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アリの放浪記 多様な個が生み出す驚くべき社会
¥3,190
SOLD OUT
著者:オドレー・デュストゥール/アントワーヌ・ヴィストラール 訳者:丸山 亮 監修:丸山 宗利 発行元:山と渓谷社 408ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** いざ、アリの眼から見る世界へ! あなたが一匹のアリを踏みつぶしたとき、一遍の叙事詩が終わりを告げる。 世界的アリの研究者二人による全仏ベストセラー 本書は、地球上に2万種存在するともいわれているアリの専門家であるオドレー・デュストゥールとアントワーヌ・ヴィストラールの二人が、アリの魅惑的な社会生活を紹介した、わくわくするようなアリの一大放浪記だ。 焦点を当てるのは、個体の5~10%しかいない巣の外に出て食べ物を探し求めるアリ「採餌アリ」で、コロニー全体の食料供給を担っている。そのアリたちは、クロールで水辺を渡る水泳選手、仲間を救助し治療する看護師、地下でキノコを栽培する造園家、敵を巻き込んで自爆する特攻隊、空中を舞って落下するグライダー部隊などなど、とても多様な社会的カテゴリを有する。 アリたちの視点で世界を見ることで、自分たちの社会構造や自然との付き合い方を問い直す一冊だ。 【目次】 はじめに 序章 放浪記のヒロインたち/コロニー、超個体、集合知 第一の試練 巣を出て、方向を見定める 森の呼び声/ダーティ・ダンシング/われを慕うものはわれに従え/道をたどる/悪銭身につかず? 第二の試練 食糧を見つけ出す 芳香/プレデター/無慈悲な襲撃/待ち伏せ/罠 第三の試練 食糧を育てる 恵みの収穫/キノコひとすじ/善悪の園/危険な関係/愛と宿命の泉/潜水服は蝶の夢を見る 第四の試練 食糧を運ぶ 重量挙げ/指輪の仲間/悪魔のいけにえ/盗まれた口づけ/現金輸送車/ハチミツとスポンジ 第五の試練 環境に適応する 砂丘/風と共に去りぬ/流れに逆らって/メデューズ号のいかだ/二つの岸を結ぶ橋/大都市(メトロポリス) 第六の試練 他者を利用する 寄生虫/ストックホルム症候群 第七の試練 縄張りを守る 身近な敵/無蟻地帯(ノー・アンツ・ランド)/ファイトクラブ 第八の試練 外敵から身を守る スカイフォール/ジョーズ/鬼の訪問/カミカゼ/生ける屍 第九の試練 攻撃する・反撃する 恐れ慄いて/ロボコップ/人食いハンニバル 第一〇の試練 選択し、最適化する アリアドネの糸/オン・ザ・ロード・アゲイン/二車線道路/栄光の道 第一一の試練 救助し、治療する ライフガード/パルナサス博士の鏡 最後の試練 死 死につきまとわれて おわりに 翻訳家あとがき 参考文献
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〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す
¥2,640
著者:知念渉 発行年:青弓社 276ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ヤンキーは何を考え、どのようにして大人になるのか――。 高校で〈ヤンチャな子ら〉と3年間をともに過ごし、高校を中退/卒業してからも継続して話を聞いて、集団の内部の亀裂や、地域・学校・家族との軋轢、社会関係を駆使して生き抜く実際の姿を照らす。 【目次】 序 章 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィーに向けて 1 巷にあふれる「ヤンキー語り」と調査の不在 2 〈ヤンチャな子ら〉を調査・研究する意義 3 本書の目的と独自性 4 調査の概要 5 本書の構成 第1章 ヤンキーはどのように語られてきたのか 1 若者文化としてのヤンキー 2 生徒文化としてのヤンキー 3 階層文化としてのヤンキー 4 これまでのヤンキー研究の課題 5 分析の方針 第2章 〈ヤンチャな子ら〉の学校経験――教師との関係に着目して 1 〈ヤンチャな子ら〉と教師の対立? 2 学校文化の三つのレベル 3 家庭の文化と学校文化の葛藤 4 〈ヤンチャな子ら〉と教師の相互交渉 5 教師への肯定的評価と学校からの離脱 6 〈ヤンチャな子ら〉と「現場の教授学」 第3章 〈ヤンチャな子ら〉とは誰か――〈インキャラ〉という言葉に着目して 1 集団の曖昧さ 2 類型論的アプローチを超えて 3 〈インキャラ〉という解釈枠組み 4 文脈のなかの〈インキャラ〉 5 〈インキャラ〉という解釈枠組みのゆらぎ? 6 集団の内部の階層性 第4章 「貧困家族であること」のリアリティ 1 「子ども・若者の貧困」研究における本章の位置づけ 2 「記述の実践としての家族」という視点 3 記述の実践としての「貧困家族」 4 アイデンティティとしての家族経験 第5章 学校から労働市場へ 1 〈ヤンチャな子ら〉の仕事への移行経路 2 〈ヤンチャな子ら〉の移行経験――六人の語りから 3 移行経路と社会的ネットワーク 終 章 〈ヤンチャな子ら〉の移行過程からみえてきたこと 1 〈ヤンチャな子ら〉集団内部にある「社会的亀裂」 2 重層的な力学のなかにヤンキーを位置づけた意義 3 「ヤンキー」と括られる人々の内部に目を向けることの重要性 4 アンダークラスとしてカテゴリー化することの危険性 5 〈貧困の文化〉か、〈社会的孤立〉か 6 社会関係の編み直しに向けて 巻末資料 参考文献 初出一覧 あとがき
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庭の話
¥3,080
