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アリの放浪記 多様な個が生み出す驚くべき社会
¥3,190
SOLD OUT
著者:オドレー・デュストゥール/アントワーヌ・ヴィストラール 訳者:丸山 亮 監修:丸山 宗利 発行元:山と渓谷社 408ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** いざ、アリの眼から見る世界へ! あなたが一匹のアリを踏みつぶしたとき、一遍の叙事詩が終わりを告げる。 世界的アリの研究者二人による全仏ベストセラー 本書は、地球上に2万種存在するともいわれているアリの専門家であるオドレー・デュストゥールとアントワーヌ・ヴィストラールの二人が、アリの魅惑的な社会生活を紹介した、わくわくするようなアリの一大放浪記だ。 焦点を当てるのは、個体の5~10%しかいない巣の外に出て食べ物を探し求めるアリ「採餌アリ」で、コロニー全体の食料供給を担っている。そのアリたちは、クロールで水辺を渡る水泳選手、仲間を救助し治療する看護師、地下でキノコを栽培する造園家、敵を巻き込んで自爆する特攻隊、空中を舞って落下するグライダー部隊などなど、とても多様な社会的カテゴリを有する。 アリたちの視点で世界を見ることで、自分たちの社会構造や自然との付き合い方を問い直す一冊だ。 【目次】 はじめに 序章 放浪記のヒロインたち/コロニー、超個体、集合知 第一の試練 巣を出て、方向を見定める 森の呼び声/ダーティ・ダンシング/われを慕うものはわれに従え/道をたどる/悪銭身につかず? 第二の試練 食糧を見つけ出す 芳香/プレデター/無慈悲な襲撃/待ち伏せ/罠 第三の試練 食糧を育てる 恵みの収穫/キノコひとすじ/善悪の園/危険な関係/愛と宿命の泉/潜水服は蝶の夢を見る 第四の試練 食糧を運ぶ 重量挙げ/指輪の仲間/悪魔のいけにえ/盗まれた口づけ/現金輸送車/ハチミツとスポンジ 第五の試練 環境に適応する 砂丘/風と共に去りぬ/流れに逆らって/メデューズ号のいかだ/二つの岸を結ぶ橋/大都市(メトロポリス) 第六の試練 他者を利用する 寄生虫/ストックホルム症候群 第七の試練 縄張りを守る 身近な敵/無蟻地帯(ノー・アンツ・ランド)/ファイトクラブ 第八の試練 外敵から身を守る スカイフォール/ジョーズ/鬼の訪問/カミカゼ/生ける屍 第九の試練 攻撃する・反撃する 恐れ慄いて/ロボコップ/人食いハンニバル 第一〇の試練 選択し、最適化する アリアドネの糸/オン・ザ・ロード・アゲイン/二車線道路/栄光の道 第一一の試練 救助し、治療する ライフガード/パルナサス博士の鏡 最後の試練 死 死につきまとわれて おわりに 翻訳家あとがき 参考文献
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わたしの農継ぎ
¥1,980
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著者:高橋久美子 発行元:ミシマ社 240ページ 188mm × 130mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 稼ぐためではなく、風景や知恵や種を、受け継ぐために。 地元(愛媛)では農、東京では作家。 チームで畑をして、ときにバンド活動も。 模索した、新しい農のかたち。 農業にかぎらず、あらゆる分野で継承の問題に奮闘する方たちへ贈る一冊。 ------------------------------------------ ――本文より―― その人の人生の一部に土があるということ。それは農業うんぬんの前に、生きることや生命のルーツを知ることにもなると思う。自分の食べるものを自分で採取するという行為は、あまりにも現代人の生活に欠けていて、それなのにあまりにも生物の根本だった。 畑は、本当は世界で一番豊かな作業場だ。忘れがちだけど、宇宙にいつも触れることができるのだから。さまざまに五感を刺激され、それを音楽とか詩に昇華し、畑帰りに曲を作り歌う日もある。 私たちのように職は別に持ち、自給自足+αを目指して活動する農家が、もっといてもいいはずだ。そして、やれなくないよ、とここに記したい。 ------------------------------------------ 【目次】 2022.01~03 冬 木と人の世代交代 2022.03~05 春 動物たちとどう生きるか 2022.06~08 夏 真剣な遊びとしての畑 2022.09~11 秋 お百姓は忙しすぎる 2022.12~2023.02 冬 黒糖作りを継ぐ 2023.03~05 春 農業は半分が土木 2023.07~08 夏 チームでする農業 2023.09~11 秋 わたしの農継ぎ 2023.12~2024.02 冬 石積みを継ぐ
