「言葉にできない」 3 要約という行為 4 「2+3=○」「○+○=5」 5 勝手に理解しないで 6 理解が混雑する 7 「一気にわかる! 」必要性 8 人心を1分で話すな 9 なぜそこで笑ったのか 10 なぜ笑うのか、なぜ笑えないのか 11 全てを人に届ける 12 説明不足 13 「コード」にすがる 14 ノイズを増やす 15 4回泣けます 16 コーヒーを吹くかもしれない 17 深いって何だろう 18 見せかけの優位 19 偶然は自分のもの 20 わざと雑にする 21 そんなこと言ってないのに 22 自分に迷わない人たち 23 みんなで考えすぎ 24 人はいつもぐちゃぐちゃ *********************** 店主コメント *********************** 弊店でもかねてより推していた『わかりやすさの罪』が待望の文庫化! さまざまなメディアでよく見かける「すぐにわかる!」といったフレーズ。 広告に踊る心に刺さるようなキャッチコピー。 二項対立が明確な問題提起。 などなど・・・ 周囲にあふれる「わかりやすさ」。 気付かないうちに染まり切っているかもしれません。 意見の多様性や思考することの大切さを気づかせてくれる1冊です。
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労働系女子マンガ論!
¥2,200
著者:トミヤマユキコ 発行元:タバブックス 224ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 労働をめぐる女子の悩みの数だけ、応答を試みるマンガが存在するー タバブックスwebサイトで2013年から不定期連載していた「労働系女子マンガ論!」ついに、ついに書籍化!! 恋愛、結婚、出産、といった人生のイベントを迎えるたび、続けるか辞めるかの選択を迫られるのは、たいてい女子の側。労働環境はここ数十年で大きく変化し、どうするのがベストなのか判断がつかない…「女子×労働」の視点で読む女子マンガに人生をサバイブするヒントがある!誰もが知っている王道作品から、知る人ぞ知る隠れ名作まで、web連載を大幅加筆修正。「女性と労働」表象を読み解く、気鋭の研究者トミヤマユキコの女子マンガ論、決定版です。 【目次】 序論「労働系女子マンガ」とはなんぞや? 1章 少女マンガ隆盛期 ― ヒロインは読者と同世代の若き労働者 自分の運命を切り拓く『ベルばら』の女たち 『ベルサイユのばら』 大正時代のラブコメが描く「この国で女が働くとはどういうことか」『はいからさんが通る』 「自立した女」のモデルのひとつは、バレエマンガにある 『アラベスク』 愛より恋より仕事をやれ 70年代作品の強烈なメッセージ 『デザイナー』 女の為政者として「政治と権力」を変革する16歳 『王家の紋章』 労働ものとして魔法少女マンガを読んでみる 『美少女戦士セーラームーン』 2章 「仕事と恋」の時代 ― 社会情勢を反映し働く読者の現実に接近 「近代化」を目指そうとした「働く女」の困難 『東京ラブストーリー』 みんなの視界に入りにくい仕事を描く意義 『動物のお医者さん』 フリーターもバリキャリも大変 就職氷河期がもたらしたリアル 『ハッピー・マニア』『働きマン』 「周縁」で働く女の自由と孤独 『ちひろ』『ちひろさん』 自分らしさに助けられたり苦しめられたりする労働 『リメイク』 恋愛要素なし、仕事人間を肯定する女子マンガの進化 『重版出来!』 3章 労働の多様化・細分化 ― 年齢、仕事観、社会問題等に着目 憧れからはほど遠い設定が生み出す深い味わい 『うどんの女』 主婦の労働と存在意義をめぐる重い問い 『ハウアーユー?』 リアルとファンタジーを行き来する大人の仕事と恋愛の物語 『娚の一生』 人生の全てを労働に捧げる 仕事に生きる女のロールモデル 『繕い裁つ人』 女の人生に必要なのは王子様じゃない、家だ 『椿荘101号室』 「仕事/趣味」「仕事/結婚」二者択一の不毛さを描く 『ZUCCA×ZUCA 』 自分の意思ではない境遇も受け入れ 働き生きる日々の愛おしさ 『海街 diary』 夢見た未来と現実の間に苦悩 続いていく労働系女子の人生 『愛すべき娘たち』
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謝罪論 謝るとは何をすることなのか
¥1,980
