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不完全な社会をめぐる映画対話 映画について語り始めるために
¥2,640
SOLD OUT
著者:河野真太郎 発行元:堀之内出版 368ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** こんな映画本を待っていた! 「陰謀論」、「ハラスメント」、「ケア」、「ミソジニー」、「障害」etc...テーマに沿って、現代映画を社会的な視点で語るスリリングな対談。 「好きだった監督がハラスメントで告発されたとき、作品にどう向き合えばよいのか?」「一昔前の作品を見るとジェンダー観に違和感を覚えて楽しめない」等、近年多くの人が直面した問題に寄り添いながら、映画と社会の関係を深く見通す。誰もが感想をSNSで発信し、映画を見ることがコミュニケーションに組み込まれつつある現代で、映画と社会はどのような関係にあるのだろうか?映画を「観る」だけでなく、「語る」ことの比重が増す社会における、新たな地平を描く。 【目次】 まえがき──映画と社会についての短い個人史 西口想 【対話1】ハラスメントがある世界で、いかに作品と向き合うか もはやハラスメントの教科書?──『セッション』 「ハラスメントを気にしていたらいい作品は生まれない」というメッセージ いま見ると気になる描写も多いフェミニズム映画──二〇〇〇年代の代表作『スタンドアップ』 社会進出は進んだけれど……──女性たちのリアル 監督のハラスメントをどう考えるか? 被害者と加害者の訴えは「五分五分」ではない 批判がないと、作品が死ぬ──過去の作品をどう評価するか? トランスジェンダー表象の変遷と発展──『トランスジェンダーとハリウッド』 かつて批判されたパターンを踏襲する日本のトランス表象──『ミッドナイトスワン』 「クリーン」な現場で生まれる作品はつまらない? コラム ミーガン・トゥーイーの悪夢 西口想 【対話2】「シャカイ」を描くセカイ系──新海誠作品を読み解く 新海作品で描かれる感性的なもの キャラクターの背景を描かない 「大丈夫」というメッセージの変質 バニラトラックを描くことが、社会を描くことなのか 村上春樹の男性性と帆高 ミソジニーを脱却できない「男の成長物語」 コラム セカイとシャカイのあいだで──新海誠と宮﨑駿 河野真太郎 【対話3】社会を描くとはどういうことか──ケン・ローチ作品 希望のないラストの衝撃 ラストに至るまでの「希望」 家族しかいないことの絶望 ケン・ローチが描いてきた家族 時事性に回収されない、ケン・ローチの作家性 個人の成功をあえて描かない 「ケアラーなのに悪態をついてごめんなさい」 ケン・ローチが描く女性と男性 ケン・ローチと是枝裕和──作品の違い、社会の違い 映画が社会的であるということはどういうことか 個人を描くことから始める 【対話4】陰謀論は、お好きですか? 『ドント・ルック・アップ』と陰謀論 陰謀論はどう変化してきたか? 陰謀論とキリスト教の切っても切れない関係 ネオリベラリズムと大富豪──ハデンとイッシャーウェル ヒロイン像の変化──ミソジニー描写を通じて 一九九〇年代を代表する陰謀論映画──『ファイト・クラブ』『マトリックス』『アメリカン・サイコ』 マルチバースと陰謀論──『マトリックス』とマーベル作品 陰謀論にどう立ち向かうか──『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』 家族主義的な「愛」に対する違和感 さまざまな映画オマージュが持つ意味 ありえた可能性のなかで最低の人生 映画は常に陰謀論と隣り合う 【対話5】それは誰のための映画か──障害と物語 障害を扱った感動作──『コーダ あいのうた』 感動のために障害者を搾取していないかを考える 『コーダ』は誰のための映画か? 健常者向け/障害者向けという線引きの先に コミュニティからの離脱をどう描くか──『リトル・ダンサー』と『コーダ』 新自由主義下の障害者政策 社会がつくりだす障害 一般化できない経験にどう向き合うか 「私の物語は私のもので、コーダにしかわからない」 「ろう者として生まれたかった」は何を意味するのか ケアラーをケアするのは誰か コラム 『ケイコ 目を澄ませて』と障害者のワークフェア 河野真太郎 【対話6】「当事者」が演じることについて──移民・難民と映画 日本で生活する移民たち──『マイスモールランド』 世代間トラウマを乗り越える──『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』再び 繰り返し主題になってきた世代間トラウマ 当事者性と創作の関係 悪意なき差別を丁寧に描く 「見えていない」が、確かに存在する移民社会 社会派映画はなぜ失敗するのか──手法の難しさ 当事者が表に立つ重要性と危険性 「当事者」とは誰なのか 鍵となる概念──インターセクショナリティ コラム 現在地としての『ファミリア』 西口想 【対話7】ケアと男性性──苦悩する男たち ケアと男性性──『ドライブ・マイ・カー』 人間の多重性・矛盾を受け入れること ホモソーシャリティを切り崩す多声性 暴力性が外部化された人物造形 イクメンになる男、最初からイクメンの男──『クレイマー、クレイマー』『マリッジ・ストーリー』 障害と男性性──『アイ・アム・サム』の障害表象 養育権をめぐる法廷闘争──『マリッジ・ストーリー』 解決されない暴力性 コラム 『カモン カモン』とイクメン物語のゆくえ 河野真太郎 【対話8】映画のなかのミソジニー──能力と傷をめぐって ポピュラー・フェミニズムとポピュラー・ミソジニー──#MeToo以降のヒット作を読み解くキーワード 失われた地位を「取り戻す」物語 『ジョーカー』のポピュリズムをどう捉えるか? 原作にはなかった階級性、地域性を織り込む映画たち 「格差」に比べて、あまり意識されない「階級」 弱者男性にとっての父親──『ジョーカー』『バーニング』 いまさら父を越えている場合じゃない──『パラサイト』の親子関係 メリトクラシー社会が崩壊した先の女性たち 【対話9】ファッションを通じて何を描く? 