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その日暮らし
¥1,760
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著者:坂口恭平 発行元:palmbooks 166ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ずっと向き合えずにいた寂しさの正体がわかったことで、 僕ははじめて、自分を信頼できるようになった。 コロナ禍にはじめた畑。熊本の土地とたいせつなひとたちとの出会い。うれしさも苦しさも分かち合える家族との昼夜をへて、僕は自分のなかにいた、もうひとりの大事にすべき存在と出会った。日々を綴るエッセイの先に待つ、あらたな境地へといたる生の軌跡。 【目次】 畑をはじめて/四年目の畑/安全地帯/ふたりとの出会い/無償で助け合う/外の世界に夢中/鬱は大事な休息/先祖めぐり その一/先祖めぐり その二/先祖めぐり その三/生きるための絵/背中を押された娘の言葉/自分を褒める習慣/ゲンの背中を掻く毎日/アオにマッサージをする夜/不知火忌/その人の「町」/泉との出会い その一/泉との出会い その二/わらしべ長者/ゲンと虫歯/両親と小旅行/助けた亀は戻ってくる/建てない建築家/ゲンの良いところ/人生に無駄なし/プライベートパブリック/声を拾い集める/師匠の見つけ方/新しい病院の設計/海から呼ばれている/親友の優しさ/アオのアドバイス/やるだけやって怒られる/絶対に大丈夫/子どもが一番の薬/伯母が歩いた/イスタンブールは実家/自殺者をなくす方法 その一/自殺者をなくす方法 その二/ピザ修業でナポリへ/学校に行かない君へ/創作すること/鬱になる/脆弱だからこそ持続する/興味はないのか?/思いつきノート/手に預ける/助けてくれるみなさんへ/寂しさが笑顔に変わる あとがき
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センス・オブ・ワンダー
¥1,980
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著者:レイチェル・カーソン 訳者:森田真生 発行元:筑摩書房 184ページ 194mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「ここにきてよかったね」 この星はすべての生命を祝福している。 世界的ベストセラー『センス・オブ・ワンダー』待望の新訳 さらにその未完の作品を今京都から書き継ぐ 先駆的に化学物質による環境汚染を訴え、今に続く環境学の嚆矢ともなった『沈黙の春』の著者であり科学者であるレイチェル・カーソン。そのカーソンの最後に遺した未完の作品が『センス・オブ・ワンダー』だ。 本書は独立研究者・森田真生による新訳と、「その続き」として森田が描く「僕たちの『センス・オブ・ワンダー』」で構成する。カーソンが残した問いかけに応答しつつ、70年後の今を生きる森田の問題意識に基づいた、新しい読み解き、新しい人間像の模索を行う。 *********************** 店主コメント *********************** 海洋生物学者 レイチェル・カーソンによる未完の名著。 自然の神秘を次世代に教え伝えることの大切さが綴られたエッセイです。 今年3月に筑摩書房から刊行された新訳版は、「独立研究者」として活動する森田真生が邦訳。そして、京都に舞台を移し『センス・オブ・ワンダー』を書き継ぐことで、さらなる世界の広がりを見せています。
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デレク・ジャーマンの庭
¥4,180
著者:デレク・ジャーマン 写真:ハワード・スーリー 訳者:山内朋樹 発行元:創元社 237mm × 173mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 不朽の名作 『Derek Jarman's Garden』が、 製版のデジタルリマスターにより、 約30年ぶり待望の新訳復刊! 〈没後30年記念出版〉 * 映像作家デレク・ジャーマンの 詩的でクィアな庭づくり 〈庭の生と死が、いつしか 「ぼく」の生と死を映し出す——〉 * 1994年、AIDSでこの世を去った 映像作家のデレク・ジャーマン。 彼は晩年、イギリス南東部の最果ての岬、 原子力発電所にほど近いダンジネスに移り住む。 死の直前まで慈しみ育て続けた プロスペクト・コテージの庭は、 いつしか彼の生と死を映し出し——。 写真家ハワード・スーリーの 美しい写真とともに綴られる、 ジャーマンの穏やかな日々と 秘められた激情。 庭や植物、友人たちや恋人たち、 自身の病と死について—— 生前最後のエッセイを、 美学者であり庭師でもある訳者によって、 ついに新訳復刊!