著者:古田徹也 発行元:柏書房 304ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 親はある時期から、悪さをした子どもを叱る際、そういうときは「ごめんなさい」と言うんだ、と教え始める。すると、子どもはやがて、「ごめんなさい」と言うことはできるようになる。けれども今度は、場を取り繕おうと「ごめんなさい、ごめんなさい……」と言い続けたり、「もう『ごめんなさい』と言ったよ!」と逆ギレをし始めたりする。 「違う違う! ただ『ごめんなさい』と言えばいいってもんじゃないんだよ」――そう言った後の説明が本当に難しい。「すみません」で済むときもあるが、それでは済まないときも往々にしてあるからだ。「すみません」といった言葉を発したり、頭を下げたりするだけでは駄目なのだとしたら、何をすれば謝ったことになるのだろうか。声や態度に表すだけではなく、ちゃんと申し訳ないと思い、責任を感じることだろうか。しかし、「申し訳ないと思う」とか「責任を感じる」とはどういうことなのだろうか。そして、そのような思いや感覚を相手に伝えるだけで、果たして良いのだろうか。結局のところ、「謝る」とは何をすることなのだろうか? 本書では、満員電車のなかで意図せず他人の足を踏んでしまったときの謝罪から、強盗の加害者による被害者への謝罪、さらには、差別的言動や医療過誤、戦後責任などをめぐる謝罪に至るまで、多様な事例を具体的に取り上げながら、「責任」「後悔」「償い」「赦し」「当事者」「誠実さ」といった、謝罪をとりまく重要な概念同士の関係を丹念に解き明かしていく。そして、謝罪という行為の全体像を描き取ることを通して、「謝るとは何をすることなのか」という問いに対する十全な回答を提供する。 【目次】 プロローグ 第1章 謝罪の分析の足場をつくる 第1節 〈軽い謝罪〉と〈重い謝罪〉――J. L. オースティンの議論をめぐって 第2節 マナーから〈軽い謝罪〉、そして〈重い謝罪〉へ――和辻哲郎の議論をめぐって 第3節 謝罪にまつわる言葉の文化間比較 第2章 〈重い謝罪〉の典型的な役割を分析する 第1節 責任、償い、人間関係の修復――「花瓶事例」をめぐって 第2節 被害者の精神的な損害の修復――「強盗事例」をめぐって① 第3節 社会の修復、加害者の修復――「強盗事例」をめぐって② 第3章 謝罪の諸側面に分け入る 第1節 謝罪を定義する試みとその限界 第2節 謝罪の「非本質的」かつ重要な諸特徴 第3節 誠実さの要請と、謝罪をめぐる懐疑論 第4章 謝罪の全体像に到達する 第1節 非典型的な謝罪は何を意味しうるのか 第2節 謝罪とは誰が誰に対して行うことなのか 第3節 マニュアル化の何が問題なのか――「Sorry Works! 運動」をめぐって エピローグ 註 文献表 あとがき 索引
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私たちはいつから「孤独」になったのか
¥4,620
SOLD OUT
著者:フェイ・バウンド・アルバーティ 訳者:神崎朗子 発行元:みすず書房 344ページ 195mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 自分を理解してくれる人がいない、友人や伴侶が得られない、最愛の存在を喪って心にぽっかりと穴があいたような気持ちがする、老後の独り居が不安だ、「ホーム」と呼べる居場所がない――このような否定的な欠乏感を伴う感情体験を表現する語として「孤独」が用いられるようになったのは、近代以降のことである。それまで「独りでいること」は、必ずしもネガティブな意味を持たなかった。孤独とは、個人主義が台頭し、包摂性が低く共同性の薄れた社会が形成される、その亀裂のなかで顕在化した感情群なのである。 ゆえに孤独は、人間である以上受け入れなければならない本質的条件などではない。それは歴史的に形成されてきた概念であり、ジェンダーやエスニシティ、年齢、社会経済的地位、環境、宗教、科学などによっても異なる経験である。いっぽう、現代において孤独がさまざまな問題を引き起こしていることも事実であり、国や社会として解決しようとする動きが出てきている。その際まず必要となるのは、孤独を腑分けし、どのような孤独が望ましくなく、介入を必要とするのかを見極める手続きである。 2018年に世界で初めて孤独問題担当の大臣職を設置したイギリスの状況をもとに、孤独の来歴を多角的に照らし出す。漠然とした不安にも、孤独をめぐるさまざまな言説にもふりまわされずに、孤独に向き合うための手がかりとなる1冊。
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根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ(シリーズ「あいだで考える」)
¥1,760
SOLD OUT
