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いっしょにいきるって、なに? [新版](こども哲学)
¥1,760
著者:オスカー・ブルニフィエ 訳者:西宮かおり 監修:重松清 絵:フレデリック・ベナグリア 発行元:朝日出版社 104ページ 235mm × 183mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** こどもの素朴な「 なぜ? 」は、世界から感じとった不思議をそのまま口に出すもの。大人としては、つい、「そういうものなんだよ」と反応してしまいそうになります。でも、そういう気持ちや不思議さは、既成のことばでは、解決できません。そして、いつでも使える「答え」がないことが、ほとんどです。 本書は、そんなこどもの疑問、大人にとっても超難問の、根源的に大切な問題を、楽しく考えるシリーズです。絵本の中で次々と出会う考え方に、賛成したり、反対したり、その理由を考えたり。家族で、学校で、語り合いながら、新たなページを加えていってください。 考えることは、こどものおもちゃ! ◆この本の6つのテーマ ひとり: ひとりっきりで、生きてゆきたい? そんちょう: どんなときでも、みんなをだいじにするべき? 意見: いつも、みんなとおなじ考え? 平等: ぼくたち、みんな平等? しごと: ぼくたちみんな、はたらかなくちゃいけないの? リーダー: みんなでいっしょに生きてゆくには、リーダーとルールが必要?
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人生って、なに?[新版](こども哲学)
¥1,760
著者:オスカー・ブルニフィエ 訳者:西宮かおり 監修:重松清 絵:ジェローム・リュイエ 発行元:朝日出版社 104ページ 235mm × 183mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** こどもの素朴な「 なぜ? 」は、世界から感じとった不思議をそのまま口に出すもの。大人としては、つい、「そういうものなんだよ」と反応してしまいそうになります。でも、そういう気持ちや不思議さは、既成のことばでは、解決できません。そして、いつでも使える「答え」がないことが、ほとんどです。 本書は、そんなこどもの疑問、大人にとっても超難問の、根源的に大切な問題を、楽しく考えるシリーズです。絵本の中で次々と出会う考え方に、賛成したり、反対したり、その理由を考えたり。家族で、学校で、語り合いながら、新たなページを加えていってください。 考えることは、こどものおもちゃ! ◆この本の6つのテーマ しあわせ: しあわせっておもうのは、どんなとき? 将来のゆめ: いつか、いちばんになれるかな? 不幸: 人生って、なんでつらいんだろう? 存在: どうして、人間は存在するの? 人生の意味: ぼくたち、なんで生きてるの? 死: どうして、ひとは死ぬの?
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第一芸人文芸部 創刊準備二号
¥1,500
編集長:又吉直樹 編集部員:ピストジャム/ファビアン 発行元:ヨシモトブックス 284ページ 173mm × 108mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 又吉直樹率いる「第一芸人文芸部」のメンバーが集まり、又吉自身が編集長を務める文芸誌の創刊準備二号。執筆陣に前号の又吉、ピストジャム、ファビアンに加え、アキナ・山名、フルーツポンチ・村上、トニーフランク、赤嶺総理が参加している。 小説、書評、俳句、エッセイ、短詩など個性豊かな作品を収録。全284ページにもおよぶボリュームたっぷりの仕上がりになっている。 【目次】 ●月の裏側 又吉直樹 ●書評 ピストジャム ●ハチマキ 山名文和 ●俳句と散文 村上健志 ●ショートショートレストラン ファビアン ●歌詞とエッセイ トニーフランク ●分岐文 赤嶺総理
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第一芸人文芸部 創刊準備号
¥1,000
SOLD OUT
編集長:又吉直樹 編集部員:ピストジャム/ファビアン 発行元:ヨシモトブックス 130ページ 173mm × 108mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ピース・又吉直樹が率いる文学好き芸人が集う第一芸人文芸部。 そのメンバーが編集し、執筆する“遊び心と情熱の文芸誌”が誕生。「㐧一芸人文芸部」創刊準備号には、編集長の又吉が自由律俳句とエッセイ9本、部員のピストジャムが書評10本、ファビアンがショートショート5本を書き下ろした。又吉が芸人と文学について綴る編集後記も必読。全132ページにわたり、芸人と文学が遭逢する。 【目次】 ●自由律俳句とエッセイ 又吉直樹 ●書評 ピストジャム 「同志少女よ、銃を撃て」(逢坂冬馬) 「この部屋から東京タワーは永遠に見えない(麻布競馬場) 「あこがれ」(川上未映子) 「人間」(又吉直樹) 「月と散文」(又吉直樹) 「口訳 古事記」(町田康) 「ノルウェイの森」(村上春樹) 「限りなく透明に近いブルー」(村上龍) 「はーばーらいと」(吉本ばなな) 「三体」(劉慈欣) ●ショートショート ファビアン 「地球のねじ」 「オキノピ」 「マイナンバー」 「村の遺酒屋」 「ハンドメイド・ウエディング」