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自然をこんなふうに見てごらん 宮澤賢治のことば
¥2,090
著者:澤口たまみ 発行元:山と渓谷社 208ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 木の芽の宝石、春の速さを見る、醜い生きものはいない、風の指を見る、過去へ旅する… 自然をこんなふうに感じとってみたいと思わせる、宮澤賢治の57のことばをやさしく丁寧に紐といた一冊です。 「銀河鉄道の夜」も「注文の多い料理店」も、宮澤賢治は、おはなしの多くを自然から拾ってきたといいます。 それらの言葉から、自然を見る視点の妙や魅力をエッセイストの澤口たまみさんが優しくあたたかな目線で綴ります。 読めばきっと、こういうふうに自然を感じとってみたい、こんなふうに季節を楽しみたい、と思わせてくれるはずです。 【目次】 プロローグ 宮澤賢治が教え子たちに伝えたこと パート一 立ち止まってみる そばにある感動を見つける パート二 感動するこころと向き合って 発見を言葉にする パート三 新たな発見に出会う 視野を広げて パート四 つまらないものはない 先入観を捨ててみる パート五 暮らしとともにある自然 よりよく自然とつき合う パート六 自然を見つめるこころ 幸せを願う エピローグ 宮澤賢治が遺した、もうひとつの思い
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WORKSIGHT ワークサイト 17号
¥1,980
SOLD OUT
編者:WORKSIGHT編集部 発行元:コクヨ株式会社 販売元:学芸出版社 128ページ(カラー40ページ) 224mm × 152mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 植物・庭を手がかりに考察する「ベジタル(植物的)な未来」 動きもしない。語りもしない。感情ももたない。そんな「生き物」と、人間はいかにして向き合うことが可能なのか。最も身近でありながら、最も遠い生き物との関係を考えるために、これまでとは異なる人間観や倫理が、わたしたちには必要なのかもしれない。植物・庭を手がかりに「ベジタル(植物的)な未来」を考察してみる「WORKSIGHT」リニューアル第1弾。 【目次】 ◎倫理-植物の報せ 絵・写真・文=岡﨑乾二郎 ◎巻頭言・あらたな隣人 文=山下正太郎 ◎プランツケアの哲学 「人間中心」を越えるための植物談義 ◎植物こそ魂の核心 聖ヒルデガルトの植物的サイコ・フィジオ神学 文=マイケル・マーダー ◎未来はベジタル 植物哲学者マイケル・マーダーとの対話 ◎香り、夜 写真=アナイス・トンデュール ◎植物の感じ 画=小橋陽介 ◎木は呼吸しつづける 飛騨の異色木工作家・牧野泰之の挑戦 ◎境域に咲く花 レベッカ・ソルニット最新刊『オーウェルの薔薇』を読む 文=畑中章宏 ◎ベジタルな未来を読みとくブックガイド WORKSIGHT編集部が選ぶ必読の81冊 ◎ルーテッド 写真=ヘンク・ヴィルスフート ◎庭師のように考えよ ブライアン・イーノと考えたストリートデザインの新原則 文=ダン・ヒル
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すばらしい季節
¥1,650
SOLD OUT
著者:ターシャ・テューダー 訳者:末盛千枝子 発行元:現代企画室 36ページ 240mm × 182mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ターシャ・テューダーの魅力が詰まった幻の名作、待望の復刊! 農場で暮らす女の子、サリーの四季には 懐かしい感じのする「幸せ」がたくさんあります。 この絵本のサリーは、あなたのことなのかもしれません。 農場で暮らす女の子、サリーは春の色をみて、夏の匂いをかぎ、秋を味わい、冬に触れ、からだじゅうで四季を感じて日々を過ごしています。五感のすべてで季節を感じること幸せを描いたこの絵本は、没後6年、いまなお多くの女性たちの心をとらえて離さない、ターシャ・テューダーの原点ともいえる作品です。