著者:坂上香 発行元:創元社 192ページ 168mm × 130mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 『根っからの悪人っているの?――被害と加害のあいだ』 著者の映画作品『プリズン・サークル』は、日本で1か所だけ、刑務所の中で行われている「TC(回復共同体)」という対話による更生プログラムを、20 代の受刑者4 人を中心に2 年間記録したドキュメンタリー。本書は、この映画を手がかりに、著者と10 代の若者たちが「サークル(円座になって自らを語りあう対話)」を行った記録である。映画に登場する元受刑者の2 人や、犯罪被害の当事者をゲストに迎え、「被害と加害のあいだ」をテーマに語りあう。 【目次】 はじめに 第1回 初めての対話 『プリズン・サークル』を観て 「わかりたい」と思うには 「違い」に出会う 第2回 真人さんとの対話 刑務所のリアル 犯した罪をめぐって 大切なものとサンクチュアリ コラム おすすめの音楽 サンクチュアリが壊れたあと 第3回 翔さんとの対話 感情に気づき、感情を動かす サンクチュアリをつくる 自らの罪を語る コラム 感情をめぐるワーク 聴く・語る・変わる 第4回 山口さんとの対話 事件に遭遇して——山口さんの被害体験 コラム 事件後の子どもとの関係性の変化 少年の居場所 少年と会う 被害者と加害者が直接会うこと——「修復的司法」 コラム 修復的司法の個人的な取り組み 揺れていい 第5回 最後の対話 4回の対話の感想 根っからの悪人っているの? おわりに 被害と加害のあいだをもっと考えるための 作品案内
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#Z世代的価値観
¥1,650
SOLD OUT
著者:竹田ダニエル 発行元:講談社 208ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** マーケティング用語じゃない。これはまったく新しい「世代論」絶望的な世界に生まれた“Z世代”が「愛」と「連帯」で価値観の革命を起こす!「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」受賞!メディア・SNSで話題騒然!『世界と私のA to Z』の著者による画期的エッセイ お金、健康、人間関係、SNS、仕事――Z世代的価値観で分析する“私たちのいま”・「ホットガール」とセルフラブ・セラピーは心の必需品・「リアル&楽しい」食に夢中・エブエブ旋風の奇跡・さよなら「インフルエンサー」消費・つながりが広げる読書・ブランド価値より「今」の価値・「仕事≠人生」的な働き方
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聞くこと、話すこと。 人が本当のことを口にするとき
¥1,870
著者:尹雄大 発行元:大和書房 264ページ 188mm × 130mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 論理的に話すことが、「上手な話し方」ではない。 共感することが、「ちゃんと聞いている」ことではない。 テクニックより大切な事とは――― 【目次】 はじめに 第1章 体とその人の声 濱口竜介さんとの出会いで気づいたこと 〝ああ〟はなぜ生まれたか 濱口竜介さんとの出会い 音のズレがきこえる 私たちが尊厳に気づく時、言葉はその人の声と共に語られる 第2章 まだ語られていない声を聞くということ 沖縄で語られていたこと 上間陽子さんとの出会い 家と地域をつなぐ暴力 私たちは他者の声を聞き取れるのか 第3章 あなたがあなたとして存在することを認める 人間らしさの回復を謳うユマニチュード 見る・話す・触れる・立つ 触れるという歓待 適切な距離感は無い 第4章 死を願う言葉を身体で聞く 初対面とは思えない出会い 死にたい人からの電話 呪いと祝い 土に溶ける不安 第5章 私とあなたのあいだにある言葉 インタビューセッションという試み ジャッジを手放す 自己否定と問題解決の罠 新たな変化は新たな道を通して訪れる おわりに
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日本習合論
¥1,980
SOLD OUT
著者:内田樹 発行元:ミシマ社 296ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 外来のものと土着のものが共生するとき、 もっとも日本人の創造性が発揮される。 どうして神仏習合という雑種文化は消えたのか? 共同体、民主主義、農業、宗教、働き方… その問題点と可能性を「習合」的に看破した、傑作書き下ろし。 壮大な知の扉を、さあ開こう。 【目次】 まえがき 第1章 動的な調和と粘ついた共感 第2章 習合というシステム 第3章 神仏分離と神仏習合 第4章 農業と習合 第5章 会社の生命力を取り戻す 第6章 仕事の概念を拡大する 第7章 日本的民主主義の可能性 第8章 習合と純化 あとがき