映画に衣装は欠かせない 「お針子」映画とブランド創業者の映画 ポストフェミニズム映画の重要作品──『プラダを着た悪魔』 『プラダを着た悪魔』を上書きする『クルエラ』 女性ヴィランの暴力をどう描くか? 仲良く過ごすために毒を盛る?──『ファントム・スレッド』 ファスト・ファッションの時代に映画は何を描くか? コラム 「透明人間」の夢 西口想 【対話10】おいしい映画──ジェンダー・料理・労働 さまざまな文脈が託される「料理」のシーン 2つの類型──「シェフ」の物語と「料理研究家」の物語 料理の過程を見せる作品/出来上がった皿を見せる作品 料理の描写と性描写の重なり 料理とジェンダー──求められる男性像の変化 不完全な人間でよい、という提案 主婦とバリキャリ女性の対比 半径五メートルの世界を快適に整える現代性 レシピを介して、目の前にいない誰かとつながってゆく レシピと「コモン・カルチャー」 【対話11】 住むこと、住まいを失うこと ケン・ローチのエッセンスを継ぐ作品──『サンドラの小さな家』 生活の基盤としての「家」を問う 偶然でしかつながれない?──階級コミュニティなき時代のコミュニティ ケン・ローチが描く「家」の意味──『SWEETSIXTEEN』 金融危機で消失した家とコミュニティ──『ノマドランド』 公共・福祉の稀薄さから見えるアメリカ社会 家の獲得に紐づいた男性像と、女性のセキュリティ 人間にとって「家」とは何か、「老い」とは何か──『ミナリ』『ファーザー』 「働き続ける主体」という幻想 コミュニケーションとしての映画──あとがきにかえて 河野真太郎
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九月はもっとも残酷な月
¥1,980
著者:森達也 発行元:ミツイパブリッシング 254ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 映画「福田村事件」監督の最新時評集。 関東大震災後に起きた朝鮮人虐殺を見つめ、ウクライナやガザに煩悶する。「〈僕〉や〈私〉の一人称が、〈我々〉〈国家〉などの大きな主語に置き換わるとき、人や優しいままで限りなく残虐になれる」と著者は言う。映画公開前後の日々から独自の映像創作論、初めて福田村事件をとりあげた伝説のエッセー「ただこの事実を直視しよう」も収録。 その他、入管法やイスラエル・パレスチナ問題、東アジア反日武装戦線など、時事ニュースの奥に潜む社会の核心に食らいつく。 【目次】 Ⅰ 忘れられた加害と想像力 ただこの事実を直視しよう 大量虐殺のメカニズム 映画は観た人のものになる 表現は引き算だ 高野山の夜 忘れられた加害 反日映画の条件 一年ぶりの釜山 オウム以降と親鸞 北京国際映画祭 Ⅱ リアリティとフィクションの狭間で 嫌な奴だと思っていたら嫌な奴に編集できる 天皇小説 テレビに場外ホームランはいらない 「テロ」の定義 三人の兵士たち 『オッペンハイマー』は観るに値しない映画なのか Ⅲ ニュースは消えても現実は続く 事件翌日の夜に 危機管理に目を奪われて転倒 世論とメディアの相互作用 入管法改正前夜 ピースボートは社会の縮図だ イスラエル・パレスチナ問題を考える すぐに消える大ニュース コロナから裏金まで 世界はグラデーションだ 地下鉄サリン事件は終わっていない 「味方をしてくれというつもりはない」 パレスチナ難民キャンプ パレスチナと愛国心 Ⅳ 無限の自分を想像すると少しだけ楽になる くすぶり続けるもの 『いちご白書』 平壌から 自由か安全か 多世界を思う 死刑囚になった夢の話 修業時代 ティッピング・ポイント 北朝鮮ミサイル発射! 桐島、活動やめたってよ ゴッド・ブレス・アメリカ
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〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す
¥2,640
著者:知念渉 発行年:青弓社 276ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ヤンキーは何を考え、どのようにして大人になるのか――。 高校で〈ヤンチャな子ら〉と3年間をともに過ごし、高校を中退/卒業してからも継続して話を聞いて、集団の内部の亀裂や、地域・学校・家族との軋轢、社会関係を駆使して生き抜く実際の姿を照らす。 【目次】 序 章 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィーに向けて 1 巷にあふれる「ヤンキー語り」と調査の不在 2 〈ヤンチャな子ら〉を調査・研究する意義 3 本書の目的と独自性 4 調査の概要 5 本書の構成 第1章 ヤンキーはどのように語られてきたのか 1 若者文化としてのヤンキー 2 生徒文化としてのヤンキー 3 階層文化としてのヤンキー 4 これまでのヤンキー研究の課題 5 分析の方針 第2章 〈ヤンチャな子ら〉の学校経験――教師との関係に着目して 1 〈ヤンチャな子ら〉と教師の対立? 2 学校文化の三つのレベル 3 家庭の文化と学校文化の葛藤 4 〈ヤンチャな子ら〉と教師の相互交渉 5 教師への肯定的評価と学校からの離脱 6 〈ヤンチャな子ら〉と「現場の教授学」 第3章 〈ヤンチャな子ら〉とは誰か――〈インキャラ〉という言葉に着目して 1 集団の曖昧さ 2 類型論的アプローチを超えて 3 〈インキャラ〉という解釈枠組み 4 文脈のなかの〈インキャラ〉 5 〈インキャラ〉という解釈枠組みのゆらぎ? 6 集団の内部の階層性 第4章 「貧困家族であること」のリアリティ 1 「子ども・若者の貧困」研究における本章の位置づけ 2 「記述の実践としての家族」という視点 3 記述の実践としての「貧困家族」 4 アイデンティティとしての家族経験 第5章 学校から労働市場へ 1 〈ヤンチャな子ら〉の仕事への移行経路 2 〈ヤンチャな子ら〉の移行経験――六人の語りから 3 移行経路と社会的ネットワーク 終 章 〈ヤンチャな子ら〉の移行過程からみえてきたこと 1 〈ヤンチャな子ら〉集団内部にある「社会的亀裂」 2 重層的な力学のなかにヤンキーを位置づけた意義 3 「ヤンキー」と括られる人々の内部に目を向けることの重要性 4 アンダークラスとしてカテゴリー化することの危険性 5 〈貧困の文化〉か、〈社会的孤立〉か 6 社会関係の編み直しに向けて 巻末資料 参考文献 初出一覧 あとがき