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著者:宇野常寛 発行元:講談社 368ページ 195mm × 140mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** *プラットフォーム資本主義と人間との関係はどうあるべきなのか? ケア、民藝、パターン・ランゲージ、中動態、そして「作庭」。一見無関係なさまざまな分野の知見を総動員してプラットフォームでも、コモンズでもない「庭」と呼ばれるあらたな公共空間のモデルを構想する。『遅いインターネット』から4年、疫病と戦争を経たこの時代にもっとも切実に求められている、情報技術が失わせたものを回復するための智慧がここに。 【目次】 #1 プラットフォームから「庭」へ #2 「動いている庭」と多自然ガーデニング #3 「庭」の条件 #4 「ムジナの庭」と事物のコレクティフ #5 ケアから民藝へ、民藝からパターン・ランゲージへ #6 「浪費」から「制作」へ #7 すでに回復されている「中動態の世界」 #8 「家」から「庭」へ #9 孤独について #10 コモンズから(プラットフォームではなく)「庭」へ #11 戦争と一人の女、疫病と一人の男 #12 弱い自立 #13 消費から制作へ #14 「庭の条件」から「人間の条件」へ
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人類の会話のための哲学 ローティと21世紀のプラグマティズム
¥4,180
SOLD OUT
著者:朱喜哲 発行元:よはく舎 284ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「ローティという不世出の哲学者を、〈人類の会話〉の守護者であろうとし続けた人物として再発見する。」朱喜哲は、混沌とした現在の日本・世界でローティが注目されるべき意味を鮮やかに記した。 古代ギリシア以来の伝統につらなる哲学を筆頭として「唯一の真正な声」を求める営みは、ひとびとの小さな声をつぐませる。 「雑多で多様な複数の声たち」、その会話こそが人類が豊かに暮らす希望ではないか。 哲学者ローティは多くの批判を引き受けながら、その声たちを守ることこそを哲学の任務として引き受けた。 本書は、第一部はミサック、第二部はセラーズ、第三部はブランダムを中心的に扱うことで、先行研究から後世の視点も含め包括的なローティ像を描き出している。 また、同時に現代的な意義、政治や社会の状況に対してどのように参照しうるのかを明らかにした。こうしてローティの思想を中心にプラグマティズムの意義が明らかにしていくことで、本書は古典から未来へ繋がる哲学の姿をも希望をもって浮かび上がらせる。
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生きるのが楽になるスヌーピー 心をゆるめてくれる禅の言葉
¥1,540
著者:チャールズ・M・シュルツ 訳者:谷川俊太郎 監修:枡野俊明 発行元:光文社 192ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 店主コメント *********************** 『ピーナッツ』のワンシーンや登場人物のセリフから「禅に通じるもの」を見出し、禅の言葉を解説するシリーズ第3弾。 物事の真理は身近な自然の風景にありのままの姿で存在し、人間もまたその一部であることを教えてくれます。複雑化した社会で忘れがちな自然体を意識することは、きっと自身の生きやすさにつながるのではないでしょうか。 【目次】 Part1 サンデー版で読む禅語 前を向くための言葉 Part2 サンデー版で読む禅語 心をゆるめる言葉 Part3 春夏秋冬を過ごす 禅語×ピーナッツコミック
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自分を受け入れるスヌーピー いろいろある世界を肯定する禅の言葉
¥1,540
SOLD OUT
著者:チャールズ・M・シュルツ 訳者:谷川俊太郎 監修:枡野俊明 192ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 店主コメント *********************** 『ピーナッツ』のワンシーンや登場人物のセリフから「禅に通じるもの」を見出し、禅の言葉を解説するシリーズ第2弾。 自分のカラーを見つけ、それぞれのカラーを認める。互いに尊重し合う多様性の認識へと導いてくれる禅の言葉が詰まった一冊です。巻末にはシュルツ・スタジオからのメッセージが詰まったイラスト集「COLOR OF PEANUTS」を掲載。 【目次】 Part1 自分のCOLORを見つけて Part2 それぞれのCOLORをみとめる Part3 COLOR OF PEANUTS
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死すべき定め 死にゆく人に何ができるか
¥3,080
SOLD OUT
著者:アトゥール・ガワンデ 訳者:原井宏明 発行元:みすず書房 312ページ 193mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 今日、医学は人類史上かつてないほど人の命を救えるようになった。しかし同時に、人はがんなどの重篤な病いと闘う機会が増え、寿命が飛躍的に延びた。老人ホームやホスピスなど家族以外の人々も終末期に関わるようになり、死との向き合い方そのものが変わってしまったのである。この「新しい終末期」において、医師やまわりの人々、そして死にゆく人に何ができるのだろうか? インドの田舎町で長老として過ごすおじいさん、子供と離れて一人で都会的な生活を送るおばあさん、母親になってすぐに末期がんと向き合う女性……。本書の著者アトゥール・ガワンデは、外科医としていくつもの最期の決断に立ち会い、家族として決断に迫られる。ガワンデが直面する医療にできること、できないこととは——。 現役外科医にして「ニューヨーカー」誌のライターである著者が描く、迫真の人間ドラマ。人生の終盤をよりよくするために奔走した人々のエピソードが圧倒的な取材力と構成力で綴られた本書は、読む者に自らの終末期の選択について多くの問いを投げかけるだろう。 終末期をどう生き、最期の時をどう迎えるのか。