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集団に流されず個人として生きるには(ちくまプリマー新書)
¥924
著者:森達也 発行元:筑摩書房 224ページ 新書判 182mm × 103mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 過剰に叩かれる宗教、ナチスのホロコースト、危機をあおるメディア、ネットの炎上…。集団は強い絆と同調圧力を生み、時に暴走する。そこで立ち止まって「おかしい」と言えるだろうか? 【目次】 第1章 なぜ空気を読むのだろう(人間は群れる生きものだ あなたはずっと集団化の時代に生きている ほか) 第2章 集団の中で流されること(集団は危険な意思決定をすることがある 敵が現れたとき私たちは集団化する ほか) 第3章 ネット社会が持っている危険性(マスメディアが新聞とラジオだった時代 都合の悪いことは言い換える ほか) 第4章 集団に巻き込まれない生き方(集団に埋没せずに個を持ち続けられるだろうか 組織の歯車として多くの人を殺害 ほか)
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世の人
¥1,870
著者:マリヲ 発行元:百万年書房 192ページ 188mm × 118mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「三回目の逮捕の後、もう本当にダメかも知れない、という気持ちと、確実になった刑務所生活を一秒でも短くしたいという気持ちから、ダルクに通所することにした。アルバイトとダルクを両立させていること(社会生活に問題がなく薬物依存を認めその治療にあたっていること)、家族、友人との関係が良好であること(社会的な受け皿があること)が、裁判において有利に働くらしいということをプッシャーの友人に教えてもらったからだった。」(本文より) 引いても押しても地獄ならってとことん逃げて、でもこんなところにたどり着かなくてもいいやんなあ。 【目次】 ダルク体験記 土井さん へらずぐち 世の人 中 糸糸糸 道の店 △公園夏祭り 肉食べる? マリヲくんまた 熱海 向こう岸
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誰がために医師はいる
¥2,860
SOLD OUT
著者:松本俊彦 発行元:みすず書房 232ページ 193mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ある患者は違法薬物を用いて仕事への活力を繋ぎ、ある患者はトラウマ的な記憶から自分を守るために、自らの身体に刃を向けた。またある患者は仕事も家族も失ったのち、街の灯りを、人の営みを眺めながら海へ身を投げた。 いったい、彼らを救う正しい方法などあったのだろうか? ときに医師として無力感さえ感じながら、著者は患者たちの訴えに秘められた悲哀と苦悩の歴史のなかに、心の傷への寄り添い方を見つけていく。 同時に、身を削がれるような臨床の日々に蓄積した嗜癖障害という病いの正しい知識を、著者は発信しつづけた。「何か」に依存する患者を適切に治療し、社会復帰へと導くためには、メディアや社会も変わるべきだ――人びとを孤立から救い、安心して「誰か」に依存できる社会を作ることこそ、嗜癖障害への最大の治療なのだ。 読む者は壮絶な筆致に身を委ねるうちに著者の人生を追体験し、患者を通して見える社会の病理に否応なく気づかされるだろう。嗜癖障害臨床の最前線で怒り、挑み、闘いつづけてきた精神科医の半生記。 [月刊「みすず」好評連載を書籍化。精神科医による迫真のエッセイ] 【目次】 「再会」――なぜ私はアディクション臨床にハマったのか 「浮き輪」を投げる人 生きのびるための不健康 神話を乗り越えて アルファロメオ狂騒曲 失われた時間を求めて カフェイン・カンタータ 「ダメ。ゼッタイ。」によって失われたもの 泣き言と戯言と寝言 医師はなぜ処方してしまうのか 人はなぜ酔いを求めるのか あとがき 参考文献 *********************** 店主コメント *********************** 「この世には、『良い薬物』も『悪い薬物』もなく、あるのは薬物の『良い使い方』と『悪い使い方』だけである」 精神科医であり薬物依存症に詳しい著者の経験談は、薬が諸刃の剣であることを読者に改めて教えてくれます。「薬物は「使い方」次第ということなのですが、やはり一筋縄では行かない問題が絡み合っています。依存する人のメンタルや生活環境など個人的な側面、そして薬物と使用者に対する偏見や間違った認識といった社会的側面など・・・。 薬物と真摯に向き合ってきた著者の半生は、エッセイとして非常に読みごたえがあります。