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北朝鮮に出勤します 開城工業団地で働いた一年間
¥2,200
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著者:キム・ミンジュ 訳者:岡裕美 発行元:新泉社 200ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 毎週月曜の朝、ソウル市内でバスに乗り込み、軍事境界線を越えて北朝鮮に出勤。 平日は北の職員たちと“格闘”し、週末は韓国に戻る。 南北経済協力事業で北朝鮮に造成された開城(ケソン)工業団地。 20代の韓国人女性が開城で経験した特別な1年間と、北の人々のありのままの素顔を綴ったノンフィクション。 【目次】 日本の読者の皆様へ はじめに I 開城で感じた春 開城に足を踏み入れた日 北朝鮮歌謡、心に残る人 〝あのお方〟の顔が描かれたバッジ? 太極旗が描かれたバッジ? マキシムコーヒーは韓国をのせて——開城への物品搬入 税関は黒いビニール袋を持って——サムギョプサルの上納 花束と参事官のおじさん、そして金正哲とエリック・クラプトン 給食施設の残飯と生ごみはどこへ? 一本のキンパから実感する南北の経済格差 三〇〇〇人分の食材、そして北朝鮮冷麵? いいえ、開城工業団地風冷麵! II 開城で体験した夏 賃金戦争とカレイ事件 北の労働者はNG、平壌市民はOK 八月一五日、南は光復節、北は解放節 食事会の日は〝お持ち帰り〟が当たり前? ヒャンイの妊娠と職員たちの〝総和〟 ヒョスクの大事なぶどう、一房は嫁ぎ先に、もう一房は実家に 一トントラックで休戦ラインを越え結婚式へ! 木箱地雷事件が開城工業団地の人々に及ぼす影響 III 開城で過ごした秋 統一の花、林秀卿 「ありがとう」と言うのはそんなに大変? 田舎者のような北の軍人、シティボーイのような南の軍人 宗教書の一節を理由に罰金一五〇ドル 北朝鮮女性たちの労働時間 USBと罰金二〇〇ドルで南北が一致団結 IV 開城で出会った冬 班長さん、みかんが必要なら先に言ってください 職員たちに渡したかったお餅、果物、そしてパン 免税店で働く北朝鮮女性 警備員さんと私 南北でキムチ交換 いまも思い出す北の職員、リ・スンヒ 一二月一一日、南北会談の日の冷泉サイダー 北のエリート女性、スヒ 一月六日の核実験、そして玄関前の北の配達員たち 開城に入るまで おわりに 訳者あとがき *********************** 店主コメント *********************** 朝鮮と韓国の経済協力事業のひとつとして、軍事境界線からほど近い北朝鮮南部に造成され2004年に操業を開始した開城工業団地。 この本は、約1年にわたって団地に勤務し韓国から通い続けた20代の韓国人女性が、職場での出来事や職員との交流を綴ったエッセイです。 上司の在否によって変わる会話の内容、会話の中でうっかり踏んでしまった〝地雷〟、職場内に存在する暗黙の了解など…日常の中で著者が見たことや肌で感じたことがエピソードとして書かれています。その内容からは、経済や情報の格差を感じると同時に、私たちとあまり変わらない平凡でありふれた職員たちの姿も垣間見ることができます。
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会社と社会の読書会
¥1,980
SOLD OUT
著者:畑中章宏/若林恵/山下正太郎/工藤沙希 編者:コクヨ野外学習センター/WORKSIGHT 発行元:黒鳥社 224ページ 210mm × 148mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 『論語と算盤』『学問のすゝめ』から『ブルシット・ジョブ』まで・・・・・・ 246冊の本から「日本の会社」という謎に迫る! 『働くことの人類学』のコクヨ野外学習センターが民俗学者の畑中章宏を迎え、会社と社会をネタに、読み、考え、語り合った、融通無碍な読書会の記録。 【目次】 はじめに 会社を問う・社会をひらく 山下正太郎 第1回 会社がわからない 会社の民俗学/「会社=社会」だと思っていた/単数形としての「社会」/メンバーシップの“タテ”と“ヨコ”/商人はどこへ消えた 第2回 ふたつの「勤勉」 『論語と算盤』がわからない/資本主義の不気味な「精神」/貯める勤勉・働く勤勉/経営と温情主義 俸禄とへそくり 第3回 家と会社と女と男 女工から始まる/職業婦人・痴漢・ルッキズム/母性保護論争のあらまし/家はそもそも企業体 第4回 立身出世したいか 出世欲ある?/「立身」と武家社会/勉強して官僚になろう/暗記力がすべて/非凡なる凡人 第5回 何のための修養 社歌・社訓・創業者の胸像/松下幸之助の「わからなさ」/ノン・エリートのための「修養」/新興企業に社葬が必要な理由/トイレ掃除とジョブ・ディスクリプション 第6回 サラリーマンの欲望 研究者にも謎、当事者にも謎/サラリーマンの絶望と欲望/転がる紙風船 第7回 会社は誰がために ChatGPTに仕事を奪われる/ブルシット・ジョブがまた増える/仕事における「ケア」/「小商い」に戻る/デジタル・プラットフォームと市場/結局会社は要るのか コラム 会社の補助線 ◉遅刻の起源 ◉虹・市・起業 ◉速水融の「勤勉革命」 ◉「失敗」や「挫折」を語れ ◉女性とアトツギ ◉経団連と自己啓発 ◉トーテムとしての「暖簾」 ◉社宅住まいの切なさ ◉三菱一号館から始まる ◉「事務」はどこへ行くのか ブックリスト 本書で取り上げた本 246冊
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SNS時代のカルチャー革命
¥1,760
