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死すべき定め 死にゆく人に何ができるか
¥3,080
著者:アトゥール・ガワンデ 訳者:原井宏明 発行元:みすず書房 312ページ 193mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 今日、医学は人類史上かつてないほど人の命を救えるようになった。しかし同時に、人はがんなどの重篤な病いと闘う機会が増え、寿命が飛躍的に延びた。老人ホームやホスピスなど家族以外の人々も終末期に関わるようになり、死との向き合い方そのものが変わってしまったのである。この「新しい終末期」において、医師やまわりの人々、そして死にゆく人に何ができるのだろうか? インドの田舎町で長老として過ごすおじいさん、子供と離れて一人で都会的な生活を送るおばあさん、母親になってすぐに末期がんと向き合う女性……。本書の著者アトゥール・ガワンデは、外科医としていくつもの最期の決断に立ち会い、家族として決断に迫られる。ガワンデが直面する医療にできること、できないこととは——。 現役外科医にして「ニューヨーカー」誌のライターである著者が描く、迫真の人間ドラマ。人生の終盤をよりよくするために奔走した人々のエピソードが圧倒的な取材力と構成力で綴られた本書は、読む者に自らの終末期の選択について多くの問いを投げかけるだろう。 終末期をどう生き、最期の時をどう迎えるのか。私たちは豊かに生きることに精いっぱいで、「豊かに死ぬ」ために必要なことを、こんなにも知らない——。 【目次】 序 1 自立した自己 2 形あるものは崩れ落ちる 3 依存 4 援助 5 よりよい生活 6 定めに任せる 7 厳しい会話 8 勇気 エピローグ
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誰がために医師はいる
¥2,860
SOLD OUT
著者:松本俊彦 発行元:みすず書房 232ページ 193mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ある患者は違法薬物を用いて仕事への活力を繋ぎ、ある患者はトラウマ的な記憶から自分を守るために、自らの身体に刃を向けた。またある患者は仕事も家族も失ったのち、街の灯りを、人の営みを眺めながら海へ身を投げた。 いったい、彼らを救う正しい方法などあったのだろうか? ときに医師として無力感さえ感じながら、著者は患者たちの訴えに秘められた悲哀と苦悩の歴史のなかに、心の傷への寄り添い方を見つけていく。 同時に、身を削がれるような臨床の日々に蓄積した嗜癖障害という病いの正しい知識を、著者は発信しつづけた。「何か」に依存する患者を適切に治療し、社会復帰へと導くためには、メディアや社会も変わるべきだ――人びとを孤立から救い、安心して「誰か」に依存できる社会を作ることこそ、嗜癖障害への最大の治療なのだ。 読む者は壮絶な筆致に身を委ねるうちに著者の人生を追体験し、患者を通して見える社会の病理に否応なく気づかされるだろう。嗜癖障害臨床の最前線で怒り、挑み、闘いつづけてきた精神科医の半生記。 [月刊「みすず」好評連載を書籍化。精神科医による迫真のエッセイ] 【目次】 「再会」――なぜ私はアディクション臨床にハマったのか 「浮き輪」を投げる人 生きのびるための不健康 神話を乗り越えて アルファロメオ狂騒曲 失われた時間を求めて カフェイン・カンタータ 「ダメ。ゼッタイ。」によって失われたもの 泣き言と戯言と寝言 医師はなぜ処方してしまうのか 人はなぜ酔いを求めるのか あとがき 参考文献 *********************** 店主コメント *********************** 「この世には、『良い薬物』も『悪い薬物』もなく、あるのは薬物の『良い使い方』と『悪い使い方』だけである」 精神科医であり薬物依存症に詳しい著者の経験談は、薬が諸刃の剣であることを読者に改めて教えてくれます。「薬物は「使い方」次第ということなのですが、やはり一筋縄では行かない問題が絡み合っています。依存する人のメンタルや生活環境など個人的な側面、そして薬物と使用者に対する偏見や間違った認識といった社会的側面など・・・。 薬物と真摯に向き合ってきた著者の半生は、エッセイとして非常に読みごたえがあります。
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精霊に捕まって倒れる 医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突
¥4,400
著者:アン・ファディマン 訳者:忠平美幸/斎藤慎子 出版社:みすず書房 448ページ 188mm × 131mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 生死がせめぎ合う医療という場における異文化へのまなざしの重さを、感性豊かに、痛切に物語る傑作ノンフィクション。 ラオスから難民としてアメリカに来たモン族の一家の子、リア・リーが、てんかんの症状でカリフォルニア州の病院に運ばれてくる。しかし幼少のリアを支える両親と病院スタッフの間には、文化の違いや言語の壁ゆえの行き違いが積もってしまう。 モン族の家族の側にも医師たちの側にも、少女を救おうとする渾身の努力があった。だが両者の認識は、ことごとく衝突していた。相互の疑心は膨れ上がり、そして──。 著者は、医師たちが「愚鈍で感情に乏しい、寡黙」と評したリアの両親やモンの人びとから生き生きとした生活と文化の語りを引き出し、モン族の視点で見た事の経緯を浮かび上がらせる。その一方で医師たちからもこまやかな聞き取りを重ね、現代的な医療文化と、それが医療従事者に課している責務や意識が、リアの経過にどう関わっていたかを丹念に掘り起こしている。 本書の随所に、異文化へのアプローチの手がかりがある。原書は1997年刊行以来、アメリカで医療、福祉、ジャーナリズム、文化人類学など幅広い分野の必読書となった。医学的分類の「疾患」とは異なる「病い」の概念も広く紹介し、ケアの認識を変えたとも評される。全米批評家協会賞受賞作。 【目次】 はしがき モン語のローマ字表記のしかたと発音および モン族の会話引用文について 第一章 誕生 第二章 魚のスープ 第三章 精霊に捕まって倒れる 第四章 医者は脳みそを食べるのか? 第五章 指示どおりに服用すること 第六章 高速脳皮質間鉛療法 第七章 政府のもの 第八章 フォアとナオカオ 第九章 少しの薬と少しの〈ネン〉 第一〇章 戦い 第一一章 重大な発作 第一二章 逃走 第一三章 コードX 第一四章 人種の坩堝 第一五章 金とがらくた 第一六章 なんだってまたマーセドに? 第一七章 八つの問い 第一八章 命か魂か 第一九章 供犠 15周年記念版に寄せて 謝辞 解説(江口重幸) 情報源について 索引