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第一芸人文芸部 俺の推し本。マガジン Vol.1
¥1,000
編集・執筆:ピストジャム/ファビアン 発行元:ヨシモトブックス 163ページ 173mm × 108mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 芸人の心を燃やす60冊の神本 2024年7月にBSよしもとでレギュラー放送が開始されたブックバラエティ「第一芸人文芸部 俺の推し本。」。本好き芸人が集まり、人に薦めたい「推し本」を、舞台でつちかった話術を駆使してプレゼンしあう。 初の公式本となる本書では、番組レギュラーで第一芸人文芸部部員のピストジャムとファビアンの書評を掲載するほか、ピストジャムのエッセイ、ファビアンのショートショートとそれぞれの新作を発表している。 さらに番組1stシーズン全話の映像を視聴できるQRコードも掲載。そこで紹介された作品をリストで総ざらいしつつ、その軌跡をピストジャムとファビアンが振り返る。 爆発力、破壊力、激情……。表現者としての芸人の魂を刺激してやまない60作品を推す。文学と笑いが交錯する、これまでにない書評誌が誕生! 【目次】 ●書評 読後綴り〜波紋 ピストジャム 彬子女王「赤と青のガウン オックスフォード留学記」(PHP研究所) 柞刈湯葉「横浜駅SF」(KADOKAWA) 井上先斗「イッツ·ダ·ボム」(文藝春秋) 円城塔「コード·ブッダ 機械仏教史縁起」(文藝春秋) 太田愛「幻夏」(角川書店) キム·ホヨン「不便なコンビニ」(小学館) 久永実木彦「わたしたちの怪獣」(東京創元社) マット·ヘイグ「ミッドナイト·ライブラリー」(ハーパーコリンズ·ジャパン) 満島ひかり 又吉直樹「軽いノリノリのイルカ」(マガジンハウス) 宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社) ●書評 紙上 詩情 私情 ファビアン 朝井リョウ「桐島、部活やめるってよ」(集英社文庫) さまだまし「眉山」(幻冬舎文庫) 九段理江「東京都同情塔」(新潮社) 呉勝浩「爆弾」(講談社文庫) 筒井康隆「くたばれPTA」(新潮文庫) ●シモキタブラボー!——下北沢で拾い集めた言葉たち ピストジャム ●ショートショート——むかしばなしの向こうがわ ファビアン ●「第一芸人文芸部 俺の推し本。」1stシーズン全15話プレイバック
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巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある
¥1,760
SOLD OUT
著者:古賀及子 発行元:幻冬舎 224ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ノスタルジーと、可笑しみと。 池袋、飯能、日本橋、所沢、諏訪、田園調布、高知、恐山、湯河原……。 自分の中の記憶を、街単位で遡る。そこから掘り起こされる、懐かしいだけでは片付かない、景色と感情。 気鋭のエッセイスト、最新書き下ろし。
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好きよ、トウモロコシ。
¥1,650
著者:中前結花 発行元:hayaoki books 154ページ 182mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 「ほぼ日」「TBSラジオ」「DRESS」などさまざまなWebメディアで大反響! 「ともだちになりたいような本、ここにありますよ」(糸井重里) 「たまご雑炊をレンゲで少しずつ口に運んでるかのような一話一話の味わい。ぼくの大好物です」(麒麟・川島明) 人の心の機微やノスタルジーを繊細に描く文章に定評があり、Webメディアを中心に人気を集めるエッセイスト 中前結花の初エッセイ集。 書き下ろしを含む全14編を収録。 装画、挿絵は、イラストレーターの北村人。 【目次】 「ぼく、賛成です」 赤に光る回鍋肉 わたしのタイプライター 踊るほっぺ ミイラの朝 真夜中はヒーロー プールの底で考え中 ここは下北沢 宇宙のカレ ラジオのスター ホワイトアスパラふたつ ベンッ お住まいはどちら? 好きよ、トウモロコシ。
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また旅2
¥2,200
SOLD OUT