私たちは豊かに生きることに精いっぱいで、「豊かに死ぬ」ために必要なことを、こんなにも知らない——。 【目次】 序 1 自立した自己 2 形あるものは崩れ落ちる 3 依存 4 援助 5 よりよい生活 6 定めに任せる 7 厳しい会話 8 勇気 エピローグ *********************** 店主コメント *********************** フレイル(衰弱状態)によって一人暮らしがままならない高齢者や難病を患う終末期患者に対する医療とケアのあり方を考えるルポルタージュ。 老化や病の進行と共に必要になってくる依存と援助。生命の限界が見えつつあるとき、その人は「自律」した生活を望むことはできないのか?現役の医師である著者が、これまでに関わった患者や彼らを支援する職員たちとの出会いによって見出した死生観を読者に提示する。 医師から提案された治療の選択に苦悩する患者と家族、新たな支援の試みに奮闘する職員など人物背景が丹念に書かれているので感情移入しながら読むことができます。 決して他人ごとではない現実と向き合う読み応え十分の一冊です。
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土と脂 微生物が回すフードシステム
¥3,520
SOLD OUT
著者:デイビッド・モントゴメリー/アン・ビクレー 訳者:片岡夏実 発行元:築地書館 416ページ 195mm × 138mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 今も売れているベストセラー『土と内臓』の著者による最新作!! 内臓にある味覚細胞、健康な土、 身体に良い脂肪・悪い脂肪から、コンビニ食の下に隠された飢餓まで、 土にいのちを、作物に栄養を取り戻し、食べものと身体の見方が変わる本。 前著に続き、目からうろこが落ちる記述が満載! ◎相乗的に作用しあうファイトケミカル、ミネラル、脂肪。 ◎植物は、体外に胃袋を持つ。 外部の胃袋としての根圏マイクロバイオームによって、体外で消化を行うのだ。 ◎非菌根型菌類は有機物を分解し、植物が吸収できる形で栄養を放出する。 ◎育種のベクトルを、収量から菌根菌、細菌との協力関係にシフトさせる。 ◎農業政策は、公衆衛生と医療の重要な一分野。 【目次】 序章 「土壌の健康が食物の質に影響する」は本当か? 土壌生物がもたらす作物の健康 健康な土と良い食べものをつなぐ科学的な根拠 ジャンクフードの下に隠された飢餓 第1章 健康というパズルの重要なピース 食べものの役割に関心が薄い医学 「正しい食べもの」がかつて含んでいた栄養 収量という罠 隠れた飢餓─親より寿命が短くなるアメリカ人 食べものの栄養素密度を予防医学として考える 土壌の健康を通して農法を考える 土 SOIL 第2章 人は岩でできている 店頭のニンジンとホウレンソウの栄養価 岩を食べた植物を食べる人間 植物の生長と健康を支える極小のパートナー 土壌微生物の植物学的重要性に気づく 微生物は日和見主義の政治的同盟者 品種改良によるミネラル低下 単純な実験─ミネラルを土から作物へ運ぶ微生物の育て方 第3章 生きている土 食べものを疑ったイギリス人 農業慣行がつくる作物の健康と食品の栄養価 非現実的な神秘主義と合理的思考 緑の女王バルフォア 自分の農場を一大実験場に 有機農地のウシとニワトリ 微生物生態学の進歩が明かしたバルフォアの洞察の正しさ 第4章 慣行農業の行きづまり 土壌の健康は世代を超えた信託物 耕起による土壌生態系の破壊 耕起がもたらす菌根菌・細菌へのインパクト 土壌のジャンクフード─窒素肥料 植物の防御システムを解除する化学肥料 はびこる問題15年で広がった除草剤耐性雑草 グリホサート─鉱物元素を奪い植物を枯らす もう一つの道─土づくりから始める 第5章 農民の医師 植物の根と菌根菌 作物の健康は菌類と腐植で成り立つ ビタミンBを含まない化学肥料施肥の種 全粉粒パンには鉄が3倍、ビタミンBが7倍 白米の普及と脚気、2型糖尿病 手がかりを追って 戦時中に英国人の食事を変えた科学者 野菜や飲料水を汚染する硝酸塩 大量の窒素施肥がもたらすもの 植物 PLANT 第6章 植物の身体 土がなくても作れる有機作物? 植物の錬金術師─ファイトケミカル 作物の生長・収量と健康を混同する研究者 議論が終わらない理由 ファイトケミカルが有意に多い有機作物 農法による収量差と収益性 第7章 偉大なる園芸家 私たちの手作り野菜の栄養組成 タバコ・ロード農場の不耕起集約的野菜栽培 裸地を作らず、常に何かを栽培する キノコが生える畑─森から土を入れる 歌うカエル(シンギング・フロッグズ)農場─アグロフォレストリーの野外実験 固定資産税を支払うため、不耕起栽培で年3回収穫 不耕起─土壌からの窒素流亡が起こらないわけ 慣行ブドウ園との土壌比較 土づくり─畑の生命の躍動を見守る 成功事例を小規模農場で再現する 第8章 堆肥が育てる地下社会 農業コンサルタントへの疑問 土壌比較調査 堆肥の力 ジョンソン=スー・バイオリアクターの発明 生産性をつかさどる菌類・細菌比 多様な菌類群集の速い推移 高まる関心 第9章 多様な植物由来の見過ごされた宝石 ワシントン大学薬草園 ファイトケミカルの種類は5万種 フラボノイド、カロテノイド、フェノール ヒト細胞を浄化する抗酸化物質 抗酸化物質含有食品を健康のために食べる 食べる薬 薬理効果とトマト、チョコレート 動物 ANIMAL 第10章 沈黙の畑 農薬への曝露 農家以外の農薬曝露は食事から 害虫への対抗手段としてのファイトケミカル 抵抗の根─多様性で病害虫防除 農務省を辞めて自分で研究農場を始めた昆虫学者 昆虫群衆の相互関係 農学の研究制度の壊滅を思い知る そろそろ変わるときだ 生き物の賑わいが戻った研究農場 第11章 地の脂 マイクロバイオームの大部分を収めた生態系 脂肪が人体を支配する 地の脂が乳となり人間になる トウモロコシを食べるウシ 食餌で変わる牛乳の中身 オメガ6と共役リノール酸 バターとチーズとファイトケミカル 乳牛の健康問題 第12章 