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新装版 苦海浄土(講談社)
¥836
著者:石牟礼道子 発行元:講談社 416ページ 文庫判 148mm × 128mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 人の尊厳とは何か いまこそ心打つ<声>を聞いてください 文字が大きく読みやすくなった新装版 工場廃水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽(せいれつ)な記録を綴った。本作は、世に出て30数年を経たいまなお、極限状況にあっても輝きを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき<いのちの文学>の新装版。
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発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ(角川文庫)
¥880
SOLD OUT
著者:小倉ヒラク 発行元:KADOKAWA 400ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** なぜ今、こんなに発酵が人気なの? 答えはこの本の中に。待望の文庫化! 味噌、醤油、ヨーグルト、日本酒、ワインなど、世界中にある発酵食品。著者はあるきっかけで“発酵”に魅せられ、日本だけでなく世界各地に伝承された美味なる食品を求めて旅をした。発酵とは、見えない自然を捉え、ミクロの生物と関係を結び、暮らしの中に喜びを埋め込む。この総体が発酵文化であり、そのローカル文化を通して人類の不思議を解くのが「発酵文化人類学」。発酵には、オーガニック、美容、ライフスタイル、イノベーションへの発展の側面があり、単なる食品にとどまらず、人間にとっての未来の可能性があり、歴史・文化を見直すきっかけになる。発酵は、今、人類の未来を左右する最も注目を集めている分野のひとつと言える理由がそこにある。 著者は発酵のしくみや人間と微生物との関わりを学ぶ中で、発見した。発酵には未来と過去があり、“微生物と人間の共存”は社会を見直すキーワードそのものだということを。 生物学、哲学、芸術、文化人類学などの専門用語を平易に解説した待望の文庫化。参考文献満載。解説・橘ケンチ(EXILE) *********************** 店主コメント *********************** 社会の事象を発酵における微生物の働きと対比させながら、アナロジー的思考で紐解いていく楽しさがあります。そのような本書の内容は読み手の独創力や発想力を高めてくれるのでは。堅苦しくないリズミカルな文体も読みやすいです。 各章ごとに参考文献の書影付きの解説もあり、読書の幅が広がるまさに❝まわりみち❞に最適な1冊!
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思いがけず利他
¥1,760
SOLD OUT
著者:中島岳志 発行元:ミシマ社 184ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** It’s automatic!? 誰かのためになる瞬間は、いつも偶然に、未来からやってくる。 東京工業大学で「利他プロジェクト」を立ち上げ、『利他とは何か』『料理と利他』などで刺激的な議論を展開する筆者、待望の単著! 今、「他者と共にあること」を問うすべての人へ。 自己責任論も、「共感」一辺倒も、さようなら。 偽善、負債、支配、利己性……。利他的になることは、そう簡単ではありません。 しかし、自己責任論が蔓延し、人間を生産性によって価値づける社会を打破する契機が、「利他」には含まれていることも確かです。——「はじめに」より 本書は、「利他」の困難と可能性を考える。手がかりとなるのは、居心地の悪いケアの場面、古典落語の不可解な筋書き、「証明できない」数学者の直観、「自然に沿う」職人仕事の境地、九鬼周造が追求した「私は私ではなかったかもしれない」という偶然性の哲学……など。 「利他の主体はどこまでも、受け手の側にあるということです。この意味において、私たちは利他的なことを行うことができません」 「利他的になるためは、器のような存在になり、与格的主体を取り戻すことが必要」 ——本文より 意思や利害計算や合理性の「そと」で、私を動かし、喜びを循環させ、人と人とをつなぐものとは? *********************** 店主コメント *********************** 利他とはなんなのか? 一見利他的だけど、実は利己的なメッセージ。 何気ない行為の延長上にある利他。 利他と利己はいろんな表情で社会に潜んでいる。 落語や仏教、民藝、料理、著者自身の体験・・・あらゆる事例を横断しながら利他について考える本です。
