酔わせる映画 ヴァカンスの朝はシードルで始まる
¥2,200 税込
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著者:月永理絵
発行元:春陽堂書店
312ページ
188mm × 128mm ソフトカバー
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出版社紹介文より
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人気映画ライターが新たな角度で映画を語る!
【酒と食をめぐる、五感に響く映画コラム集】
なにかを 飲まず/食べず にはいられない~キッチンに駆け込みたくなる映画を集めました。
小津安二郎『晩春』から『セックス・アンド・ザ・シティ』まで、新旧国内外の作品200本が登場・索引付き。
「何かに心を奪われ、それしか目に入らないくらいうっとりと見惚れてしまうことを「酔う」というならば、この本に登場する映画はどれも、私を酔わせ、未知の世界へと連れていってくれたものだ。」
【目次】
一杯のビールの泡から始まる物語
第1章 お酒で酔わせる映画
◉酔いの快楽
ゆらゆらと流れゆくワインのように(オタール・イオセリアーニ『落葉』)
飲んだくれの恋人たちによる最高の酒場映画(バーベット・シュローダー『バーフライ』)
西部の男たちの酒と食(ハワード・ホークス『リオ・ブラボー』)他
韓国焼酎から白酒へ(ホン・サンス『あなたの顔の前に』)
ヴァカンスとシードルは甘くない(ジャック・ロジエ『オルエットの方へ』)他
りんご酒をめぐるキツネたちの戦い(ウェス・アンダーソン『ファンタスティック Mr・FOX』)
悪魔でも救世主でもない「酒」を描く(トマス・ヴィンターベア『アナザーラウンド』)
◉不吉な酔い
そのグラスに口をつけたら地獄行き(ジョン・フォード『果てなき船路』)
増村映画と葡萄酒(増村保造『妻は告白する』)
飲むことを許されなかった酒が死を呼び寄せる(アキ・カウリスマキ『マッチ工場の少女』)
断酒会の風景(ガス・ヴァン・サント『ドント・ウォーリー』)
ビールを飲む女たち(ロバート・アルトマン『三人の女』)
ビールを飲む男たち(クリント・イーストウッド『グラン・トリノ』)他
追い詰められた者たちには日本酒がよく似合う(山中貞雄『人情紙風船』)
◉女が酒を飲むこと
彼女は物語を背負わずに酒を飲みつづける(ウルリケ・オッティンガー『アル中女の肖像』)
酒を片手に、女たちはしゃべりつづける(マイケル・パトリック・キング『セックス・アンド・ザ・シティ』)
生ぬるいビールと共に(バーバラ・ローデン『WANDA/ワンダ』)
日本酒の似合う女たち(成瀬巳喜男『流れる』)他
ホン・サンス映画の人々はもう韓国焼酎を飲まない(ホン・サンス『小説家の映画』)
ウイスキーとジーナ・ローランズ(ジョン・カサヴェテス『オープニング・ナイト』)
[映画リスト]酒場映画―一度は行ってみたいあの酒場
第2章 りんごと映画の酔わせる関係
◉りんごを齧るとき
悪い男たちは本当にりんごを齧るのか?(レオス・カラックス『アネット』)
悲しむ者はりんごを丸ごと食べつくす(ビー・ガン『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』)
不貞腐れた顔の女たち(大九明子『美人が婚活してみたら』)他
青年が真実と向き合うとき(青山真治『東京公園』)
◉りんごが象徴するものは何?
「りんごを磨く人」とは誰のこと?(ガス・ヴァン・サント『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』)
大人と子どもの友情を紡ぐもの(ビクトル・エリセ『ミツバチのささやき』)
少年が選んだ最高のクリスマス・プレゼント(チャールズ・ロートン『狩人の夜』)
善と悪との間を彷徨う男たち(アナス・トマス・イェンセン『アダムズ・アップル』)
禁断の果実が導くロマンティックコメディ(プレストン・スタージェス『レディ・イヴ』)
真っ赤な靴と赤い唇の女の子(ヴィクター・フレミング『オズの魔法使』)他
笠智衆はひとり、りんごの皮を剝く(小津安二郎『晩春』)
◉りんごを愛する者たち
ラブコメの女王はりんごがお好き?(ロブ・ライナー『恋人たちの予感』)他
「りんごの画家」セザンヌと作家ゾラの友情を紡いだもの(ダニエル・トンプソン『セザンヌと過ごした時間』)
少女は自分だけの言葉を獲得する(横浜聡子『いとみち』)
女たちはおしゃべりをし、りんごを食べる(ホン・サンス『逃げた女』)
◉りんごは隠せない
西部の早撃ちガンマンが撃ち落とすものとは(セルジオ・レオーネ『夕陽のガンマン』)他
傷ついた大人たちの旅はどこまでも続いく(マチュー・アマルリック『さすらいの女神たち』)
部屋のなかに隠された三つのシンボル(ペドロ・アルモドバル『抱擁のかけら』)
りんごを食べる男の喪失と再生の物語(クリストス・ニク『林檎とポラロイド』)
[映画リスト]赤と緑の映画―りんごが喚起する二つの色
第3章 酔わずに食べたい映画
悪い男たちの食事風景(マーティン・スコセッシ『グッドフェローズ』)他
食べることの幸福を思い出す最後の晩餐(リチャード・フライシャー『ソイレント・グリーン』)
家事と労働と(シャンタル・アケルマン『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080 コメルス河畔通り 23番地』)
パン生地を捏ねる人々(オフィル・ラウル・グレイザー『彼が愛したケーキ職人』)
白玉団子が招いた夫の帰還(黒沢清『岸辺の旅』)
おとぎ話の甘いケーキがもたらすもの(ジャック・ドゥミ『ロバと王女』)
[映画リスト]おつまみ映画―日本映画に見る美味しい酒の肴
あとがき
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