肉の中身 脂肪悪玉説のはじまり 食事─心臓仮説がもたらした混乱 肉について考える イヌイット食の謎の脂肪 アザラシ肉に匹敵するDPAの摂取源 草を食わせろ 肥育場病─食餌と生活環境が引き起こすもの 第13章 身体の知恵 多種を少量ずつ食べる草食動物 草と牛─マルチパドック輪換放牧を生んだ着想 土壌中のミネラルバランスに注目する 野生動物が知っている薬効植物 身体の知恵の3本の柱 味のフィードバック、もしくは植物と踊るダイナミックなダンス 平均という問題─費用対効果の真実 正常な満腹信号を歪める食味増強剤 永続する多様性─適応と回復力を生む群れの中の変わり者 人間 PEOPLE 第14章 健康の味 脳のそばの隠された細胞 味は単色タイル、風味は複雑なモザイク 腸内の神経細胞にもある味覚受容体 喉にある苦味受容体の役割 壊れた羅針盤─身体の知恵を狂わせる甘味、塩味、うま味 食の相乗効果 栄養研究の難しさ 健康のための食事指針は、食べものが何を食べてきたのかを考えない 第15章 バランスの問題 『美味礼讃』が伝えたかったこと 低脂肪食品の効能は薄い─ボーイング社員で徹底研究 よい脂肪、共役リノール酸 太古の脂肪 炎症のバランスを取る脂肪 オメガ3とオメガ6のバランスのよい蓄え オメガ3サプリの効果 脂肪と心の健康 日本食の評価 第16章 作物に栄養を取り戻す 本場フランスのバゲットがおいしくなかった理由 パン研究所で学ぶコムギ製粉の歴史 コムギの育種─貯蔵寿命と収量の最大化 世界から集めた1000種類のコムギ 必要な多様性がすべて揃った畑 化学肥料を与えない畑に合うコムギの育種 穀物に足りないもの─栄養より収量でいいのか 近代の品種と古代の品種 食べものに栄養を取り戻す 主要作物の復活─SRIによるコメ栽培 第17章 畑の薬 超加工食品を食べない人々の歯はなぜ健康か 伝統食と栄養 健康のための農業 栄養素欠乏が引き起こすもの 菌類からの化合物の活躍 新しい栄養学のススメ 食の多様性 第18章 健康を収穫する 土地をどう扱うかで人間の健康が決まる 新たな方向性─土壌に必要な生物も育てる農業 選択肢は慣行農法か有機か、ではない 不耕起、被覆作物、多様な作物の輪作で1セット 未来の農業 未来の選択─農業のやり方が人間のありようを形作る 謝辞 訳者あとがき 参考文献 索引
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土と内臓 微生物がつくる世界
¥2,970
SOLD OUT
著者:デイビッド・モントゴメリー/アン・ビクレー 訳者:片岡夏実 発行元:築地書館 392ページ 195mm × 138mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 肥満、アレルギー、コメ、ジャガイモ―― みんな微生物が作り出していた! 植物の根と、人の内臓は、豊かな微生物生態圏の中で、 同じ働き方をしている。 マイクロバイオーム研究で解き明かされた人体での驚くべき微生物の働きと、 土壌根圏での微生物相の働きによる豊かな農業とガーデニング。 農地と私たちの内臓にすむ微生物への、医学、農学による無差別攻撃の正当性を疑い、 地質学者と生物学者が微生物研究と人間の歴史を振り返る。 微生物理解によって、たべもの、医療、私達自身の体への見方が変わる本。 【目次】 はじめに――農地と土壌と私たちのからだに棲む微生物への無差別攻撃の正当性が疑われている 第1章 庭から見えた、生命の車輪を回す小宇宙 死んだ土 堆肥を集める 夢にみた庭づくり 夏の日照りと冬の大雨 スターバックスのコーヒーかすと動物園の糞 手品のように消える有機物 花開く土壌生物の世界 5年間でできた沃野 庭から見えた「自然の隠れた半分」旅する胞子 第2章 高層大気から胃の中までどこにでもいる微生物 どこにでもいる微生物 生き続ける原始生物 遺伝子の水平伝播もしくはセックスによらない遺伝的乱交 牛力発電度 第3章 生命の探究生物のほとんどは微生物 名前――リンネの分類法 ちっぽけな動物たち――顕微鏡の発見 発酵する才能――パスツールが開いた扉 生命の木を揺さぶる手――ウーズの発見 ウイルスの分類 第4章 協力しあう微生物 なぜ「種」という概念が疑わしくなるのか 微生物の共生 細胞の一部でありながら一部ではない――ミトコンドリアと葉緑体 マーギュリスとグールド シンビオジェネシス――別個の微生物が合体する 生命の組み立て 第5章 土との戦争 氷期のあとで 光合成の発見 最少律 小さな魔法使い 還元の原則――ハーバーボッシュ法とハワードの実践的実験 化学肥料はステロイド剤 触媒としての微生物 「農業聖典」とアジアの小規模農業 土壌の肥沃度についてのパラダイムシフト 第二次大戦と化学肥料工場マッシュルーム栽培の始まり 第6章 地下の協力者の複雑なはたらき 土中の犬といそがしい細菌 太古のルーツ 根圏と微生物 食べ物の力 植物と根圏微生物の多彩な相互作用 菌類を呼ぶ――植物と菌類のコミュニケーション 沈黙のパートナー――土壌生態学が解明する地下の共生・共進化著者のつぶやき 第7章 ヒトの大腸微生物と免疫系の中心地 がんが見つかる 手術後に考えたこと――がんと食生活 サケの遡上と川の環境 コーヒーとスコーンの朝食 がん予防の食事――ハイジの皿 美食の海で溺れる 食事をラディカルに見直す ヒトマイクロバイオーム・プロジェクト 人体の中の微生物 大腸はなぜ免疫系の中心なのか 第8章 体内の自然 減った病気と増えた病気 免疫の二面性 過ぎたるはなお 二つの免疫 恐れ知らずの探検家 抗原という言語 炎症のバランス 微生物の協力者 共生生物の種 バクテロイデス・フラギリスの奇妙な事例 ちょうどよい炎症 太古からの味方癌の治療法はすでに存在している 第9章 見えない敵細菌、ウイルス、原生生物と伝染病然 ポリオ 天然痘 センメルワイス反射 第10章 反目する救世主コッホとパスツール シルクとパスツール 顕微鏡とコッホ 細菌の分離 細菌論のルーツ――培養できる微生物に限定される 奇跡の薬 奇跡の値段 第11章 大腸の微生物相を変える実験 内側からの毒――腸内微生物と肥満 脂肪の二つの役割 腸内細菌相の移植 消化経路――胃・小腸・大腸の役割 ゴミを黄金に――大腸での発酵細菌の活躍 第12章 体内の庭 プレバイオティクス 婦人科医療と細菌のはたらき 糞便微生物移植の効果 穀物の問題――完全だった栄養パッケージをばらばらにする 内なる雑食動物躍 食生活を変えて腸内の微生物ガーデニングを意識する 第13章 ヒトの消化管をひっくり返すと植物の根と同じ働き 自然の預言者 減った栄養素 諸刃の遺産 ミクロの肥料 見えない境界線――根と大腸は同じはたらき 第14章 土壌の健康と人間の健康おわりにかえて 謝辞 訳者あとがき キーワード解説 (巻末より)原註 参考文献 索引