著者:岡本仁 発行元:暮しの手帖社 304ページ 210mm × 148mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 本誌長期連載「また旅。」が単行本になりました。 著者の岡本仁さんが日本各地で見つけた風景、名建築や食べもの、地域の人々との交流など、4世紀96号〜5世紀30号に掲載した旅先より全25編を収録しています。 旅のおともに、ぜひお手元でお楽しみください。 【目次】 十勝へ 伊勢へ つくばへ 庄内へ 久留米へ 沖縄へ 美瑛と美唄 宮崎へ 徳島へ 益子へ 別府へ 志布志へ 房総へ 函館へ 琵琶湖半周 萩、山口へ 多治見、岐阜へ オホーツクへ 仙台へ 弘前へ 姫路へ 番外編 もってこ~い もってこい 番外編 アントニン&ノエミ・レーモンド 番外編 掛井五郎さんの彫刻 初出一覧 あとがき
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猫マッチラベル図録
¥2,970
著者:加藤豊/板東寛司 発行元:風呂猫 240ページ 210mm × 148mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** レトロ・アートな猫マッチラベル、約2000点収録! 商標登録の燐票から広告マッチ、趣味の木版ラベル、アーチストの創作猫マッチラベル、世界の猫ラベルまで。 猫のマッチラベルの全てがこの一冊に・・・ 猫好き、アート好き、レトロ好きには堪らない! 2025年「国産マッチ創業150年」「昭和100年」記念出版! 【目次】 1 猫の商標マッチ 猫ノ歩行スル圖/招き猫/猫と鼡/猫と犬/猫と鳥/猫になつた虎/物語の猫/長靴をはいた猫/音楽猫/猫のお茶会/働く猫/天秤猫/遊ぶ猫/テニス猫/鞄猫/黒 猫/ハイカラ猫/仲良し猫/鞠 猫/逆立猫/岩上猫/猫柄登録商標 全77 2 猫の趣味木版 木版個人票/燐猫会/燐票蒐集同好会 3 猫の広告マッチ① 猫広告文案/関東の星座銀座クロネコ/新更の銀座クロネコ/全国Cafeクロネコ巡り/カフェ/カフヱーシャボテヱ/キャバレー クラブ/バー/グランド サロン スタンド/割烹 居酒屋/喫茶と洋酒 /タバコ マッチ /NIKKO vs CRAVEN/純喫茶/喫茶/Tea Room/喫茶と菓子/マリヤ/食堂/洋食 レストラン/旅館/食堂/梅の家 ホテル/Music/招き猫/目呂二と招き猫/玉猫/玉突 ゲーム/商店/日本のFelix/猫柄いろいろ/名入れ猫 4 猫の広告マッチ② 写真/イラスト/店名/キャラクター/ロゴマーク 5 猫の外国マッチ●アメリカ/インド/オーストリア/オランダ/カナダ/スイス/スウェーデン/スペイン/ソ連(旧ソ連)/チェコ/中国/デンマーク/ドイツ/ハンガリー/フィンランド/フランス/ベルギー/ポーランド/ポルトガル/旧ユーゴスラビア/イギリス/イタリア/イラン/フィリピン/ベトナム/台湾 6 猫のアートマッチ アーチスト53人による創作猫マッチラベル 【コラム等】 ●マッチの知識 ●猫のマッチラベル年表
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地球と書いて〈ほし〉って読むな
¥1,980
SOLD OUT
著者:上坂あゆ美 発行元:文藝春秋 192ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 第一歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』でデビューした新世代歌人のパンチラインが炸裂する初エッセイ集。 不倫にギャンブルにやりたい放題の末、家族を捨ててフィリピンに飛んだ“クズ”の父、女海賊のように豪快で腕っぷしの強い母、ギャルでヤンキーでトラブルメーカーの姉、そして真実を執拗に追求するあまり人間関係において大事故を起こしてきた私…… 数々の失敗を繰り返しながらようやく最近“人間”になってきた著者のこれまでを赤裸々かつユーモラスに物語る。
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花火と残響
¥1,870
著者:ササキアイ 発行元:hayaoki books 138ページ 182mm × 115mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 誰にだって、“特別じゃないのに忘れられない夜”がある——。 作家・燃え殻、こだま 絶賛!! 大人になってしまったあなたへ送る、人生の軌跡をほの明るく照らす26編。 「文学フリマ」で自費出版誌が話題となった作家・ササキアイ、待望のデビューエッセイ集。 【目次】 その思い出、私にくれない? 傷 66と99 いつの夏 だれの夏 引き潮 架空の娘 彼岸と此岸の日記 Camera! Camera! Camera! アイコについて 飼う人 宴の風景 下北沢、ボブ・マーリー、街の上で、 フリーズドライ 何者かになりたかった私へ サウナ惑星 コーポ追憶201 海に眠る馬 三日月みたいな爪の切り屑 福耳 カブトムシ キッチン ヨルホンヤ 帝王のお腹、ボスザルの背中 フラガール 苦くて甘くて香ばしい 化粧
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徴兵体験 百人百話
¥1,650
