分解の哲学 腐敗と発酵をめぐる思考
¥2,640 税込
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著者:藤原辰史
発行元:青土社
345ページ
188mm × 128mm ソフトカバー
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店主コメント
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著者はこの本で2019年にサントリー学芸賞を社会・風俗部門で受賞し、近著は『縁食論』(ミシマ社)などがあります。
この本の中で展開される分解と発酵に関するアナロジー的思考は、掃除のおじさんがゴミを材料にして作るおもちゃの話から始まり、文学や生態学など様々な分野にまで及びます。
知識欲を刺激してくれる1冊です。
【目次】
序章 生じつつ壊れる
1 掃除のおじさん
2 属性を失ったものの必要性
3 人間界と自然界のはざまで
4 壊れたものの理念――ナポリの技術
5 機能から切り離された器官
第1章 〈帝国〉の形態――ネグリとハートの「腐敗」概念について
1 隠される腐敗
2 土壌から考える
3 〈帝国〉を描く
4 腐敗を考える
5 分解者としてのマルチチュード
6 歴史に聴く
第2章 積み木の哲学――フレーベルの幼稚園について
1 崩すおもちゃ
2 フレーベルの幼稚園
3 フレーベルの積み木の哲学
4 積み木の無限性
5 育むものとしての人間と植物
6 歌と音
7 食べる分解者たち
第3章 人類の臨界――チャペックの未来小説について
1 「分解世界」と「抗分解世界」
2 『マクロプロス事件』
3 もはや神の未熟児ではなく
4 メチニコフのヨーグルト
5 人類はいつまでもつのか
6 人類の臨界へ―─ロボットの叛乱
7 ロボットと人類の混交
8 労働からの解放による人類の滅亡――『山椒魚戦争』
9 壊しすぎるという問題─―『絶対製造工場』と『クラカチット』
10 ロボットの末裔たち
11 土いじりの生態学
12 チャペックの臨界から跳べ
第4章 屑拾いのマリア――法とくらしのはざまで
1 分解者としての屑拾い
2 明治の「くずひろい」
3 屑の世界の治安と衛生
4 バタヤとルンペン・プロレタリアート
5 ポーランドから蟻の街へ
6 満洲から蟻の街へ
7 「蟻の街」という舞台で
8 恥ずかしさと愉快さ
9 屑を喰う
第5章 葬送の賑わい――生態学史のなかの「分解者」
1 生態系という概念
2 生産者と消費者と分解者
3 「分解者」とは何か
4 「分解者」概念の誕生
5 葬儀屋とリサイクル業者
6 シマウマとサケとクジラの「葬儀」
7 人間の「葬儀」
8 糞のなかの宝石
9 ファーブルの糞虫
10 分解世界としての蛹
第6章 修理の美学――つくろう、ほどく、ほどこす
1 計画的陳腐化
2 減築
3 犁のメンテナンス
4 メンテナンスと愛着
5 金繕い
6 器の「景色」
7 「ほどく」と「むすぶ」
8 「とく」と「とき」
終章 分解の饗宴
1 装置を発酵させる
2 食現象の拡張的考察
3 食い殺すことの祝祭
あとがきにかえて
註
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