著者:竹田ダニエル 発行元:講談社 192ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 誰もがインフルエンサーになれる時代。 「バズ」で社会はどう変わる? ビヨンセと人種差別、映画『バービー』と資本主義―― SNS上で巻き起こる議論を分析! 現代のカルチャーの成り立ちや変化、そこに紐づく社会への問題意識に光をあてる! アーティスト、経営者のSKY-HIとの対談を豪華収録!! 「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」を受賞、『世界と私のAtoZ』の著者による『群像』の人気連載エッセイを書籍化! 【目次】 はじめに 第1章 サードプレイスの消滅 第2章 アルゴスピークという抵抗 第3章 Girlhoodの再定義 第4章 学生デモとパレスチナ 第5章 ビヨンセとカントリー音楽 第6章 映画『バービー』がもたらしたもの 第7章 Tradwifeブームとフェミニズム 第8章 「Girl」トレンドの変遷 第9章 「Fast Car」が愛され続ける理由 特別対談 竹田ダニエル × SKY-HI 議論自体が自己肯定感につながる おわりに
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酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話
¥2,420
SOLD OUT
著者:松本俊彦/横道誠 発行元:太田出版 304ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「ダメ。ゼッタイ」に代わる、有効な手立てはありうるのか? 依存は回復の始まり。 やめればいいってものじゃない!? 連載時から当事者、当事者家族、支援者・専門家を騒然とさせた 不良患者×不良医師による画期的な往復書簡がついに書籍化――。 現代人にとって最も身近な「病」である依存症――非合法のドラッグやアルコール、ギャンブルに限らず、市販薬・処方箋薬、カフェイン、ゲーム、スマホ、セックス、買い物、はたまた仕事や勉強など、その対象は多岐にわたる。 そんななか最も身近な依存物質であるアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する文学研究者・横道誠と、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦の、一筋縄ではいかない往復書簡が始まった。最小単位、たったふたりから始まる自助グループ。 依存症の裏側にある、さらにその深淵へ! 特別鼎談「ギャンブル依存症問題を考える(ゲスト:田中紀子)」も収録。
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未整理な人類
¥2,310
SOLD OUT
著者:インベカヲリ☆ 発行元:生きのびるブックス 240ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 世界は「意味不明」でできているーー 路上の怪文書から、不幸の手紙まで。 なぜ人は、理屈でわりきれないことに熱中するのか。 鋭い観察眼とブラックな笑いで現代社会を斬る、異色ノンフィクション。 ------------------------------------------ 倫理観も道徳心も常識も、時代がつくる宗教で、しかもコロコロ変わる。ちょっと俯瞰して見れば、おいおい人間、何してんだよ! と思う不思議な行動がたくさんある。 人間は一番のブラックボックスで、未整理なことだらけだ。となると、「止めたくても止められないもの」「なぜか分からないけど、そうなってしまったもの」「体が勝手に動いたもの」にこそ、人間の本質が現れるのではないか。 本書は、そんな人類の未整理な行動を突っついて、綺麗にまとめることもなく、放り投げてみようという試みである。(本文より) ------------------------------------------ 【目次】 まえがき 第1章 “不幸の手紙”コレクション 第2章 地蔵は服を着る 第3章 「欲しいもの」を持っているのは誰か 第4章 鉄柱詩に見る、芸術と犯罪と症状 第5章 破壊に吸い寄せられる 第6章 「チットGPTみたいなことを言うな!」 第7章 バーチャルに侵略される 第8章 脳内物質を求めて右往左往 第9章 孤独と犯罪に相関関係はあるのか? 第10章 寝顔の発見 第11章 「水槽学」的考 第12章 必ず逆を教える病気 第13章 それぞれの「生きのびる」問題 第14章 価値観の謎 第15章 人が姿を消すとき 第16章 猫で一攫千金 第17章 したたかなキョン 第18章 本物を凌駕する偽物 第19章 何者かになるための準備 あとがき
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悪口論 脅しと嘲笑に対抗する技術
¥2,640
著者:小峰ひずみ 発行元:百万年書房 248ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 私たちは社会を賢くしなければならないのであって、あなたが賢くなる必要はない。 『平成転向論 SEALDs 鷲田清一 谷川雁』著者が、哲学対話をきっかけに考えた「悪口」という戦術。 【目次】 第一章 感情論 Ⅰ 男根主義 Ⅱ 感情 Ⅲ 連帯 Ⅳ 力 Ⅴ 問題 第二章 悪口論 Ⅰ 職場で Ⅱ 政治運動で Ⅲ 悪口 Ⅳ 狂信者 Ⅴ レーニン 第三章 (生き)恥論 Ⅰ 恥 Ⅱ 罵倒 Ⅲ 仲間 Ⅳ 死 Ⅴ 裏切り 第四章 言行論 Ⅰ シェアハウス Ⅱ シニシズム Ⅲ 技術 Ⅳ 臨床哲学 第五章 何をいかに受け継ぐべきか Ⅰ 対話 Ⅱ 嘲笑 Ⅲ 社会 Ⅳ 物語 Ⅴ 誰でも、いつでも、どこでも Ⅵ ブーメラン 悪口論--脅しと嘲笑に対抗する技術 注釈
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ヘルシンキ 生活の練習はつづく
¥1,980
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著者:朴沙羅 発行元:筑摩書房 336ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** これが、ガチの多様性――。 「1日8時間労働だったら、3時間ちょっと、ぼんやりしてください」ふたりの子どもと北欧へ渡った社会学者による、現地レポート。 【目次】 はじめに 1 大人と働く 2 戦争と平和(前編) 3 戦争と平和(後編) 4 特殊なのは誰か 5 見えないルール 6 エリライシアが普通 7 みんなのための善いこと おわりに 注