著者:阪野吉平 発行元:17出版 256ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 110人の徴兵体験談集。新聞もラジオもない、小作・奉公人より兵隊は給料がもらえて食うものも心配ない、という今からは想像することも難しい当時の人々の生活環境。 3年間で戦死者なしという中隊。120人の中で生きて帰れたのは9人という中隊。毎日が死と隣り合わせだった人。一度も戦闘になったことがないという人。食うには困らなかったという人。排泄物まで洗って食ったという人。真っ青になってブルブル震えて飛んで行った特攻隊員。「この戦は負け戦だ。こんなところで死んではダメだ」と言った中隊長。軍隊生活が楽だったという人。軍隊よりソビエト抑留の方が楽だったという人。捕虜を度胸試しで殺したという人。死刑前日に釈放されたという人。片足を失った人。片目を失った人。病気で兵役を免れた人。終戦を知って泣く人、喜ぶ人。昭和17年に兵隊になり日本に帰って来たのは29年という人。今も目に焼き付いていることがあるがそれは話せないという人。そろそろお迎えが来るから話そうという人。 本書は阪野吉平が2002年~2003年に110人の徴兵体験者から直接聞き取ったもので伝聞ではありません。語り手は本名・顔写真付き。聞き手のペンは中庸。戦争記録として貴重な証言もある。生の声は重い。
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へこたれてなんかいられない
¥1,760
SOLD OUT
著者:ジェーン・スー 発行元:中央公論新社 216ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 今日もなんとか生きていくのだ! 体のことに親のこと、仕事のことに友人のこと、 中年の毎日にはいろいろあるけれど。 大人を励ますごほうびエッセイ。 思っていた「五十歳女性」とはなんか違う。 馬車馬のように働き、 ストレス発散はドラッグストアでの無駄遣い、 休日はプロレス観戦に血道を上げ、 夫も子どももいないのに常にバタバタの日々――。 それでも、インディペンデントでいたいから。 【目次】 第1章 今日もなんとか生きていく 第2章 ポンコツな我々と日々のタスクと 第3章 大人の醍醐味・中年の特権 第4章 それでも生活は続くのだから
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生きるのが楽になるスヌーピー 心をゆるめてくれる禅の言葉
¥1,540
著者:チャールズ・M・シュルツ 訳者:谷川俊太郎 監修:枡野俊明 発行元:光文社 192ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 店主コメント *********************** 『ピーナッツ』のワンシーンや登場人物のセリフから「禅に通じるもの」を見出し、禅の言葉を解説するシリーズ第3弾。 物事の真理は身近な自然の風景にありのままの姿で存在し、人間もまたその一部であることを教えてくれます。複雑化した社会で忘れがちな自然体を意識することは、きっと自身の生きやすさにつながるのではないでしょうか。 【目次】 Part1 サンデー版で読む禅語 前を向くための言葉 Part2 サンデー版で読む禅語 心をゆるめる言葉 Part3 春夏秋冬を過ごす 禅語×ピーナッツコミック
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死すべき定め 死にゆく人に何ができるか
¥3,080
著者:アトゥール・ガワンデ 訳者:原井宏明 発行元:みすず書房 312ページ 193mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 今日、医学は人類史上かつてないほど人の命を救えるようになった。しかし同時に、人はがんなどの重篤な病いと闘う機会が増え、寿命が飛躍的に延びた。老人ホームやホスピスなど家族以外の人々も終末期に関わるようになり、死との向き合い方そのものが変わってしまったのである。この「新しい終末期」において、医師やまわりの人々、そして死にゆく人に何ができるのだろうか? インドの田舎町で長老として過ごすおじいさん、子供と離れて一人で都会的な生活を送るおばあさん、母親になってすぐに末期がんと向き合う女性……。本書の著者アトゥール・ガワンデは、外科医としていくつもの最期の決断に立ち会い、家族として決断に迫られる。ガワンデが直面する医療にできること、できないこととは——。 現役外科医にして「ニューヨーカー」誌のライターである著者が描く、迫真の人間ドラマ。人生の終盤をよりよくするために奔走した人々のエピソードが圧倒的な取材力と構成力で綴られた本書は、読む者に自らの終末期の選択について多くの問いを投げかけるだろう。 終末期をどう生き、最期の時をどう迎えるのか。私たちは豊かに生きることに精いっぱいで、「豊かに死ぬ」ために必要なことを、こんなにも知らない——。 