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生物から見た世界(岩波文庫)
¥858
著者:ユクスキュル/クリサート 発行元:岩波書店 166ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 甲虫の羽音とチョウの舞う、花咲く野原へ出かけよう。生物たちが独自の知覚と行動でつくりだす〈環世界〉の多様さ。この本は動物の感覚から知覚へ、行動への作用を探り、生き物の世界像を知る旅にいざなう。行動は刺激への物理反応ではなく、環世界あってのものだと唱えた最初の人ユクスキュルの、今なお新鮮な科学の古典。 【目次】 まえがき 序章 環境と環世界 一章 環世界の諸空間 二章 最遠平面 三章 知覚時間 四章 単純な環世界 五章 知覚標識としての形と運動 六章 目的と設計(プラン) 七章 知覚像と作用像 八章 なじみの道 九章 家(ハイム)と故郷(ハイマート) 一〇章 仲間 一一章 探索像と探索トーン 一二章 魔術的環世界 一三章 同じ主体が異なる環世界で客体となる場合 一四章 結び 訳者あとがき(日高敏隆)
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作家と猫
¥2,090
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編者:平凡社編集部 発行元:平凡社 304ページ 180mm × 132mm ソフトカバー ~出版社紹介文より~ 今も昔も、猫は作家の愛するパートナー。 昭和の文豪から現代の人気作家まで、49名によるエッセイ、詩、漫画、写真資料を収録。笑いあり、涙ありの猫づくしのアンソロジー! 【目次】 Ⅰ 猫、この不可思議な生き物 猫の定義と語源 佐野洋子 『猫ばっか』より二編 串田孫一 猫 日髙敏隆 ネコとドア 手塚治虫 「動物つれづれ草」より「ネコ」 室生犀星 ネコのうた まど・みちお ネコ 和田誠 桃代 岩合光昭 ネコの時間割/かわいいのに撮れない 出久根達郎 猫の犬 Ⅱ 猫ほど見惚れるものはない 向田邦子 マハシャイ・マミオ殿 寺山修司 猫の辞典 尾辻克彦 黒猫が来た 開高健 猫と小説家と人間 萩原朔太郎 青猫 伊丹十三 わが思い出の猫猫 洲之内徹 長谷川潾二郎「猫」 中島らも 『中島らものもっと明るい悩み相談室』より 妻とオス猫への嫉妬で狂いそう 松田青子 選ばれし者になりたい 近藤聡乃 猫はかわいい Ⅲ いっしょに暮らす日々 武田百合子 『富士日記』より 金井美恵子 猫と暮らす12の苦労 石牟礼道子 愛猫ノンノとの縁 大佛次郎 暴王ネコ 永六輔 猫と結婚して 南伸坊 わたしがやってんですよ いがらしみきお 猫よ猫よ猫よ 小松左京 猫の喧嘩 小沢昭一 老猫・ボロ猫・愛猫記 春日武彦 猫・勾玉 工藤久代 野良猫と老人たち やまだ紫 山吹 Ⅳ 猫への反省文 幸田文 小猫 石井桃子 愛情の重さ 梅崎春生 猫のことなど 石垣りん 白い猫 室生朝子 優雅なカメチョロ Ⅴ 猫がいない! 内田百閒 迷い猫の広告 石田孫太郎 猫の帰らぬ時の心得 岡倉天心/大岡信 訳 親愛なるコーちゃん 武田花 雲 三谷幸喜 「おっしー」を抱いて……/最期に見せた「奇跡」 井坂洋子 黒猫のひたい 吉本隆明 一匹の猫が死ぬこと/自分の「うつし」がそこにいる 夏目漱石 猫の死亡通知 Ⅵ 猫的生き方のススメ 田村隆一 カイロの猫 水木しげる 猫の道 養老孟司 猫派と犬派の違いについて 谷崎潤一郎 客ぎらい 平岩米吉 絵画にあらわれた日本猫の尾についての一考察
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ヘビーデューティーの本(ヤマケイ文庫)
¥935