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夜明けを待つ
¥1,980
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著者:佐々木涼子 発行元:集英社インターナショナル 発売元:集英社 272ページ 195mm × 138mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 生と死を見つめ続けてきたノンフィクション作家の原点がここに! 私たちは10年という長い年月を、とことん「死」に向き合って生きてきた。 しかし、その果てにつかみとったのは、「死」の実相ではない。 見えたのは、ただ「生きていくこと」の意味だ。 親は死してまで、子に大切なことを教えてくれる。 (第1章「『死』が教えてくれること」より) 家族、病、看取り、移民、宗教……。 小さき声に寄り添うことで、大きなものが見えてくる。 『エンジェルフライト』『紙つなげ!』『エンド・オブ・ライフ』『ボーダー』……。 読む者の心を揺さぶる数々のノンフィクションの原点は、 佐々涼子の人生そのものにあった。 ここ10年に書き溜めてきたエッセイとルポルタージュから厳選! 著者初の作品集。
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パトリックと本を読む 絶望から立ち上がるための読書会
¥2,860
著者:ミシェル・クオ 訳者:神田由布子 発行元:白水社 393ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 人生と社会のどん底から抜け出すための読書会 罪を犯したかつての教え子を救うために何ができるか。読書の喜びを通して、貧困からくる悪循環にあえぐ青年の心に寄り添った法律家の記録。 ハーバード大学を卒業した著者は、ロースクールへ進む前に、アメリカ南部の最貧地域の町で2年間、ボランティアの教師となることを決める。だが、劣悪な環境で育った黒人の生徒たちに読書を通じて学ぶ楽しさを教え、誇りを持たせたいという著者の理想は、最初からつまずく。読書以前に、生徒たちの読み書き能力は年齢よりはるかに劣っていたのだ。自治体に予算がなく人々に職のない小さな町で、生徒は将来を思い描けず、学校は生徒を罰することしか考えていない。それでも著者の奮闘の甲斐あって生徒たちは本に親しみはじめるが、当局の方針によって学校が廃校になってしまう。 ロースクールへ進んだ著者はある日、もっとも才能のあった教え子、パトリックが人を殺したという知らせを受ける。数年ぶりの彼は読み書きもおぼつかず、自分が犯した過ちに比べて重すぎる罪に問われていることが理解できていなかった。かつての聡明さを失った姿に衝撃を受けた著者は、拘置所を訪ねてともに本を読むことで、貧困からくる悪循環にあえぐ青年の心に寄り添おうとする。同時にそれは、ひとりの教師・法学生の自己発見と他者理解をめぐる、感動的な記録ともなった。 【目次】 序章 第一部 第1章 ア・レーズン・イン・ザ・サン 第2章 自由に書いてみる 第3章 次は火だ 第二部 第4章 イワン・イリイチの死 第三部 第5章 罪と罰 第6章 ライオンと魔女と衣装だんす 第7章 天の衣を求める 第8章 フレデリック・ダグラス自叙伝 第9章 有罪の答弁 第10章 晩春のポーラに 第四部 第11章 イースターの朝 参考文献 謝辞 訳者あとがき
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口の立つやつが勝つってことでいいのか
¥1,980
著者:頭木弘樹 発行元:青土社 272ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 思いをうまく言葉にできないほうが、当然なのだ。本当なのだ。 どうしても理路整然とは話せない知人、酔うと後悔ばかり話し出す友人、洗面台で流されかけている小虫、授業中に夫の死を語りつづける先生……。弱いものたちのなかにこそ、陰影のある物語は生まれてくる。『絶望名人カフカの人生論』で知られる文学紹介者による、初のエッセイ集。 【目次】 はじめに 「言葉にしないとわからない」×「うまく言葉にできない」 言葉にできない思いがありますか? 口の立つやつが勝つってことでいいのか! 思わず口走った言葉は、本心なのか? 理路整然と話せるほうがいいのか? 好きすぎると、好きな理由は説明できない 「無敵の心理学」がこわい...... 自伝がいちばん難しい 短いこと、未完であること、断片であること 世の中こんなものとあきらめられますか? 能力のある人がちゃんと評価されれば、それでいいのか? 金、銀、銅、釘のお尻 「感謝がたりない」は、なぜこわいのか? 「かわいそう」は貴い どんな事情があるかわからない 愛をちょっぴり少なめに、ありふれた親切をちょっぴり多めに 思いがけないことは好きですか? 牛乳瓶でキスの練習 行き止まりツアー 思い出すだけで勇気の出る人 「カラスが来るよ!」と誰かが叫んだ 違和感を抱いている人に聞け! 別の道を選んだことがありますか? 後悔はしないほうがいいのか 8回、性格が変わった 人の話を本気で聞いたことがありますか? 意表をつく女性たち もう嫌だと投げ出す爽快 迷惑をかける勇気 あなただけの生きにくさがありますか? つらいときに思い出せるシーンがありますか? 倒れたままでいること 暗い道は暗いまま歩くほうがいい 失うことができないものを失ってしまったとき、どうしたらいいのか? 大好きな先生はいましたか? とろ火の不幸 「死んだほうがまし」な人生を、どう生きていくか? 目を病んだときの父のにおい 現実がすべてですか? 永遠に生きられるつもりで生きる 神の矛盾 幻影三題 土葬か火葬か星か 人の青春、虫の青春 死んだ人からの意見 電話ボックスとともに消えた人間の身体 もうひとりの自分 誰かの恩人ではないか おわりに エッセイという対話 初出一覧 *********************** 店主コメント *********************** 著者の様々な経験を引き合いに出しながら、社会に抱く違和感や生きづらさを浮かび上がらせてゆくエッセイ。 小学生の頃の思い出、知人の言動、文学からの引用などアプローチが面白いです。 何かしらのハンデがある人が圧倒的に不利になる状況は、日常のいたるところに存在している。そして、社会の中に響く不協和音は個々の心持ちひとつで解決するのかもしれない。 平明な筆致で描かれたエピソードは示唆に富んでいます。