【目次】 序 1 自立した自己 2 形あるものは崩れ落ちる 3 依存 4 援助 5 よりよい生活 6 定めに任せる 7 厳しい会話 8 勇気 エピローグ *********************** 店主コメント *********************** フレイル(衰弱状態)によって一人暮らしがままならない高齢者や難病を患う終末期患者に対する医療とケアのあり方を考えるルポルタージュ。 老化や病の進行と共に必要になってくる依存と援助。生命の限界が見えつつあるとき、その人は「自律」した生活を望むことはできないのか?現役の医師である著者が、これまでに関わった患者や彼らを支援する職員たちとの出会いによって見出した死生観を読者に提示する。 医師から提案された治療の選択に苦悩する患者と家族、新たな支援の試みに奮闘する職員など人物背景が丹念に書かれているので感情移入しながら読むことができます。 決して他人ごとではない現実と向き合う読み応え十分の一冊です。
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土と脂 微生物が回すフードシステム
¥3,520
著者:デイビッド・モントゴメリー/アン・ビクレー 訳者:片岡夏実 発行元:築地書館 416ページ 195mm × 138mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 今も売れているベストセラー『土と内臓』の著者による最新作!! 内臓にある味覚細胞、健康な土、 身体に良い脂肪・悪い脂肪から、コンビニ食の下に隠された飢餓まで、 土にいのちを、作物に栄養を取り戻し、食べものと身体の見方が変わる本。 前著に続き、目からうろこが落ちる記述が満載! ◎相乗的に作用しあうファイトケミカル、ミネラル、脂肪。 ◎植物は、体外に胃袋を持つ。 外部の胃袋としての根圏マイクロバイオームによって、体外で消化を行うのだ。 ◎非菌根型菌類は有機物を分解し、植物が吸収できる形で栄養を放出する。 ◎育種のベクトルを、収量から菌根菌、細菌との協力関係にシフトさせる。 ◎農業政策は、公衆衛生と医療の重要な一分野。 【目次】 序章 「土壌の健康が食物の質に影響する」は本当か? 土壌生物がもたらす作物の健康 健康な土と良い食べものをつなぐ科学的な根拠 ジャンクフードの下に隠された飢餓 第1章 健康というパズルの重要なピース 食べものの役割に関心が薄い医学 「正しい食べもの」がかつて含んでいた栄養 収量という罠 隠れた飢餓─親より寿命が短くなるアメリカ人 食べものの栄養素密度を予防医学として考える 土壌の健康を通して農法を考える 土 SOIL 第2章 人は岩でできている 店頭のニンジンとホウレンソウの栄養価 岩を食べた植物を食べる人間 植物の生長と健康を支える極小のパートナー 土壌微生物の植物学的重要性に気づく 微生物は日和見主義の政治的同盟者 品種改良によるミネラル低下 単純な実験─ミネラルを土から作物へ運ぶ微生物の育て方 第3章 生きている土 食べものを疑ったイギリス人 農業慣行がつくる作物の健康と食品の栄養価 非現実的な神秘主義と合理的思考 緑の女王バルフォア 自分の農場を一大実験場に 有機農地のウシとニワトリ 微生物生態学の進歩が明かしたバルフォアの洞察の正しさ 第4章 慣行農業の行きづまり 土壌の健康は世代を超えた信託物 耕起による土壌生態系の破壊 耕起がもたらす菌根菌・細菌へのインパクト 土壌のジャンクフード─窒素肥料 植物の防御システムを解除する化学肥料 はびこる問題15年で広がった除草剤耐性雑草 グリホサート─鉱物元素を奪い植物を枯らす もう一つの道─土づくりから始める 第5章 農民の医師 植物の根と菌根菌 作物の健康は菌類と腐植で成り立つ ビタミンBを含まない化学肥料施肥の種 全粉粒パンには鉄が3倍、ビタミンBが7倍 白米の普及と脚気、2型糖尿病 手がかりを追って 戦時中に英国人の食事を変えた科学者 野菜や飲料水を汚染する硝酸塩 大量の窒素施肥がもたらすもの 植物 PLANT 第6章 植物の身体 土がなくても作れる有機作物? 植物の錬金術師─ファイトケミカル 作物の生長・収量と健康を混同する研究者 議論が終わらない理由 ファイトケミカルが有意に多い有機作物 農法による収量差と収益性 第7章 偉大なる園芸家 私たちの手作り野菜の栄養組成 タバコ・ロード農場の不耕起集約的野菜栽培 裸地を作らず、常に何かを栽培する キノコが生える畑─森から土を入れる 歌うカエル(シンギング・フロッグズ)農場─アグロフォレストリーの野外実験 固定資産税を支払うため、不耕起栽培で年3回収穫 不耕起─土壌からの窒素流亡が起こらないわけ 慣行ブドウ園との土壌比較 土づくり─畑の生命の躍動を見守る 成功事例を小規模農場で再現する 第8章 堆肥が育てる地下社会 農業コンサルタントへの疑問 土壌比較調査 堆肥の力 ジョンソン=スー・バイオリアクターの発明 生産性をつかさどる菌類・細菌比 多様な菌類群集の速い推移 高まる関心 第9章 多様な植物由来の見過ごされた宝石 ワシントン大学薬草園 ファイトケミカルの種類は5万種 フラボノイド、カロテノイド、フェノール ヒト細胞を浄化する抗酸化物質 抗酸化物質含有食品を健康のために食べる 食べる薬 薬理効果とトマト、チョコレート 動物 ANIMAL 第10章 沈黙の畑 農薬への曝露 農家以外の農薬曝露は食事から 