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断片的なものの社会学
¥1,716
著者:岸政彦 発行元:朝日出版社 244ぺージ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 路上のギター弾き、夜の仕事、元ヤクザ…… 人の語りを聞くということは、ある人生のなかに入っていくということ。 社会学者が実際に出会った「解釈できない出来事」をめぐるエッセイ。 ◆「この本は何も教えてはくれない。 ただ深く豊かに惑うだけだ。 そしてずっと、黙ってそばにいてくれる。 小石や犬のように。 私はこの本を必要としている。」 一生に一度はこういう本を書いてみたいと感じるような書でした。 ランダムに何度でも読み返す本となりそうです。 ――星野智幸さん どんな人でもいろいろな「語り」をその内側に持っていて、 その平凡さや普通さ、その「何事もなさ」に触れるだけで、 胸をかきむしられるような気持ちになる。梅田の繁華街で すれちがう厖大な数の人びとが、それぞれに「何事もない、普通の」 物語を生きている。 * * * 小石も、ブログも、犬の死も、すぐに私の解釈や理解をすり抜けてしまう。 それらはただそこにある。[…]社会学者としては失格かもしれないが、 いつかそうした「分析できないもの」ばかりを集めた本を書きたいと思っていた。(本文より) 【目次】 イントロダクション──分析されざるものたち 人生は、断片的なものが集まってできている 誰にも隠されていないが、誰の目にも触れない 土偶と植木鉢 物語の外から 路上のカーネギーホール 出ていくことと帰ること 笑いと自由 手のひらのスイッチ 他人の手 ユッカに流れる時間 夜行バスの電話 普通であることへの意志 祝祭とためらい 自分を差し出す 海の向こうから 時計を捨て、犬と約束する 物語の欠片 あとがき *********************** 店主コメント *********************** この本を読んでいると、多様性という概念ですら限られたカテゴリー分類の上に成り立っているように思えます。そして、社会において照射され目に見えている面は本当にごく一部なのでしょう。 SNSによって膨大な生活の断片に触れることができるけれど、私たちの知らない日常が星の数ほどある。 著者が社会学者として分析することができなかったエピソードが断片的に語られている本書はとても読み応えがあります。
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仕事文脈 vol.20
¥880
SOLD OUT
発行元:タバブックス 122ページ 210mm × 148mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 特集1:家族×仕事 どんなものが家族なのか、一人でも家族と言えるのか いろんな仕事のかたちはあるけど、家族はどうか 家族のために働く仕事はうれしかったり、歯がゆかったり 家族を忘れて働く仕事は身軽だったり、うしろめたかったり じっくり見つめてみたいろいろ 小沼理/家族になって、得したい? 小川公代/文学の中の「オンナ・コドモ」―あるいは家庭―の領域の仕事 白央篤司/「家庭料理」について――自分、そして誰かとの〝ホーム〟を形成するために 浪花朱音/シルバニアファミリーから考える インタビュー 親/子の影響 編集部座談会 「標準」の外から考える家族と仕事 宮川真紀・小沼理・浪花朱音 特集2:「会う」が変わった 最近、誰と会ったっけ? 思い浮かぶのが画面越しの顔で、これは会ったと言えるんだろうか この2年間、会う/会わないの線引きが混ざり合ってきた 会わなくてラクになったこともあれば、やっぱり人恋しいこともある 変わってしまった「会う」について 調査 最近、誰と会った? それぞれの一週間 会わずに仕事 クラウドソーシング体験談 インタビュー 会いたくて◯◯をはじめた オンラインスクール/マッチングアプリ/教会/オンラインデーティング 小説 フェアな関係 兼桝綾 ◎ 連載 男には簡単な仕事 ニイマリコ 40歳、韓国でオンマになりました 木下美絵 <聞く>という仕事 辻本力 35歳からのハローワーク 太田明日香 虹色眼鏡 チサ 無職の父と、田舎の未来について さのかずや 仕事回文 杉野あずさ・みりんとおさとう 文脈本屋さん ほか