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東北モノローグ
¥2,200
SOLD OUT
著者:いとうせいこう 発行元:河出書房新社 312ページ 198mm × 138mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 東日本大震災の癒されえぬ傷痕、そのうえを流れた時間はいったいなにを残したのか。東北のひとびとがいま語ること、その地でこだまする声に耳を澄ます、文学とノンフィクションの臨界点。
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わかりやすさの罪(朝日文庫)
¥946
著者:武田砂鉄 発行元:朝日新聞出版 344ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** “わかりやすさ”の妄信、あるいは猛進が、私たちの社会にどのような影響を及ぼしているのだろうか。「すぐにわかる! 」に頼り続けるメディア、ノウハウを一瞬で伝えたがるビジネス書、「4回泣ける映画」で4回泣く人たち……。「どっち」?との問いに「どっちでもねーよ! 」と答えたくなる機会があまりにも多い日々。私たちはいつだって、どっちでもないはず。納得と共感に溺れる社会で、与えられた選択肢を疑うための一冊。 【目次】 はじめに 1 「どっちですか」?の危うさ 2 「言葉にできない」 3 要約という行為 4 「2+3=○」「○+○=5」 5 勝手に理解しないで 6 理解が混雑する 7 「一気にわかる! 」必要性 8 人心を1分で話すな 9 なぜそこで笑ったのか 10 なぜ笑うのか、なぜ笑えないのか 11 全てを人に届ける 12 説明不足 13 「コード」にすがる 14 ノイズを増やす 15 4回泣けます 16 コーヒーを吹くかもしれない 17 深いって何だろう 18 見せかけの優位 19 偶然は自分のもの 20 わざと雑にする 21 そんなこと言ってないのに 22 自分に迷わない人たち 23 みんなで考えすぎ 24 人はいつもぐちゃぐちゃ *********************** 店主コメント *********************** 弊店でもかねてより推していた『わかりやすさの罪』が待望の文庫化! さまざまなメディアでよく見かける「すぐにわかる!」といったフレーズ。 広告に踊る心に刺さるようなキャッチコピー。 二項対立が明確な問題提起。 などなど・・・ 周囲にあふれる「わかりやすさ」。 気付かないうちに染まり切っているかもしれません。 意見の多様性や思考することの大切さを気づかせてくれる1冊です。
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労働系女子マンガ論!
¥2,200
SOLD OUT
著者:トミヤマユキコ 発行元:タバブックス 224ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 労働をめぐる女子の悩みの数だけ、応答を試みるマンガが存在するー タバブックスwebサイトで2013年から不定期連載していた「労働系女子マンガ論!」ついに、ついに書籍化!! 恋愛、結婚、出産、といった人生のイベントを迎えるたび、続けるか辞めるかの選択を迫られるのは、たいてい女子の側。労働環境はここ数十年で大きく変化し、どうするのがベストなのか判断がつかない…「女子×労働」の視点で読む女子マンガに人生をサバイブするヒントがある!誰もが知っている王道作品から、知る人ぞ知る隠れ名作まで、web連載を大幅加筆修正。「女性と労働」表象を読み解く、気鋭の研究者トミヤマユキコの女子マンガ論、決定版です。 【目次】 序論「労働系女子マンガ」とはなんぞや? 1章 少女マンガ隆盛期 ― ヒロインは読者と同世代の若き労働者 自分の運命を切り拓く『ベルばら』の女たち 『ベルサイユのばら』 大正時代のラブコメが描く「この国で女が働くとはどういうことか」『はいからさんが通る』 「自立した女」のモデルのひとつは、バレエマンガにある 『アラベスク』 愛より恋より仕事をやれ 70年代作品の強烈なメッセージ 『デザイナー』 女の為政者として「政治と権力」を変革する16歳 『王家の紋章』 労働ものとして魔法少女マンガを読んでみる 『美少女戦士セーラームーン』 2章 「仕事と恋」の時代 ― 社会情勢を反映し働く読者の現実に接近 「近代化」を目指そうとした「働く女」の困難 『東京ラブストーリー』 みんなの視界に入りにくい仕事を描く意義 『動物のお医者さん』 フリーターもバリキャリも大変 就職氷河期がもたらしたリアル 『ハッピー・マニア』『働きマン』 「周縁」で働く女の自由と孤独 『ちひろ』『ちひろさん』 自分らしさに助けられたり苦しめられたりする労働 『リメイク』 恋愛要素なし、仕事人間を肯定する女子マンガの進化 『重版出来!』 3章 労働の多様化・細分化 ― 年齢、仕事観、社会問題等に着目 憧れからはほど遠い設定が生み出す深い味わい 『うどんの女』 主婦の労働と存在意義をめぐる重い問い 『ハウアーユー?』 リアルとファンタジーを行き来する大人の仕事と恋愛の物語 『娚の一生』 人生の全てを労働に捧げる 仕事に生きる女のロールモデル 『繕い裁つ人』 女の人生に必要なのは王子様じゃない、家だ 『椿荘101号室』 「仕事/趣味」「仕事/結婚」二者択一の不毛さを描く 『ZUCCA×ZUCA 』 自分の意思ではない境遇も受け入れ 働き生きる日々の愛おしさ 『海街 diary』 夢見た未来と現実の間に苦悩 続いていく労働系女子の人生 『愛すべき娘たち』