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反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー
¥4,180
著者:ジェームズ・C・スコット 訳者:立木勝 発行元:みすず書房 296ぺージ 193mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「ある感覚が要求してくる——わたしたちが定住し、穀物を栽培し、家畜を育てながら、現在国家とよんでいる新奇な制度によって支配される「臣民」となった経緯を知るために、深層史(ディープ・ヒストリー)を探れ、と…」 ティグリス=ユーフラテス川の流域に国家が生まれたのが、作物栽培と定住が始まってから4000年以上もあとだったのはなぜだろうか? 著者は「ホモ・サピエンスは待ちかねたように腰を落ち着けて永住し、数十万年におよぶ移動と周期的転居の生活を喜んで終わらせた」のではないと論じる。 キーワードは動植物、人間の〈飼い馴らし〉だ。それは「動植物の遺伝子構造と形態を変えてしまった。非常に人工的な環境が生まれ、そこにダーウィン的な選択圧が働いて、新しい適応が進んだ…人類もまた狭い空間への閉じこめによって、過密状態によって、身体活動や社会組織のパターンの変化によって、飼い馴らされてきた」 最初期の国家で非エリート層にのしかかった負担とは? 国家形成における穀物の役割とは? 農業国家による強制の手法と、その脆弱さとは? 考古学、人類学などの最新成果をもとに、壮大な仮説を提示する。 【目次】 はじめに 序章 ほころびだらけの物語——わたしの知らなかったこと 国家と文明の物語のパラドックス/国家の正しい位置づけ/手短な行程表 1 火と植物と動物と……そしてわたしたちの飼い馴らし 火/集中と定住——湿地仮説/湿地と定住/なぜ無視されてきたのか/ギャップに注目する/そもそもなぜ植えるのか 2 世界の景観修正——ドムス複合体 新石器時代の植え付けから百花繚乱へ——耕作の影響/進化のモジュールとしてのドムス/狩猟民の獲物から農民の囲い物へ/人間の類似点に関する推論/わたしたちの家畜化 3 動物原性感染症——病理学のパーフェクトストーム 苦役とその歴史/後期新石器時代複数種再定住キャンプ——病理学のパーフェクトストーム/多産と人口に関する注釈 4 初期国家の農業生態系 国家作りの農業地理/穀物が国家を作る/壁が国家を作る——防御と閉じこめ/文字が国家を作る——記録と識字力 5 人口の管理——束縛と戦争 国家と奴隷制/メソポタミアの奴隷制と束縛/エジプトと中国/「人的資源」戦略としての奴隷制/略奪的資本主義と国家建設/メソポタミアの奴隷制および束縛の特殊性/飼い馴らしと重労働と奴隷制に関する推測的覚書 6 初期国家の脆弱さ——分解としての崩壊 初期国家の罹患率——急性疾患と慢性疾患/病気——過度の定住、移動、国家/環境破壊——森林破壊と塩類化/政体の消滅——戦争とコアの搾取/崩壊万歳 7 野蛮人の黄金時代 文明とその野蛮な周辺部/野蛮人の地理、野蛮人の生態系/略奪/交易ルートと課税可能な穀物コア/闇の双生児/黄金時代だったのか? 索引/原注/参考文献
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哺乳類の興隆史 恐竜の陰を出て、新たな覇者になるまで
¥4,290
著者:スティーブ・ブルサッテ 訳者:黒川耕大 日本語ば版監修:土屋健 発行元:みすず書房 496ページ 193mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 約3億年前に爬虫類の祖先と分かれたグループが、幾多の絶滅事件を乗り越えて私たちに至るまでの、途方もない歴史を描く書。 今、地球には約6000種の哺乳類が生息している。この動物たちは、哺乳類というグループが織りなしてきた豊かな系統樹のごくごく一部にすぎない。過去には、車のような大きさのアルマジロ、犬のような小ささのゾウ、マメジカのような華奢な四肢を持つクジラの祖先など、奇想天外な動物たちがいたことが化石記録から明らかになっている。 哺乳類の系統樹の枝は、小惑星の衝突や火山の噴火、気候の変動などに起因する絶滅事件により、大半が刈り込まれてしまった。しかし絶滅哺乳類が獲得した進化の遺産は、私たちの身体に確かに引き継がれている。たとえば、耳や顎の骨の形状、妊娠や乳児の成長の仕方、咀嚼を可能にした臼歯の形状や乳歯・永久歯のしくみは、私たちの祖先が3億年の間に一つ一つ獲得したものだ。 古生物学者たちは、世界中を探索し、化石記録やDNA解析を元に、絶滅の危機を辛くも耐え抜きついに繁栄を勝ちえた哺乳類の歩みを明らかにしてきた。本書はその発見と解明の興奮を追体験する書でもある。 図版多数収録。 【目次】 哺乳類の年表 哺乳類の系統樹 地質時代の世界地図 序章 我らが哺乳類一族 第1章 哺乳類の祖先 第2章 哺乳類が出来上がるまで 第3章 哺乳類と恐竜 第4章 哺乳類の革命 第5章 恐竜は滅び、哺乳類は生き残る 第6章 哺乳類、現代化する 第7章 極端な哺乳類たち 第8章 哺乳類と気候変動 第9章 氷河時代の哺乳類 第10章 ヒトという哺乳類 終章 未来の哺乳類 謝辞 訳者あとがき 参考文献 索引