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著者:小林 泰彦 発行元:山と渓谷社 304ページ 文庫判 148mm × 105mm ~出版社紹介文より~ 1970年代のアウトドアブームの発端はアメリカのアウトドアファッションやアウトドアグッズ。 当時「POPEYE ポパイ」「MEN'S CLUB メンズクラブ」などでブームをリードしたのが小林泰彦氏、 1977年発行『ヘビーデューティーの本』は「MEN'S CLUB メンズクラブ」の掲載記事を中心にまとめられたもの。 当時の生の雰囲気を伝える本としても、『遊歩大全』『バックパッッキング入門』マニアの人気がとても高く、古本市場でも高値で貴重な存在。 豊富なイラストで現代の読者でも楽しく読める内容である。 雑誌中心に当時を振り返る記事が増えている現在、興味を持たれる読者は多いのではないだろうか。 1970年代~のアウトドアファッションやグッズを懐古するためにも最適・最良の本。 -------------------------------------------------------- ~店主コメント~ 1977年に婦人画報社から発行され現在は入手困難な『ヘビーデューティーの本』を再構成し文庫化。コーディネートのスナップ写真などはカットされていますが、内容は概ね当時のままです。 アウトドア系のヴィンテージ古着が好きなら必携の1冊。本書に掲載されているアウトドア系ブランドのリストは、マニアックなブランドまで網羅されています。これを見れば古着屋巡りが楽しくなるかも?
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庭仕事の愉しみ(草思社文庫)
¥1,100
著者:ヘルマン・ヘッセ 編者:フォルカー・ミヒェルス 訳者:岡田朝雄 発行元:草思社 384ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 庭仕事は瞑想である — ドイツの文豪ヘルマン・ヘッセは後半生、執筆以外の時間をほとんど自分の庭で過ごした。 ヘッセは庭仕事の中に尽きぬ愉しみを見いだし、のちに彼の文学へと結実する様々な秘密を発見した。自筆水彩画と在りし日のヘッセの写真を多数掲載。ヘッセが庭から学んだ自然と人生の叡智を詩とエッセイに綴った書である。 *********************** 店主コメント *********************** 庭仕事をとおして行われる思索、そこから生まれる心情や思想がエッセイと詩に表現されている。 庭の植物、昆虫、庭仕事の道具、そして飼い猫に対するヘッセの眼差しには、家族に抱く愛情と変わらない温かさがあります。
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動物たちの家
¥3,080
著者:奥山淳志 発行元:みすず書房 320ページ 188mm × 130mm ハードカバー ~出版社紹介文より~ 「この後、犬をはじめハムスターや野鳥や鳩やインコなどたくさんの生き物と暮らすことになるが、思えばこれが自分以外の小さな生命を胸で感じた最初の瞬間だったのかもしれない。子犬を抱き上げて力強い鼓動を感じ、小さな瞳を見つめたあの日の経験は知らぬ間に僕の胸のうちに“場所”を生んだのだと、今の僕は感じている。 それは、小さな生命が灯す光に照らされた場所だ。とてもきれいな場所だけれど、美しさだけに包まれているものでもない。生きることの根源的な残酷さや無常を孕み、もしかしたら小さな生命たちの墓所のような地なのかもしれない。僕が過去に出会い、ともに過ごした生き物たちはみなその生を終えてしまっている。僕の前で確かに存在していたあの生命たちはどこに消えてしまったかと、ときおり、遠い日に忘れてしまったものを急に思い出したかのような気持ちになる。でも、あの美しい針が居並ぶような艶やかな毛並みも、鮮やかな色彩のグラデーションが施された柔らかな羽毛も、ひくひくと震え続ける桃色の鼻先も、僕を満たしてくれた小さな生き物たちの存在は確かに消えてしまっていて、どこを見回しても見当たらない。それでも根気強く探し続けると最後にたどり着くのは、いつも胸のうちにあるこの“場所”だ」(本文より)