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謝罪論 謝るとは何をすることなのか
¥1,980
著者:古田徹也 発行元:柏書房 304ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 親はある時期から、悪さをした子どもを叱る際、そういうときは「ごめんなさい」と言うんだ、と教え始める。すると、子どもはやがて、「ごめんなさい」と言うことはできるようになる。けれども今度は、場を取り繕おうと「ごめんなさい、ごめんなさい……」と言い続けたり、「もう『ごめんなさい』と言ったよ!」と逆ギレをし始めたりする。 「違う違う! ただ『ごめんなさい』と言えばいいってもんじゃないんだよ」――そう言った後の説明が本当に難しい。「すみません」で済むときもあるが、それでは済まないときも往々にしてあるからだ。「すみません」といった言葉を発したり、頭を下げたりするだけでは駄目なのだとしたら、何をすれば謝ったことになるのだろうか。声や態度に表すだけではなく、ちゃんと申し訳ないと思い、責任を感じることだろうか。しかし、「申し訳ないと思う」とか「責任を感じる」とはどういうことなのだろうか。そして、そのような思いや感覚を相手に伝えるだけで、果たして良いのだろうか。結局のところ、「謝る」とは何をすることなのだろうか? 本書では、満員電車のなかで意図せず他人の足を踏んでしまったときの謝罪から、強盗の加害者による被害者への謝罪、さらには、差別的言動や医療過誤、戦後責任などをめぐる謝罪に至るまで、多様な事例を具体的に取り上げながら、「責任」「後悔」「償い」「赦し」「当事者」「誠実さ」といった、謝罪をとりまく重要な概念同士の関係を丹念に解き明かしていく。そして、謝罪という行為の全体像を描き取ることを通して、「謝るとは何をすることなのか」という問いに対する十全な回答を提供する。 【目次】 プロローグ 第1章 謝罪の分析の足場をつくる 第1節 〈軽い謝罪〉と〈重い謝罪〉――J. L. オースティンの議論をめぐって 第2節 マナーから〈軽い謝罪〉、そして〈重い謝罪〉へ――和辻哲郎の議論をめぐって 第3節 謝罪にまつわる言葉の文化間比較 第2章 〈重い謝罪〉の典型的な役割を分析する 第1節 責任、償い、人間関係の修復――「花瓶事例」をめぐって 第2節 被害者の精神的な損害の修復――「強盗事例」をめぐって① 第3節 社会の修復、加害者の修復――「強盗事例」をめぐって② 第3章 謝罪の諸側面に分け入る 第1節 謝罪を定義する試みとその限界 第2節 謝罪の「非本質的」かつ重要な諸特徴 第3節 誠実さの要請と、謝罪をめぐる懐疑論 第4章 謝罪の全体像に到達する 第1節 非典型的な謝罪は何を意味しうるのか 第2節 謝罪とは誰が誰に対して行うことなのか 第3節 マニュアル化の何が問題なのか――「Sorry Works! 運動」をめぐって エピローグ 註 文献表 あとがき 索引
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私たちはいつから「孤独」になったのか
¥4,620
SOLD OUT
著者:フェイ・バウンド・アルバーティ 訳者:神崎朗子 発行元:みすず書房 344ページ 195mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 自分を理解してくれる人がいない、友人や伴侶が得られない、最愛の存在を喪って心にぽっかりと穴があいたような気持ちがする、老後の独り居が不安だ、「ホーム」と呼べる居場所がない――このような否定的な欠乏感を伴う感情体験を表現する語として「孤独」が用いられるようになったのは、近代以降のことである。それまで「独りでいること」は、必ずしもネガティブな意味を持たなかった。孤独とは、個人主義が台頭し、包摂性が低く共同性の薄れた社会が形成される、その亀裂のなかで顕在化した感情群なのである。 ゆえに孤独は、人間である以上受け入れなければならない本質的条件などではない。それは歴史的に形成されてきた概念であり、ジェンダーやエスニシティ、年齢、社会経済的地位、環境、宗教、科学などによっても異なる経験である。いっぽう、現代において孤独がさまざまな問題を引き起こしていることも事実であり、国や社会として解決しようとする動きが出てきている。その際まず必要となるのは、孤独を腑分けし、どのような孤独が望ましくなく、介入を必要とするのかを見極める手続きである。 2018年に世界で初めて孤独問題担当の大臣職を設置したイギリスの状況をもとに、孤独の来歴を多角的に照らし出す。漠然とした不安にも、孤独をめぐるさまざまな言説にもふりまわされずに、孤独に向き合うための手がかりとなる1冊。
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根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ(シリーズ「あいだで考える」)
¥1,760
SOLD OUT
著者:坂上香 発行元:創元社 192ページ 168mm × 130mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 『根っからの悪人っているの?――被害と加害のあいだ』 著者の映画作品『プリズン・サークル』は、日本で1か所だけ、刑務所の中で行われている「TC(回復共同体)」という対話による更生プログラムを、20 代の受刑者4 人を中心に2 年間記録したドキュメンタリー。本書は、この映画を手がかりに、著者と10 代の若者たちが「サークル(円座になって自らを語りあう対話)」を行った記録である。映画に登場する元受刑者の2 人や、犯罪被害の当事者をゲストに迎え、「被害と加害のあいだ」をテーマに語りあう。 【目次】 はじめに 第1回 初めての対話 『プリズン・サークル』を観て 「わかりたい」と思うには 「違い」に出会う 第2回 真人さんとの対話 刑務所のリアル 犯した罪をめぐって 大切なものとサンクチュアリ コラム おすすめの音楽 サンクチュアリが壊れたあと 第3回 翔さんとの対話 感情に気づき、感情を動かす サンクチュアリをつくる 自らの罪を語る コラム 感情をめぐるワーク 聴く・語る・変わる 第4回 山口さんとの対話 事件に遭遇して——山口さんの被害体験 コラム 事件後の子どもとの関係性の変化 少年の居場所 少年と会う 被害者と加害者が直接会うこと——「修復的司法」 コラム 修復的司法の個人的な取り組み 揺れていい 第5回 最後の対話 4回の対話の感想 根っからの悪人っているの? おわりに 被害と加害のあいだをもっと考えるための 作品案内