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恋愛の哲学
¥1,760
著者:戸谷洋志 発行元:晶文社 236ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 哲学は「恋愛」を語ることから始まった。 クズへの愛はなぜ成立するのか? なぜ私は愛されたいのか? 永遠の愛はどこまで続くのか? ――すべて哲学が答えます。 現代に流れる「ロマンティック・ラブ」の幻想を解体する驚愕の哲学入門!!! 紹介するのは、プラトン、デカルト、ヘーゲル、キルケゴール、サルトル、ボーヴォワール、レヴィナスの七人。彼らはそれぞれが違った仕方で人間と世界の関係を捉え、その人間観の中で恋愛(哲学)を論じている。恋愛とは何かを考えることは、そもそも人間とは何かを問い直すことを要求する。本書ではそれらを全体として再構成することで<恋愛>を広い視野の元で捉え直していく。 【目次】 はじめに 第1章 なぜ誰かを愛するのか?――プラトン 第2章 なぜ恋愛に執着するのか?――デカルト 第3章 なぜ恋人に愛されたいのか?――ヘーゲル 第4章 永遠の愛とは何か?――キルケゴール 第5章 なぜ恋愛は挫折するのか?――サルトル 第6章 女性にとって恋愛とは何か?――ボーヴォワール 第7章 なぜ恋人と分かり合えないのか?――レヴィナス おわりに *********************** 店主コメント *********************** 結婚へ至る過程こそが恋愛だとする「ロマンティック・ラブ」という恋愛観が、世の中では当たり前になっています。しかし、本書ではロマンティック・ラブを絶対的なものとはせず、恋愛を広い視野で捉えなおすことで豊かな関係性として理解しようとしています。 7人の哲学者の恋愛論を章ごとに紹介し、それぞれの哲学に沿った恋愛観を展開。随所で引用されている哲学者たちの難解な言葉も、著者が噛み砕いて解説してくれるので難なく読み進めることができると思います。 登場する哲学者は、プラトンやデカルト、ヘーゲルなど哲学界の大御所が中心。巻末の引用文献一覧も、哲学書の定番と言えるタイトルが並んでいるので哲学の入門書としてもオススメです。
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『ベイブ』論 あるいは「父」についての序論
¥1,200
著者:柿内正午 発行元:零貨店アカミミ 88ページ 173mm × 105mm ソフトカバー *********************** 発行元紹介文より *********************** 映画『ベイブ』を丹念にみつめることで、『現代における父性とはどのようなものであるべきか』という大きな問いに挑む。 映画論であり文学論。批評的な方法で思考する社会派エッセイ。 【目次】 はじめに 映画館までの道のり Chapter1.『ベイブ』論 とある映画館での上映の記録 序幕 豚ってたしかにバカだよ 世の理 罪と罰 豚はとびきり美味しいお肉 自分は犬だと思い込んでいる豚 牧羊豚 とても悲しい日 運命の豚 Chapter2.あるいは「父」についての序論 映画館の近くのカフェで 男って確かにバカだよ 優れた脚色と継承されなかった潜勢力 世の理 人間主義の彼岸に擬態した人間主義 おいしい豚肉から牧羊豚へ 階級 悲しき「父」と「子」の行方 暴力と開拓 運命をどのように書き換えるか 「That'll do.」 おわりに 「まだ世界が終わったわけじゃない」
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会社員の哲学 〔増補版〕
¥1,200
SOLD OUT
著者:柿内正午 発行元:零貨店アカミミ 152ページ 173mm × 105mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「会社員」というありふれているようでどうにも特異な立場から、現代社会を描き直す。 無名で、凡庸な会社員が書く当事者研究であり、民族誌であり、思想書であり、哲学書。 【目次】 はじめに 増補版序文 Ⅰ部 自由 1章 賃労働者であること 2章 自己実現とAIー個人化と規格化 コラム:ゾンビ論ーハイチへのまなざし Ⅱ部 責任 3章 会社、たくさんの秘密 ―セクショナリズム・官僚制 4章 責任の無限後退 ―「安楽への自発的隷属」 コラム:生活の保守性 Ⅲ部 個人と社会 5章 自由と責任のインターフェースとしての、所有概念 6章 主体性をほどよく保持するために 7章 よりよい生へ コラム:推しー「密猟」としての誤読の実践 Ⅳ部 会社員の日常的実践 8章 具体的にどうするか 9章 哲学を生活に実装するために おわりに―短い言い訳 ■主な参考文献
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世界の適切な保存
¥1,870
著者:永井玲衣 発行元:講談社 288ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ロングセラー『水中の哲学者たち』で話題沸騰! 対話する哲学者・永井玲衣、待望の最新刊! 見ることは、わたしを当事者にする。 共に生きるひとにする。 世界をもっと「よく」見ること。その中に入り込んで、てのひらいっぱいに受け取ること。 この世界と向き合うための哲学エッセイ。 わたしはどうやら、時間が流れていくにしたがって、 何かが消えるとか、失われるとか、忘れられるということがおそろしいらしい。 ここに書かれたもの。その何倍もある、書かれなかったもの。 でも決してなくならないもの――。 生の断片、世界の欠片は、きかれることを待っている。じっとして、掘り出されることを待っている。 *********************** 店主コメント *********************** 哲学対話のファシリテーターとして活動する永井玲衣によるエッセイ集です。 著者は詩人のような感性で眼前にある世界の深層にアクセスする。本文で引用されるさまざまな詩歌は、著者が世界の深層で見た風景を代弁しているかのようです。 そして、読者は世界の深みへとどんどん引き込まれてゆく。 詩や短歌が好きな方にもおすすめの一冊です。