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庭仕事の真髄
¥3,520
著者:スー・スチュアート・スミス 訳者:和田佐規子 発行元:築地書館 416ページ 188mm128mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「サンデータイムズ」ベストセラー タイムズ紙、オブザーバー紙「今年読むべき1冊 2020年」に選出 人はなぜ土に触れると癒されるのか。 庭仕事は人の心にどのような働きかけをするのか。 世界的ガーデンデザイナーを夫にもつ精神科医が、 30年前に野原に囲まれた農家を改造した家で、 夫とともに庭づくりを始めてガーデニングにめざめ、 自然と庭と人間の精神のつながりに気づく。 バビロンの空中庭園、古代エジプトの墓に収められた種の意味、 戦争中の塹壕ガーデン、ニューヨーク貧困地区のコミュニティーガーデン、 刑務所でのガーデニングの効果、病院における庭の役割。 さまざまな研究や実例をもとに、 庭仕事で自分を取り戻した人びとの物語を描いた全英ベストセラー。 【目次】 第1章 始まり ガーデニングとの出会い 自然との対話 庭で心を見つける 喪失からの回復──ワーズワースと妹にとっての庭 自然と家の中間地帯 愛着と喪失──安全な避難場所としての庭 生命を再生する場 第2章 緑の自然と人間の中にある自然 宗教とガーデニング 植物を通して生命の循環につながる──破壊・修復・愛 脳を耕す 変化と再生のメッセージ 園芸療法の始まり 『大いなる遺産』──小さな自然の再生 第3章 種と自分を信頼すること 人を夢中にさせるもの ほどほどの幻想──学習障害と自尊心と庭 ライカーズ刑務所の試み 犯罪から立ち直る──持続可能なガーデニングは生きる規範に 種を蒔く──未来の可能性の物語 第4章 安全な緑の場所 囲われた安全な場所 植物のもたらす抗ストレス効果 植物の世話に没入するということ 庭の3つの効果──太陽光・運動・土との触れ合い 樹木と復員兵士 ユーカリとの友人関係が人生肯定の助けに 第5章 街中に自然を運びこむ 都市と庭園 心の健康と都市の緑 野生で生きるための集中力 植物は弱いけれど前向きなんだ──優しく導くもの 田舎のネズミと町のネズミ──住環境と精神 第6章 ガーデニングのルーツを探る 人類初のガーデニング 持続可能な共生関係──農耕する生き物たち 庭の起源 パプアニューギニア、トロブリアンドの人々の庭づくりと儀式 狩猟採集民と自然 入植者には見えない生態系 マオリの洗練された園芸 最古の神話に記された庭──古代シュメール 自然界とのギブアンドテイク 第7章 花の力 花を愛するということ 花と昆虫の共進化 記憶と連想 人が花に惹かれるようになったわけ フロイトの夢判断と花 死を悼むことと春がめぐりくること 生の本能(エロス)と死の本能(タナトス) 人生を変えたサボテン 第8章 ラディカルな食料栽培 労働者がもたらしたオーリキュラ栽培 町中が食べられる庭──インクレディブル・エディブル ケープタウンの都市農園 緑の反逆者──フード・デザート(食料砂漠)脱却をめざして グリーン・ゲリラ──ニューヨークの空き地をコミュニティ・ガーデンに 都市の緑化と犯罪 貧困地区の若者向けのガーデニング 植物が子どもたちをエンパワーメントする 第9章 戦争とガーデニング 西部戦線の塹壕ガーデン 心の幻影に向き合う 祖父テッドの捕虜体験 復員兵士の回復・再建と農業・園芸 第10章 人生の最後の季節 人は死すべき運命にある──生命の連鎖 死と宗教と植物 死の恐怖からの再生 老いと庭仕事 フロイトの花への愛 終生、庭とともにあったフロイト 第11章 庭の時間 庭時間のリズムに従う 庭で自分の時間を取り戻す──燃えつき症候群 心と身体の調和──庭を世話することで自分の感情とつながる 植物の成長と時間感覚の変化 負のスパイラルからの脱却 今を生きる力を引き出す 第12章 病院からの眺め 花や窓の外の緑が治療を助ける──ナイチンゲール 感情移入 窓の外の1本の木との出会い 病院に庭を──普通の暮らしに戻れる場所 園芸療法の庭──利用する人に合わせてタイプの違う庭をつくる 第13章 緑の力 自然の一部としての庭 庭を耕す──人生とコミュニティと環境をつむぎ出す 謝辞 訳者あとがき 索引 原著注・引用文献 *********************** 店主コメント *********************** ガーデニングが人間に与える効能について、精神科医の著者が様々な事例を挙げながら詳らかにしていきます。 