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野生のしっそう

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著者:猪瀬浩平
発行元:ミシマ社
304ページ
ソフトカバー

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  出版社紹介文より
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知的障害があり自閉症者でもあるが、さまざまな鋭さをもった兄。障害がないとされているが、さまざまないびつさをもった弟(著者)。世間には、この兄と弟を切断する「ものの見方」があたりまえに存在する。

しかし、その分断をすり抜けてしまうある出来事が起こった。
2021年3月、緊急事態宣言の下、兄は突然しっそうする――
どこへ向かったのか? なぜしっそうしたのか?
その道筋を辿りながら見えてきたのは、兄の「たたかわない」術だった。

外なる他者、遠くの他者を扱ってきた文化人類学に、あらたな道を拓く実践の書!
「障害とともにある人類学」から始まり、「内なる他者」を対象とした人類学へと展開する、あたらしい学問のあり方。

【目次】
はじめに しっそうのまえに

第一章 沈黙と声
たたかわないこと、しっそうすること/三月下旬 午前二時半に走り出す/カタリナの構え/黙禱と叫び 1/黙禱と叫び 2

第二章 蜜柑のはしり
ズレと折り合い/いくつかの死と/いくつもの死と/対面とリモート/夏みかんのしっそう/贈与のレッスン

第三章 世界を攪乱する、世界を構築する
ボランティアのはじまり/満月とブルーインパルス、あるいはわたしたちのマツリについて/路線図の攪乱 1/路線図の攪乱 2/トレイン、トレイン

第四章 急ぎすぎた抱擁
父とヤギさん/眠る父/転倒の先/失踪/疾走/旋回としっそう/燕(つばくら)の神話

最終章 春と修羅 

むすびとして うさぎのように広い草原を

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