害虫への対抗手段としてのファイトケミカル 抵抗の根─多様性で病害虫防除 農務省を辞めて自分で研究農場を始めた昆虫学者 昆虫群衆の相互関係 農学の研究制度の壊滅を思い知る そろそろ変わるときだ 生き物の賑わいが戻った研究農場 第11章 地の脂 マイクロバイオームの大部分を収めた生態系 脂肪が人体を支配する 地の脂が乳となり人間になる トウモロコシを食べるウシ 食餌で変わる牛乳の中身 オメガ6と共役リノール酸 バターとチーズとファイトケミカル 乳牛の健康問題 第12章 肉の中身 脂肪悪玉説のはじまり 食事─心臓仮説がもたらした混乱 肉について考える イヌイット食の謎の脂肪 アザラシ肉に匹敵するDPAの摂取源 草を食わせろ 肥育場病─食餌と生活環境が引き起こすもの 第13章 身体の知恵 多種を少量ずつ食べる草食動物 草と牛─マルチパドック輪換放牧を生んだ着想 土壌中のミネラルバランスに注目する 野生動物が知っている薬効植物 身体の知恵の3本の柱 味のフィードバック、もしくは植物と踊るダイナミックなダンス 平均という問題─費用対効果の真実 正常な満腹信号を歪める食味増強剤 永続する多様性─適応と回復力を生む群れの中の変わり者 人間 PEOPLE 第14章 健康の味 脳のそばの隠された細胞 味は単色タイル、風味は複雑なモザイク 腸内の神経細胞にもある味覚受容体 喉にある苦味受容体の役割 壊れた羅針盤─身体の知恵を狂わせる甘味、塩味、うま味 食の相乗効果 栄養研究の難しさ 健康のための食事指針は、食べものが何を食べてきたのかを考えない 第15章 バランスの問題 『美味礼讃』が伝えたかったこと 低脂肪食品の効能は薄い─ボーイング社員で徹底研究 よい脂肪、共役リノール酸 太古の脂肪 炎症のバランスを取る脂肪 オメガ3とオメガ6のバランスのよい蓄え オメガ3サプリの効果 脂肪と心の健康 日本食の評価 第16章 作物に栄養を取り戻す 本場フランスのバゲットがおいしくなかった理由 パン研究所で学ぶコムギ製粉の歴史 コムギの育種─貯蔵寿命と収量の最大化 世界から集めた1000種類のコムギ 必要な多様性がすべて揃った畑 化学肥料を与えない畑に合うコムギの育種 穀物に足りないもの─栄養より収量でいいのか 近代の品種と古代の品種 食べものに栄養を取り戻す 主要作物の復活─SRIによるコメ栽培 第17章 畑の薬 超加工食品を食べない人々の歯はなぜ健康か 伝統食と栄養 健康のための農業 栄養素欠乏が引き起こすもの 菌類からの化合物の活躍 新しい栄養学のススメ 食の多様性 第18章 健康を収穫する 土地をどう扱うかで人間の健康が決まる 新たな方向性─土壌に必要な生物も育てる農業 選択肢は慣行農法か有機か、ではない 不耕起、被覆作物、多様な作物の輪作で1セット 未来の農業 未来の選択─農業のやり方が人間のありようを形作る 謝辞 訳者あとがき 参考文献 索引
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ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集
¥1,320
SOLD OUT
著者:斉藤倫 画:高野文子 発行元:福音館書店 160ページ 189mm × 131ページ 仮フランス装 *********************** 出版社紹介文より *********************** わからなくたって、好きになっていいんだよ きみはいつものように、あけっぱなしの玄関から、どんどんぼくの部屋にあがりこみ、ランドセルをおろしながらこういった。「せんせいが、おまえは本を読めっていうんだ。ことばがなってないから」。ぼくは一冊の詩集をきみに手渡す。「ここんとこ、読んでみな」。詩は、おもしろい。そして、詩はことばを自由にし、ことばはわたしたちを自由にする。20篇の詩を通して、詩人斉藤倫と楽しみ、考える、詩のことそしてことばのこと。 *********************** 店主コメント *********************** 「ぼく」の家へ遊びに来る小学生の「きみ」。 「ぼく」は他愛のない会話から思いついた詩集を、いつものように本の山から引っ張り出して「きみ」に差し出す ―― 詩を読む「きみ」の反応と屈託のない感想が、この本の読者に詩とことばの楽しさを教えてくれます。詩的に描かれる二人の交流とその中で引用される詩によって編まれたこの詩集は、ひとつの物語でありアンソロジーでもあります。
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ひとり
¥1,980
SOLD OUT