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信じない人のための〈宗教〉講義
¥3,520
著者:中村圭志 発行元:みすず書房 256ページ 193mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 〈宗教〉なんて過去の遺物? あやしいもの? 怖いもの? そんなあなたのために、ざっくばらんな世界〈宗教〉ツアーをご用意しました。ご安心ください。何か特定の〈宗教〉へお誘いするようなことはありません。私もまたいわゆる〈無宗教〉の一人ですから。 「〈宗教〉という言葉はやや漠然とした言葉です。この茫漠と広がる意味領域を大雑把にひっくるめて述べるとすると、〈宗教〉とはなんらかの制度として存在している、とでも言っておくしかなさそうです。そうした制度の別の側面は、人びとの意識のなかに現れるさまざまな世界イメージです。 人びとは日々の暮らしのなかで世界イメージを自己のものとする努力を行なっています。この努力の世界に読者をいざなおうというのが本書の目的です」(はじめに) 宗教家や宗教学者にはちょっと書けない、この脱〈信仰〉型の宗教案内で、私たち自身の偏見や怖れをも、このさい解きほぐしてみましょう。
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虹の戦士 (ポケット版)
¥1,760
SOLD OUT
翻案:北山耕平 発行元:太田出版 200ページ 155mm × 110mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 30年間静かに読み継がれるロングセラー、待望のポケット版。 アメリカ・インディアンが信じつづけてきた、希望と再生の物語 「地球が病んで/動物たちが/姿を/消しはじめるとき/まさにそのとき/ みんなを救うために/虹の戦士たちが/あらわれる」 ――アメリカ・インディアンに古くから残る言い伝えより ※本書は弊社刊「虹の戦士」(1999年)、「定本 虹の戦士」(2017年)を再編集のうえ、ポケット版として新装したものです。 【目次】 第一章 大きな疑問 第二章 内側を見つめる 第三章 自然にさわる 第四章 恐怖に打ち勝つ 第五章 技をものにする 第六章 死を敬う 第七章 痛みを知る 第八章 ヴィジョンを求める
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ドミトリーともきんす
¥1,320
SOLD OUT
著者:高野文子 発行元:中央公論新社 126ページ 250mm × 180mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 不思議な学生寮「ともきんす」に暮らす“科学する人たち”朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹……彼らが遺した文章と一組の母娘の出会いを描く待望のコミックス単行本。 【目次】 球面世界 ドミトリーともきんす(トモナガ君 おうどんです-朝永振一郎「鏡のなかの物理学」 トモナガ君 泣かないで-朝永振一郎「滞独日記(一九三八年四月七日‐一九四〇年九月八日)」 マキノ君 お正月です-牧野富太郎「松竹梅」 ナカヤ君 お手紙です-中谷宇吉郎「簪を挿した蛇」 ナカヤ君 コタツです-中谷宇吉郎「天地創造の話」 マキノ君 蝶々です-牧野富太郎「なぜ花は匂うか?」) Tさん(東京在住)は、この夏、盆踊りが、おどりたい。 *********************** 店主コメント *********************** 朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹、4人の日本人学者が登場する短編マンガと共に、彼らの著作を紹介する読書案内コミック。 「ドミトリーともきんす」という架空の学生寮を舞台に、それぞれの学者の性格や研究に対する姿勢が明解に描かれています。 自然科学について語られた文章は、小説と違う味わいを持っています。高野文子が描く落ち着いたトーンの絵柄は、学者らが綴った文章の持つ澄んだ味わいにマッチしています。
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所有論
¥3,300
著者:鷲田清一 発行元:講談社 576ページ 193mm × 138mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放つ! 「ほかならぬこのわたし」がその身体を労して獲得したものなのだから「これはわたしのものだ」。まことにもっともな話に思われる。しかし、そこには眼には見えない飛躍があるのではないか……? ロックほか西欧近代の哲学者らによる《所有》の基礎づけの試みから始め、譲渡の可能性が譲渡不可能なものを生みだすというヘーゲルのアクロバティックな議論までを著者は綿密に検討する。そこで少なくともあきらかにできたのは、「所有権(プロパティ)」が市民一人ひとりの自由を擁護し、防禦する最終的な概念として機能しつつも、しかしその概念を過剰適用すれば逆にそうした個人の自由を損ない、破壊しもするということ。そのかぎりで「所有権」はわたしたちにとって「危うい防具」だという根源的な事実である。 主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放ち、未来における「手放す自由、分ける責任」を展望する。
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『忘れられた日本人』をひらく 宮本常一と「世間」のデモクラシー
¥1,760