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#Z世代的価値観
¥1,650
SOLD OUT
著者:竹田ダニエル 発行元:講談社 208ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** マーケティング用語じゃない。これはまったく新しい「世代論」絶望的な世界に生まれた“Z世代”が「愛」と「連帯」で価値観の革命を起こす!「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」受賞!メディア・SNSで話題騒然!『世界と私のA to Z』の著者による画期的エッセイ お金、健康、人間関係、SNS、仕事――Z世代的価値観で分析する“私たちのいま”・「ホットガール」とセルフラブ・セラピーは心の必需品・「リアル&楽しい」食に夢中・エブエブ旋風の奇跡・さよなら「インフルエンサー」消費・つながりが広げる読書・ブランド価値より「今」の価値・「仕事≠人生」的な働き方
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聞くこと、話すこと。 人が本当のことを口にするとき
¥1,870
著者:尹雄大 発行元:大和書房 264ページ 188mm × 130mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 論理的に話すことが、「上手な話し方」ではない。 共感することが、「ちゃんと聞いている」ことではない。 テクニックより大切な事とは――― 【目次】 はじめに 第1章 体とその人の声 濱口竜介さんとの出会いで気づいたこと 〝ああ〟はなぜ生まれたか 濱口竜介さんとの出会い 音のズレがきこえる 私たちが尊厳に気づく時、言葉はその人の声と共に語られる 第2章 まだ語られていない声を聞くということ 沖縄で語られていたこと 上間陽子さんとの出会い 家と地域をつなぐ暴力 私たちは他者の声を聞き取れるのか 第3章 あなたがあなたとして存在することを認める 人間らしさの回復を謳うユマニチュード 見る・話す・触れる・立つ 触れるという歓待 適切な距離感は無い 第4章 死を願う言葉を身体で聞く 初対面とは思えない出会い 死にたい人からの電話 呪いと祝い 土に溶ける不安 第5章 私とあなたのあいだにある言葉 インタビューセッションという試み ジャッジを手放す 自己否定と問題解決の罠 新たな変化は新たな道を通して訪れる おわりに
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日本習合論
¥1,980
SOLD OUT
著者:内田樹 発行元:ミシマ社 296ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 外来のものと土着のものが共生するとき、 もっとも日本人の創造性が発揮される。 どうして神仏習合という雑種文化は消えたのか? 共同体、民主主義、農業、宗教、働き方… その問題点と可能性を「習合」的に看破した、傑作書き下ろし。 壮大な知の扉を、さあ開こう。 【目次】 まえがき 第1章 動的な調和と粘ついた共感 第2章 習合というシステム 第3章 神仏分離と神仏習合 第4章 農業と習合 第5章 会社の生命力を取り戻す 第6章 仕事の概念を拡大する 第7章 日本的民主主義の可能性 第8章 習合と純化 あとがき
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集団に流されず個人として生きるには(ちくまプリマー新書)
¥924
著者:森達也 発行元:筑摩書房 224ページ 新書判 182mm × 103mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 過剰に叩かれる宗教、ナチスのホロコースト、危機をあおるメディア、ネットの炎上…。集団は強い絆と同調圧力を生み、時に暴走する。そこで立ち止まって「おかしい」と言えるだろうか? 【目次】 第1章 なぜ空気を読むのだろう(人間は群れる生きものだ あなたはずっと集団化の時代に生きている ほか) 第2章 集団の中で流されること(集団は危険な意思決定をすることがある 敵が現れたとき私たちは集団化する ほか) 第3章 ネット社会が持っている危険性(マスメディアが新聞とラジオだった時代 都合の悪いことは言い換える ほか) 第4章 集団に巻き込まれない生き方(集団に埋没せずに個を持ち続けられるだろうか 組織の歯車として多くの人を殺害 ほか)
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世の人
¥1,870
著者:マリヲ 発行元:百万年書房 192ページ 188mm × 118mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「三回目の逮捕の後、もう本当にダメかも知れない、という気持ちと、確実になった刑務所生活を一秒でも短くしたいという気持ちから、ダルクに通所することにした。アルバイトとダルクを両立させていること(社会生活に問題がなく薬物依存を認めその治療にあたっていること)、家族、友人との関係が良好であること(社会的な受け皿があること)が、裁判において有利に働くらしいということをプッシャーの友人に教えてもらったからだった。」(本文より) 引いても押しても地獄ならってとことん逃げて、でもこんなところにたどり着かなくてもいいやんなあ。 【目次】 ダルク体験記 土井さん へらずぐち 世の人 中 糸糸糸 道の店 △公園夏祭り 肉食べる? マリヲくんまた 熱海 向こう岸