発行元:誠光社 160ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** クラブで踊るためでもなければ、ライヴハウスで騒ぐためでもない、ひとりの雰囲気を持つ音楽。かといってひとりよがりの、半径数メートル閉塞感もりもりのマニアックな選盤というわけではない。音盤収集学とレコード詩学を絶妙にブレンドしてカフェ・ミュージックを擬態し、よく知られた盤もあまり知られていない盤も何食わぬ様子で並み居る約500枚。みんなにとっては重要かもしれない再生回数だの影響力(インプレッション)だのといったあらゆる序列は、たった「ひとり」の前で完全に無効化する。 (本書解説文より) ひとりで聴きたいレコード、ひとりで奏でられた音楽、聴けばひとりを感じる調べ。 1999年の終わり、過ぎ去りつつあった大衆(みんな)で音楽を聴く時代を惜しみつつ、ひとりの時間をいかに大切に過ごすかを考え始めた人たちによるディスクガイド。「何を」ではなく「どのように」聴くのかを問い、21世紀の始まりを予見した一冊がついに新装復刊。 *********************** 店主コメント *********************** 1999年に刊行された幻のディスクガイド『ひとり』の新装版。名著『モンド・ミュージック』の編著を手掛けたGAZETTE4が中心となり「ひとり」をテーマに選盤。約500枚のレコードが簡潔なレビューと共に掲載されています。 新装復刊するにあたりディスクレビューやコラムも追加。ジャケ写はモノクロのみですが、ボリューミーな内容にレコード好きも満足の一冊ではないでしょうか。 音楽も読書もジャンルの垣根を越えて楽しむのが一番です。
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ヒッピーの教科書
¥1,980
原作:赤田祐一 作画:関根美有 発行元:エディトリアル・デパートメント 110ページ(一部カラーページ) 248mm × 188mm ハードカバー *********************** 店主コメント *********************** みなさんは「ヒッピー」という言葉から何を連想しますか? 長髪、フレアパンツ、ドラッグ、性の解放など・・・反体制的で自由に生きる俗世離れした人たちをイメージするのではないでしょうか? この本ではヒッピーの前身となったビート・ジェネレーションから現在のヒッピーまでマンガ形式で解説。その歴史を読み解くと、退廃的なイメージとは違った〝生産的でクリエイティブ〟な一面が見えてきます。 2019年に刊行された雑誌『スペクテイター』44号に掲載された記事のうち「ヒッピーの歴史」というマンガ記事を抜粋し再編集。さらに、書き下ろしの記事が追加されています。 基になった雑誌の方は古書価が高騰。なかなか入手しづらい状況ですので、こちらの再編集版をこの機会にぜひ!
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センス入門
¥1,430
著者:松浦弥太郎 発行元:筑摩書房 160ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 頑張っているのにうまくいかない、そんなときに欠けているのは、おそらく「センスのよさ」。明日からを素敵に生きるため、今日できることは何かを教えます。 *********************** 店主コメント *********************** センスは一朝一夕で身に付くものではないけど、特別な人だけに備わっているものではない。この本を読んでいるとそのように思えてきます。 つまり、誰でも身に付けることができる。 心がけ次第ということなのだけど、それもさほどハードルが高い内容ではありません。 ただ、それ故に日々の生活でつい疎かになりがち。 心がけを忘れないためにも、ずっと本棚に残しておきたい一冊です。
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コーヒーにミルクを入れるような愛
¥1,705
SOLD OUT
著者:くどうれいん 発行元:講談社 208ページ 188mm × 128mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** ふたり暮らし。書くこと。前を見て進むこと。 日々の手ざわりがあざやかな言葉に変わる。 ロングセラー『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『虎のたましい人魚の涙』『桃を煮るひと』に続く、注目作家の最新エッセイ集。 【目次】 飛んじゃったサンキャッチャー なまけ神様 大荷物のこころ ほそい稲妻 すばらしい枝 歯とベンツ 泣きながらマラカス クリーニング・キッス 鬼の初恋 蝙蝠・胡麻団子・氷嚢 夜のマンション 夕陽を見せる いやな手 見ていないし、透かしていない コーヒーと結婚 倒産と失恋 長野さんは陸を泳ぐ へそを出して来た ヤドリギ かわいそうに ミルク 作家みたい 深く蔵す
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ドミトリーともきんす
¥1,650