著者:畑中章宏 発行元:黒鳥社 208ページ 173mm × 105mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 不世出の民俗学者・宮本常一の主著のひとつであり、今なお愛され読み継がれる『忘れられた日本人』。そこに描かれた日本人の姿を、ノスタルジアや復古主義に陥ることなく、グローバリズムとナショナリズムとが錯綜する21世紀の世界のなかにいかに価値づけ、その可能性をひらくことができるのか。民俗学者・畑中章宏と編集者・若林恵が、「忘れられた日本人」の新たな姿をさがす、寄り道だらけの対話篇。
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野生のしっそう
¥2,640
著者:猪瀬浩平 発行元:ミシマ社 304ページ ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 知的障害があり自閉症者でもあるが、さまざまな鋭さをもった兄。障害がないとされているが、さまざまないびつさをもった弟(著者)。世間には、この兄と弟を切断する「ものの見方」があたりまえに存在する。 しかし、その分断をすり抜けてしまうある出来事が起こった。 2021年3月、緊急事態宣言の下、兄は突然しっそうする―― どこへ向かったのか? なぜしっそうしたのか? その道筋を辿りながら見えてきたのは、兄の「たたかわない」術だった。 外なる他者、遠くの他者を扱ってきた文化人類学に、あらたな道を拓く実践の書! 「障害とともにある人類学」から始まり、「内なる他者」を対象とした人類学へと展開する、あたらしい学問のあり方。 【目次】 はじめに しっそうのまえに 第一章 沈黙と声 たたかわないこと、しっそうすること/三月下旬 午前二時半に走り出す/カタリナの構え/黙禱と叫び 1/黙禱と叫び 2 第二章 蜜柑のはしり ズレと折り合い/いくつかの死と/いくつもの死と/対面とリモート/夏みかんのしっそう/贈与のレッスン 第三章 世界を攪乱する、世界を構築する ボランティアのはじまり/満月とブルーインパルス、あるいはわたしたちのマツリについて/路線図の攪乱 1/路線図の攪乱 2/トレイン、トレイン 第四章 急ぎすぎた抱擁 父とヤギさん/眠る父/転倒の先/失踪/疾走/旋回としっそう/燕(つばくら)の神話 最終章 春と修羅 むすびとして うさぎのように広い草原を
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味つけはせんでええんです
¥1,760
著者:土井善晴 発行元:ミシマ社 208ページ 168mm × 120mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「なにもしない」料理が、 地球と私とあなたを救う。 AIの発達、環境危機、経済至上主義… 基準なき時代をどう生きるか? 人間とは、自由とは、幸せとは。 「料理」を入り口に考察した壮大な著! 土井節炸裂、一生ものの雑文集。 『ちゃぶ台』の名物連載、ついに書籍化。 *********************** 店主コメント *********************** 身近な生活から世の中のことまで、料理研究家ならではの思考で現代人が失いつつある普遍的な考え方や物事の在り方を語り尽くします。 人が生きるうえで欠かせない食事は、生活や文化の根底にあるもの。だからこそ、料理に対する思想は様々な事象に精通する普遍性をもっているのではないでしょうか。 ライフスタイルにその人の思想が反映されるとすれば、本書の内容は豊かな生活の一助になってくれると思います。
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水木しげるの遠野物語
¥1,485
SOLD OUT
著者:水木しげる 原作:柳田國男 発行元:小学館 264ページ 210mm × 148mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 妖怪コミックの聖典誕生。遠野物語を水木氏が漫画化! ザシキワラシ、河童、鬼……岩手県遠野市の厳しい自然の中で、人々の想像力が生み出した妖怪たちが、今動き始める! 柳田國男氏の名著『遠野物語』は、100年前のベストセラーにして日本民俗学の原点ともなった名著です。これを水木しげる氏がコミック化。格調高い文語体で書かれた原書の魅力を、水木氏ならではの想像力・描写力で完全にビジュアル化し、新たな魅力を作りあげています。ザワザワと心騒ぐ、日本の風土から生まれた怪異の世界。さらに『遠野物語』と『水木しげるの遠野物語』、百年を隔てたこのふたつの本を生み出す母胎・揺籃となった遠野地方の、現在まで残る豊穣な風土をレポートするコラム「2010年遠野の風景」も併録。
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菅江真澄 図絵の旅(角川ソフィア文庫)
¥1,650
SOLD OUT
著者:菅江真澄 編・解説:石井正己 発行元:KADOKAWA 352ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 祭り、信仰、大自然。200年前の日本を描いた貴重なカラー図絵112点 江戸時代、菅江真澄という漂泊の旅人がいた。北東北や南北海道をくまなく歩き、好奇心のおもむくままに筆をとる。男鹿半島、八郎潟、白神山地の絶景。恐山、おしらさま、なまはげ、避疫神の信仰。火山、瀑布、奇岩がおりなす大地の風景。雪国の生業、海の幸と山の幸から、アイヌの暮らしや縄文土器まで――。森羅万象を描いた貴重な図絵112点をフルカラーで収録。民俗学、文化遺産、ジオパークの先駆けになった旅人の眼差しに迫る。 【目次】 I 信濃・南部・蝦夷地の旅 II 下北・津軽の旅 III 秋田の旅(1) IV 秋田の旅(2) V 地誌の旅 VI 図絵の旅(1) VII 図絵の旅(2) ナチュラルヒストリーとして見る菅江真澄の図絵