紹介される事例は、園芸療法の臨床研究や治療者へのインタビュー、歴史的視点、さらには人類学的研究など多岐にわたります。それらの事実が示すガーデニングの効果は、自己肯定感の芽生え、ストレス軽減、コミュニティの創生など私たちの想像をはるかに超えるものです。 ガーデニングの底知れぬ影響力に興味が尽きない一冊。
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旅をする木 (文春文庫)
¥704
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著者:星野道夫 発行元:文藝春秋 256ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** 広大な大地と海に囲まれ、正確に季節がめぐるアラスカで暮すエスキモーや白人たちの生活を独特の味わい深い文章で描くエッセイ集 *********************** 店主コメント *********************** 写真家としてアラスカの大自然やそこに棲む動物たちの写真を撮り続けた星野道夫。 自然の雄大さを物語る写真の他に、エッセイストとして彼は素晴らしい文章を残しています。 社会や個人の意識が、あまりにも人間中心に偏り過ぎているのではないか。 人間以外の生き物たちが、世界の至る所で自分とは別のもう一つの時間を過ごしながら営みを築いている。 星野道夫の文章はそのようなことを思い出させてくれます。
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自然は導く 人と世界の関係を変えるナチュラル・ナビゲーション
¥3,960
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著者:ハロルド・ギャティ 訳者:岩崎晋也 出版社:みすず書房 288ページ 188mm × 128mm ハードカバー ~出版社紹介文より~ 本書は彼が遺したナチュラル・ナビゲーション入門書。 必要なのは才能ではなく、誰もが「わずかな練習をするだけで、自然のしるしを道路標識と同じように間違いなく読みとれるようになる」と説く。英語圏では1958年から愛読され、「時を経るにつれて重みを増す」とも評される本である。 「まっすぐに歩くには」といった基本から、波のうねりさえも読みとくミクロネシア人の海上ナビゲーションのような驚嘆の技術まで──世界中の自然のしるしが話題にのぼり、それらを巡りながら五感の使い方を再発見させられるよう。 ギャティの贅肉のない文章は、自然に対する畏敬と、いにしえの探検家たちや世界各地の先住民族の叡智への敬愛に貫かれている。読み終えないうちから、すぐにも外に出て自然物との新しい関係を始めたくなる。 【目次】 はじめに 1 自然は導く 2 昔の人類はいかにして旅をしたか 3 第六感は存在するか 4 円を描いて歩く 5 まっすぐに歩く 6 耳を使う 7 嗅覚を使う 8 空への反射──動かない雲についての注記 9 風向き 10 太陽と風がもたらす効果 11 樹木や、その他の植物 12 蟻塚の道しるべ 13 砂漠で 14 極地で 15 丘と川 16 距離を推測する 17 都市で 18 スポーツとしてのオリエンテーリング 19 波とうねり 20 海の色 21 海鳥の生態 22 月が告げること 23 太陽から方角を知る 24 星から方角を知る 25 星から時間を知る 太陽方位角の簡易表 謝辞 ナビゲーターたちのプリンス──訳者あとがきにかえて