著者:高野文子 発行元:中央公論新社 126ページ 250mm × 180mm ソフトカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 不思議な学生寮「ともきんす」に暮らす“科学する人たち”朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹……彼らが遺した文章と一組の母娘の出会いを描く待望のコミックス単行本。 【目次】 球面世界 ドミトリーともきんす(トモナガ君 おうどんです-朝永振一郎「鏡のなかの物理学」 トモナガ君 泣かないで-朝永振一郎「滞独日記(一九三八年四月七日‐一九四〇年九月八日)」 マキノ君 お正月です-牧野富太郎「松竹梅」 ナカヤ君 お手紙です-中谷宇吉郎「簪を挿した蛇」 ナカヤ君 コタツです-中谷宇吉郎「天地創造の話」 マキノ君 蝶々です-牧野富太郎「なぜ花は匂うか?」) Tさん(東京在住)は、この夏、盆踊りが、おどりたい。 *********************** 店主コメント *********************** 朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹、4人の日本人学者が登場する短編マンガと共に、彼らの著作を紹介する読書案内コミック。 「ドミトリーともきんす」という架空の学生寮を舞台に、それぞれの学者の性格や研究に対する姿勢が明解に描かれています。 自然科学について語られた文章は、小説と違う味わいを持っています。高野文子が描く落ち着いたトーンの絵柄は、学者らが綴った文章の持つ澄んだ味わいにマッチしています。
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わかりやすさの罪(朝日文庫)
¥946
SOLD OUT
著者:武田砂鉄 発行元:朝日新聞出版 344ページ 文庫判 148mm × 105mm *********************** 出版社紹介文より *********************** “わかりやすさ”の妄信、あるいは猛進が、私たちの社会にどのような影響を及ぼしているのだろうか。「すぐにわかる! 」に頼り続けるメディア、ノウハウを一瞬で伝えたがるビジネス書、「4回泣ける映画」で4回泣く人たち……。「どっち」?との問いに「どっちでもねーよ! 」と答えたくなる機会があまりにも多い日々。私たちはいつだって、どっちでもないはず。納得と共感に溺れる社会で、与えられた選択肢を疑うための一冊。 【目次】 はじめに 1 「どっちですか」?の危うさ 2 「言葉にできない」 3 要約という行為 4 「2+3=○」「○+○=5」 5 勝手に理解しないで 6 理解が混雑する 7 「一気にわかる! 」必要性 8 人心を1分で話すな 9 なぜそこで笑ったのか 10 なぜ笑うのか、なぜ笑えないのか 11 全てを人に届ける 12 説明不足 13 「コード」にすがる 14 ノイズを増やす 15 4回泣けます 16 コーヒーを吹くかもしれない 17 深いって何だろう 18 見せかけの優位 19 偶然は自分のもの 20 わざと雑にする 21 そんなこと言ってないのに 22 自分に迷わない人たち 23 みんなで考えすぎ 24 人はいつもぐちゃぐちゃ *********************** 店主コメント *********************** 弊店でもかねてより推していた『わかりやすさの罪』が待望の文庫化! さまざまなメディアでよく見かける「すぐにわかる!」といったフレーズ。 広告に踊る心に刺さるようなキャッチコピー。 二項対立が明確な問題提起。 などなど・・・ 周囲にあふれる「わかりやすさ」。 気付かないうちに染まり切っているかもしれません。 意見の多様性や思考することの大切さを気づかせてくれる1冊です。
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私たちはいつから「孤独」になったのか
¥4,620
著者:フェイ・バウンド・アルバーティ 訳者:神崎朗子 発行元:みすず書房 344ページ 195mm × 135mm ハードカバー *********************** 出版社紹介文より *********************** 自分を理解してくれる人がいない、友人や伴侶が得られない、最愛の存在を喪って心にぽっかりと穴があいたような気持ちがする、老後の独り居が不安だ、「ホーム」と呼べる居場所がない――このような否定的な欠乏感を伴う感情体験を表現する語として「孤独」が用いられるようになったのは、近代以降のことである。それまで「独りでいること」は、必ずしもネガティブな意味を持たなかった。孤独とは、個人主義が台頭し、包摂性が低く共同性の薄れた社会が形成される、その亀裂のなかで顕在化した感情群なのである。 ゆえに孤独は、人間である以上受け入れなければならない本質的条件などではない。それは歴史的に形成されてきた概念であり、ジェンダーやエスニシティ、年齢、社会経済的地位、環境、宗教、科学などによっても異なる経験である。いっぽう、現代において孤独がさまざまな問題を引き起こしていることも事実であり、国や社会として解決しようとする動きが出てきている。その際まず必要となるのは、孤独を腑分けし、どのような孤独が望ましくなく、介入を必要とするのかを見極める手続きである。 2018年に世界で初めて孤独問題担当の大臣職を設置したイギリスの状況をもとに、孤独の来歴を多角的に照らし出す。漠然とした不安にも、孤独をめぐるさまざまな言説にもふりまわされずに、孤独に向き合うための手がかりとなる1冊。